恐るべき力技の超理論!

真っ先に思ったのは、「この著者、頭おかしい(ほめ言葉)」だった。
独特のリズム感と間合いでもってして舞台を作り出し、読者を世界へ引きずり込む。
そして、バトルへ流れ込むや否や、飛び交う超理論。
まったくもって尋常ならざる理論を、読者が考える間を与えずに畳みかけ、物語内の常識を刷り込ませるという力技。
思わず一度は「なるほど…」などと納得してしまう。
そして一息ついてから「そんなわけあるか!」と突っ込んでしまう。
完全に著者の思うツボだ。

そんな雰囲気の中で、魅力的な登場人物が次々に現れるのは著者の嗜好のなせる業なのだろう。
いや、登場人物について多くを語らぬスタイルが、読者に好き勝手想像させるからこそさらに魅力的に映るのかもしれない。
しかし、履物についてはこれでもかと強調するあたりが、やはり業なのだろう。

ストーリーがどのように着地するのか、非常に楽しみである。

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