アバンが長いんだけど、これがまたとてもいい。
スチームパンク(スチームファンク)的な物語の背景を、美しく、そして胸熱に紡ぎ出してくれます。
主人公(ヒロイン)の相棒は半壊した蒸気機械。吐き出すのは銀色の蒸気。口?からは意思のような声のような「ザザザ」というノイズ。
けれど首にはヒーローの証である赤色のマフラーです。かっこいい。
物語は、この機械にかつて存在していた筈の”心=ギアスクオーツ”を修復するという筋立て。これはアバンを読んでいただければ、感情移入必至です!
そして、ヒロインと相棒の二人は倫敦へ。
霧と蒸気の倫敦ならばね、なんとかなるんではないか。そんな物語の予感がビンビンします。
だって、成長したヒロインの主役感が半端ないんだもの。その台詞のかっこいいこと。
まだ第一話ですが、アバンだけでも十分楽しめますので、是非是非、読んでみてください。
演劇のように朗々と声が響く。
音はしない。自分の心が、読むたびに、そのように響かせているからだ。
物語を読む楽しさは、読みながら情景に思いを馳せ、セリフに声をあて、人物の動きを想像する所にある。
心の中で回り出す舞台は、誰のものでもない、自分だけの世界だ。
世界を回す楽しみ。
思いがけない急展開に、自分の中の世界がちょっとだけ混乱して、修正されていくのもまた一興。
そうした楽しみを、この作品はいとも容易く呼び覚まさせてくれる!
文章を読むのが苦手…という人でも大丈夫!
ほどよいボリュームで、満足できる文章!
ラヂオでも、映画でも、はたまたアニメでも!
あなたの心の中で、この物語はどのような歯車で回りだすでしょうか?