クサくてニクい、一閃

 剣戟が生み出す火花のような、刺々しい命とその煌めき。
 例えばキャラクター達の名前も、世界が持ちうる固有名詞も、その意味だって、随分と厨二クサいじゃあないのーー読み進めながら囁く冷静な自分に、それが良いのだと何度も跳ね退けた。
 その端々に溢れるナニかに、自分の中のヒロイックな部分が震える。

 そんな雰囲気に呑まれている?

 ーーいや、まさかね。