偽りのデパエワール・ハンター

一転、暗がりで道具を磨く少年、演者たちの現実。それが作品の深みを生み、うっすらと、スポットライトの外にある世界観を描き出し、ショーのみずみずしさと、生々しさと、その残酷さを映し出している。

サーカスという非日常の裏側と、そこで暮らす半獣人（デパエワール）の女性たち。これだけでどうなるのかワクワクします。
メドゥーサ役の蛇、かわいいマレー熊、美しい白鳥、クララは虎か豹でしょうか？
彼女たちがどうなるのか、そして雑用兼世話役の少年ラファエルがどう行動していくのか。
さらに少しずつ表にでてきたデパエワールの設定も凝っていて、これからの展開がとても楽しみです！

最後までとてもはらはらと楽しんで読むことができました。
タイトルについてまた考えられるのがいいですね。
これからを想像する楽しみもある、素敵な最後でもあったと思います。

半獣人という設定だけでそっちの趣味の人を鷲掴みにしそうな導入部！
18世紀の西欧の雰囲気もきっちり行間から漂わせているのも見逃せません。
期待して読み進めたいと思います。