切なさと温かさが重なる物語。たとえ同じ経験をしたことがなくても、多くの方が、自分の思い出をたどったり懐かしさを覚えたりするのではなかろうか。短いながらも印象に残る作品でした。
恋か恋じゃないか分からないそんなぼんやりした宙ぶらりんな関係て、あると思うけど、まさにその物語です。
誰にでもあることだと思うけれども、その時感じた淡い「恋心」にも似た何かは、きっとどこか心の中に小さな花を咲かせたのだと思う。そして、通勤電車で再び出会った時、その時の感情には僅かながらも、「寂寥感」があったのだろう。ただ会釈をするだけの関係であったけれども、そこには「何か」があった。 そこでとった行動(具体的には席を譲ったこと)には「男の美学」が感じられた。
こういう想いは、もしかしたら誰だって秘めているのかもしれない。
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