第2霊 ー入れ替わりー

チチチと、すずめの声が聞こえる。あー…今日からか…だりーな…

とっとっとっ………バン!

長月「起きろ!不とどき者!」

俺「うー……て、まだ5時半じゃないか……」

長月「馬鹿者!仕事をするにはまず、払う事や退治、自分の身を守る事も覚えねばならぬ。」

俺「えー!」

長月「俺は邪気や悪霊も払っている。その上この仕事についている。お前も修行しろ!(`_´)」

「えーーー(めんどくさ!)」

ーーーーーーーーーーーーーーー

長月「まずは、幽霊体にお前なれるんだろ?なれ!」

俺「え!?無茶いうなよ。そんななりたい時になれるもんじゃねーよ!」

長月「は!?何だと!?」

俺「何か頭に血昇ったり、強い感情の時じゃないと無理だよ。さらに、ほとんど

9割が意識ないもん。」

長月「な、何ぃ!?役立たずが!」

響俺「ん……」

長月「ん?……意識が無いと言うのはどういう事だ?」

響俺「何かしんねーけど体が勝手に動いてんだよ。」

長月「そうか……」ジーーーーー。

俺「な、なな何だよ!……!?(こいつの目、何かを確かめてやがる?)」

長月「……お前は……誰だ?」

俺「は!?俺は俺だよ!」

長月「……あ、すまんすまん。ついボーっとしてしまった。」

俺「(ついどころじゃないぞ。)お、おう。」

長月「それでは、今日1日は払う練習をしてもらう!覚悟はいいな?」

俺「うんー……」

ーーーーーーーーーーーーーーー昼ーーーーーーーーーー

俺「たはーーーっ!疲れたー……」

長月「何だと!?全く出来が悪すぎる。(……だが、とても普通の人間とは思えないほどの払う力だ……払う力も強いし、何より精神と体力がすごい。)」

俺「なあ、長月ー飯にしよーよー」

長月「それも、そうだな。」

シャッシャッシャ、トントントン。ジューー……

長月「ほれ、食べろ!」

俺「なっ!」

そこに広がる光景はカリッと焼き目がついたさんまと、ホカホカの炊きたてのご飯にシジミと豆腐とワカメ?が入った味噌汁、鳥の丸焼きがあった。

……ガツガツ!

俺「む、むめーーー!(う、うめーー!)」

長月「ふん。当たり前だ、私は何もかも出来るからな。」自慢げに言う。

俺「ぬ、ぬーん……(ふ、ふーん……)」

長月「……!!」ガタッ!

俺「ん?……どうしたんだ長つ……」

長月「危ない、しゃがめ!」

俺「え……」

ドーーーーーーン!

俺「ってぇー……何しやが……!!」

?「ど、どけた……殺す。殺す殺す殺す殺す」

俺「何だあれ!(嫌な霊気だ……)」

長月「あれは悪霊になりかけている霊気だ。」

俺「なりかけている?じゃあまだ…」

長月「ああ、止められる!」シュッ!

長月は何らかの札を出し、呪文を唱えた……

長月「……神に逆らうとは、命知らずめ……」ひゅっ!パシ。

霊「あ、ああーーー前が見え……ないーーー!殺す殺す殺す殺す殺す殺すー!」

パアーーーーン!………………

俺「やっ……た?は、早……」

長月「ふうー。」とっとっ……「後は霊を開放……」

バーーーン!!

長月「っ、グハッ!」

俺「な、長月!……く、くそぉ……(まだ生きてたのかよ!)くそ!」

霊「う、あああーー!殺す殺す。私を苦しめたあなたおぉーー!殺す!」

俺「あなた?く、(それよりも、今の内にしげみに……)」ガサガサ。

長月「く、くそがぁ……」

俺「長月!大丈夫か!?」

長月「……どけ!」バン。

俺「!?何す……」

長月「俺が何とか……」ふら。

俺「無理だ!」

長月「く……そ……に、逃げろ……」

俺「はあ!?無理に決まってんだろ!」

長月「くそ……俺の刀があれば本来の力が……」

俺「!?刀ってどこだ!?」

長月「俺の部屋の机の上……無理だ。もう……」

俺「く、くそおー」

霊「あ、うあーみ、みいつけたー」

俺「!!?くそ……」

霊「喰ってやる……引きちぎる!」ざっ!!

