幽霊人間の俺と長月屋

@akaripanda7430

第1霊 ー居場所ー

ミーン…ミンミンミーン…

……暑い……

とても暑い…家はこの間お世話になっていたおばさんが出ていき、俺1人だから俺も出ていったら今、ホームレスって言うのか?うろうろ歩いている。それにしても、今日はとにかく暑いなー…

俺「っ…しんど…(どこか涼しく人が少ないところへ…)」

俺は「新神 響(あらかみ きょう)」。18歳、、両親は俺が2歳の頃、ドライブ中事故で死んだ。そして俺はおばさんの家に住ませてもらった。あと、おれには5歳の頃双子の兄がいた。兄は俺が川で溺れた時、俺を助けて死んだ。俺は兄が大好きだったから、その哀しみは大きかった……俺は不幸の連鎖だったー…毎晩兄が溺れる夢を見ていた…だが、その時から俺の身体に異変が起こったのだ。ー幽霊らしきものが見えるようになったー母ちゃんと父さんを見た時、本当に嬉かった、だが、その嬉しさは絶望に変わった。幽霊は記憶が無いようなのだ。母さんと父さんは見向きもしない。でも、母さんと父さんは見つかったのに兄は見つからなかった。次の日、俺は幼稚園に行くときに誰にも気づかれなかったのだ。どういう事かというと簡単だ、人に触れられないし話しもできない。その代わり、幽霊に触れれるし、会話もできる。幽霊の中にはまだ死んだと言う意識がないやつもいる。まあ、なんだかんだ慣れたけどな。

俺「暑い…」俺が途方に暮れて歩いていると…

ピラピラー。

俺「(何だこの紙…)」足下に飛んできた紙を俺は見た!!

「ー便利屋の長月屋ー品揃えばっちりで豊かな自然に恵まれている「光山」の中にある長月屋にぜひお越し下さい!人は少ないし、涼しい風があなたを幸せにします。」

俺「……!!」今思えば馬鹿馬鹿しいが、その時の俺は涼しいと言う言葉と人が少ないと言う言葉にとても食い付いた!

そして、チラシの地図を見て電車に乗り、歩いて歩いて…光山と言う山についたー…

俺「はあ…はあ…(この山の上らへんに村がある…でも、この地図によると長月屋?てのが近くにあるから先かな…)…おし!!頑張るぞーー」涼しい風と自由を求めて俺は歩いた。人も少ないらしいからいいと思ったけど本当にいないもんだな。

ーー…あれ?視界が歪んで…あ、ヤバイかも。こんなとこで倒れても人がー…

ーーーーーーーーーーーバタン。ーーーーーーーーーーーーー

…やってしまった。こんな山の中で倒れるなんて…最悪だ。これじゃあ、ガチの幽霊になっちまう…幽体離脱も力がなくて出来ねーし…倒れた後は幽霊になってるしなーその時、死んだ方の幽霊かいつもの幽霊化か確かめねーとなー…

………………………………………パチ。……………………………………

ー何だここ…目を開けると木目の天井が見える。横を見るとキレイな和室の畳が見える。俺は布団の上か?…ー ………………………ガバっ!!

俺「俺は⁉どっちの…記憶…記憶…新神 響。18歳、家を出て…!!奇跡だ‼(良かった‼生きてる!!けど、俺は幽霊のはず…ここで幽霊にならなかったと言う可能性もあるな…)」

