概要
私の店を妹に譲る結婚なら、その結婚はいりません
伯爵令嬢エマは、十七歳から六年間、自分の薬草店《リンデ》を育ててきた。
ところが結婚を二か月後に控えたある日、婚約者コンラートから当然のように言われる。
「結婚したら、店は妹のヴィオラに譲ってくれ」
妹が「自分のお店を持ってみたい」と言っているから。
侯爵夫人になるエマには、もう店など必要ないから。
けれど《リンデ》は、誰かから与えられた店ではない。
母から受け継いだ小さな資金を元に、仕入れ先を探し、客を増やし、六年かけて作ったエマ自身の仕事だった。
「でしたら、結婚の方をやめます」
王宮も、奇跡の証拠も助けてはくれない。
婚約を断ったことで、本当に客も取引も減っていく。
それでもエマは店を開ける。
そして六年間ずっと薬草を届けてくれていた青年ライナスは、いつもと同じ朝に
ところが結婚を二か月後に控えたある日、婚約者コンラートから当然のように言われる。
「結婚したら、店は妹のヴィオラに譲ってくれ」
妹が「自分のお店を持ってみたい」と言っているから。
侯爵夫人になるエマには、もう店など必要ないから。
けれど《リンデ》は、誰かから与えられた店ではない。
母から受け継いだ小さな資金を元に、仕入れ先を探し、客を増やし、六年かけて作ったエマ自身の仕事だった。
「でしたら、結婚の方をやめます」
王宮も、奇跡の証拠も助けてはくれない。
婚約を断ったことで、本当に客も取引も減っていく。
それでもエマは店を開ける。
そして六年間ずっと薬草を届けてくれていた青年ライナスは、いつもと同じ朝に
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