長月「う……逃げ…」

俺「(どうすんだよ!俺には何も……)!!」カッ!!

長月「……!!?」

霊「う、うう……手が……」

偽俺「ふ、悪霊になりかけた霊が。俺に危害を加えようとはいい度胸だ。」

長月「……誰だ?お前は響の中にいた霊か?」

偽俺「まあな。ふ、あいつを引き付けてればいいんだろ?」

長月「!あ、ああ。俺が刀を取って、払う。」

偽俺「じゃあ簡単だ。あいにく俺は払う事は出来んからな。」

長月「……まかせた。(何だあいつは……ものすごい霊気だ。響と似ているが性格や髪が違う……)」たったっ。

霊「殺す……許さ……ない。」ひゅーー!

偽俺「殺す殺すうるせーよ。動きも遅い!」とん。

霊「ど、どこへ……」

偽俺「ねえ、切ってもいい?」シャキーン……

長月「どけ!」

偽俺「おっと……はえーよー」とん。

長月「我眠りし者よ見直したまえ。害なすものその身をたたえたまえ!」

霊「ひ、ひゃーーー!!」

偽俺「ふ、記憶がきやがる。」

長月「たつ!」……

パアーーーーーーーーーーーーー…………………………………………………………

俺は霊に襲われる寸前何かなったのか?それとも、死んだのか?でも、かすかに遠い記憶で名前を呼ばれている。

ポチャン……

?「……よお、響。」

俺「(何だ?何か知ってるような……温かい……)」

記憶ーーーーーーーーーー

俺「一緒に寝よー「兄ちゃん」ーー!」

兄「ったく!しゃーねーなー」

これは……昔の俺……と、死んだ双子の兄、「涼(りょう)」ー……

俺「兄ちゃんー」

兄「何だ?」

俺「父さんと母さんはもういないけど、いつか会えるのかなー」

兄「……おう!俺は会えると信じてる!」ポロ……

俺「兄ちゃん……泣いてるの?」

兄「べ、別に!俺は響のお兄ちゃんだぞ!俺は何があってもお前を守る!…だから……」

俺「……」きゅーー。

兄「泣いていいんだぞ。」にこ。

俺「……ずっ!すっすっ。」💦

その時の俺は悲しくて泣いたんじゃない、兄を信じて失いたくないと思って泣いたんだ。けれど、兄は死んだ……なのに……

今ーーーーーーーーーーーーーーー

俺「お前は……」

兄「よお、響。ずいぶん大きくなったな。」

俺「……!?に、兄ちゃん!?てことは……夢か?」

兄「夢と言えばそうでもあるがな。……響、お前は強くなれ。そうすれば、俺も強くなって、お前をー……」

あ、また意識がー……

?「……う…ょう……きょう……響!」

俺「!!?……何だ、長月か……」

長月「良かった……目が覚めたか。」

俺「……夢でさ、兄ちゃんと会ったんだ。」

長月「!!!?……そうか。」

俺「強くなれってさ。何でかな、兄ちゃんに会った時とても嬉しいのにいつも会ってる気がしたんだ。」

長月「……そうか!つまりお前は弱い!強くなるにはまず仕事しろ!」

俺「て、はあ!?人の話聞けよ!╬」

長月「笑。……おし!もう日も暮れてきたし……」

俺「!!」

長月「出前仕事に移るか!」ニコ。

俺「……ええええ!?ま、まじかよ!」

こうして俺は、長月との仕事を夜にする事になったー……

この続きは!次の話で!

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幽霊人間の俺と長月屋 @akaripanda7430

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