とっとっとっとっと…ガラ。

?「…目は覚めたか?」

俺「!!は…はい‼」この人は…人間だ。

?「そうか。」…「幽霊でも倒れる事はあるんだな。」ボソ。

俺「はい?(今、幽霊って…)」

?「いや、何でもない。ところがお前みたいな奴は初めてだな。ちゃんとした会話の上、人間性があり、オーラが奇妙だ…どっちか分からんな…」

俺「あ…はい?」

?「さて、何処も痛くないか?」

俺「…頭が少し…」

?「え⁉頭が痛い事ってあるのか?」

俺「え…はい…そりゃそうですね…」

?「…そうか…あ、店の中見ていくか?」

俺「店??…⁉そ、それって、長月屋ですか⁉」

?「?ああ。そうだが?チラシを見たのか?」

俺「はい!この山は涼しくて人が少ないと聞いたので!!」

?「そうか。うむ、涼しいし人も少ないぞ。…店まで案内する、来い。」

俺「あ、はい。」たったっ。

俺がいたのは、二階の奥の部屋らしく、歩いて一階の扉を開けるとー…

ー何だ?この沢山のビンと薬物は…

?「それは、岩石とラルレンの草を組み合わせた「記憶少しもどーるだ。」」

俺「それは…何のために?」

?「…?決まってんだろ。それを割ると、「生きていた頃の記憶を少し見れる」んだよ。」

俺「嘘…だろ。」

?「あ?何だ?」

……カランコローンー……

客A「「長月狐」ー…薬…………」

?「あ、ああ……」

客A「人間……」

?「え?何だよ人間って……えー⁉に、人間…だと⁉」

俺「………………最悪……」

?「おい、お前…」

俺「は……はい!!」

?「少し興味がある……」ニヤリ。

俺「え?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして俺は自分の事情を話した。しかし、こいつは不思議だ。幽霊とは会話が余り出来ないはずなのにこいつは冷静だ……もしかしたら、こいつも俺と……

?「なるほどな。……あ、後俺はお前とは違うからな?」

俺「(げ!!読まれてる!!)じ……じゃあ何だよ?💦」

?「俺は「長月」ていう、「狐」だ。」

俺「あー………………はあーーー⁉き、狐ってテレビとかで見る化けたりするあれかよ⁉嘘だろ?狐は動物だろ……」

長月「この!!罰当たりめ!!💢俺はそこら辺の狐じゃない‼神の使いの神社とかの祠にやどる狐だ‼神と言ってもいいぐらいだ‼」

俺「ええ⁉…てことはつまりは妖怪…」

長月「な、何!?ま、まあそうでもある…💧」

俺「そうじゃん…」

長月「俺はこの世をさ迷う幽霊を手助けしたり、道をつくっている」

俺「……すげぇー……」

長月「だろ?基本的に人間には俺は見えない。まあ、化けたら別だけどな。」

俺「へえー…」今見ても人間に見えるが確かにおかしいな。髪は長髪で目が少しつり上がっていて、目の色は綺麗なグリーンで、よく見たら笑うと牙が2本見えるし耳が上にある。服は着物で化け狐と思えばそう見える…

長月「俺は美しいだろー?」ジロジロ。

俺「く!!」何だよコイツ…

長月「…まあ、俺もお前に興味がある。今日からここへ住めばいい。」

俺「は⁉何が嬉しくてお前達みたいな妖怪と幽霊と…」

長月「なら、いいがここを人間に知られたからには呪い、たたり、お前を殺さなければならないが…?」

俺「ひっ!!…わ、分かった‼分かった‼💦住む住む‼💦(こいつは神の使いだ…たたりられるし、呪うこともたやすいだろうからなー…)」

長月「そうか、そんなに言うならしゃーないなー?」

俺「(くそ…何で俺が…)…てか、便利屋何てやって儲かるの?代償は?幽霊は飯食わないけどお前は食うの?」

長月「んー…質問が多いなー。俺はお前と同じで食うし、代償は酒や魚や宝石だな。」

俺「宝石??」

長月「宝石は俺の力で金にしたり、この家をキレイにしたり植物をすぐ育てられるようになる。」

俺「スゲーな…」

長月「俺はいろいろ薬や便利道具を作って売っている。」

俺「ふーん…これから俺はどうすればいいんだ?」

長月「幽体離脱して、客寄せして色々な物を売りにいけ。」

俺「おう。いつから?」

長月「明日に決まってんだろ!」

俺「えーー…分かったよ。」

今日から俺はこの家に住むことになり、明日からは仕事だ。妙な人生を俺は辿る事にしたー…

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