概要
著作権を売った作家が、最後の一歩だけは譲らなかった。
公開まで七日。絵本の宣伝動画に、法務から待ったがかかった。問題は最後の一秒――少女が列車へ踏み出す、たった一歩。
著作権は十年前に買い取ったはずだった。増刷も電子版も広告も、作者は一度も止めていない。ところが編集長の相原澪が契約を調べると、ある権利だけが意図的に譲渡から外されていた。
古いメールに残された一言。
「そこだけは残してください。」
作品を残すために権利を売った作家は、何を手放さなかったのか。十五秒の映像と十年前の契約をめぐる、知財ミステリ短編。
著作権は十年前に買い取ったはずだった。増刷も電子版も広告も、作者は一度も止めていない。ところが編集長の相原澪が契約を調べると、ある権利だけが意図的に譲渡から外されていた。
古いメールに残された一言。
「そこだけは残してください。」
作品を残すために権利を売った作家は、何を手放さなかったのか。十五秒の映像と十年前の契約をめぐる、知財ミステリ短編。