最初は「中古家電を譲ってもらった」という、ごく現実的な新生活の話なのに、洗濯物に混じった一枚の「焦」から空気が変わります。「忍」「慕」「縛」「囚」「恋」「憎」と、洗濯機から現れる漢字が増えるほど、元カレへの疑念も読者の想像も膨らんでいく構成が巧いです。そして最後に残される一文字が、それまでの恐怖を一気に別ベクトルへの恐怖に揺り動かしてきます。説明しすぎないからこそ、洗濯機を手放した後まで考えてしまう一編です。
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