冒険者やスキル、チートという展開にうんざりしている人へ

こちらは異世界ものですが、巷に溢れた異世界物のテンプレ的な設定(冒険者ギルドや、スキル、チート、無双等)に逃げず、それらを使用しないで大変魅力的な作品となっています。
異世界テンプレ設定を使用しないとなると地味な作品になる恐れもありますが、当作品においてはそんなことはなく、地に足がついた世界観や、魅力的なキャラクター、テンポのいい会話、じんわりと来る展開、たまに見せる爽快感ある主人公の行動等が生き生きと書かれ、作者さんの技量の高さがわかります。
奴隷を買ってハーレムや、転生チートで無双展開、スキルのおかげで冒険者学校でうーはははー等ばかりになってしまったラノベ異世界物飽和状態の今、当作品のようなものは異端になってしまいましたが、戦闘や冒険を一切しない優しい世界の異世界物は、ラノベを一番最初に読んだときに感じた、ああこの世界に入って暮らしたいなあ、という思いを久しぶりに感じました。