概要
待つ女を演じてきた男は、待つことをやめられなかった。
昭和七年十一月。
舞台を休む女形・千景は、後立山を望む古い宿を訪れる。
四年前、山へ入ったまま帰らない男。
その荷物を、千景はまだ引き取れずにいた。
けれど、宿はこの冬を最後に看板を下ろすという。
擦り切れた手袋、読みかけの本。
雪を見れば、今もあの人の寒さを案じてしまう。
残された品と、何でもない日の記憶に触れる、二泊三日の物語。
舞台を休む女形・千景は、後立山を望む古い宿を訪れる。
四年前、山へ入ったまま帰らない男。
その荷物を、千景はまだ引き取れずにいた。
けれど、宿はこの冬を最後に看板を下ろすという。
擦り切れた手袋、読みかけの本。
雪を見れば、今もあの人の寒さを案じてしまう。
残された品と、何でもない日の記憶に触れる、二泊三日の物語。