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2023/01/14 帰宅

抗がん剤治療のための二泊三日の入院から帰宅した。
自分が家に居ない間に火事になってしまうんじゃないかとか、
停電が起きて大変なことになってしまうんじゃないかとか、
ネガティブな妄想と戦うのでエラい疲れてしまったが、
治療自体は極めて上々の結果となった。

カレーを口に運ぶだけで必死の思いをしなくてはならなかった
口を開く際のアゴの痛みが消えた。
耳の奥にまで達していた違和感もなくなった。
いやあ、すごいな抗がん剤。こんなに効くものなのだな。

副作用として吐き気や食欲不振があると言われていたが、
抗がん剤と一緒に投与された吐き気止めなどが効果を発揮したのかまるでなく、
病院の食事もすべて完食。なんとも調子がいい。
まあ、だからといって気を緩めたら、あっという間に元の木阿弥となるのは必定。
とりあえず抗がん剤治療は通院であと二回、何とか頑張って
その次の手術に備えたい。

しかし実際、化学療法を受けてみるまで知らなかったのだが、
抗がん剤って「抗がん剤」って書かれた点滴をするのではないのだな。
・生理食塩水って書いてあるな……これは抗がん剤やないやろ→抗がん剤でした
・ブドウ糖溶液って書いてるな……これは抗がん剤やないやろ→抗がん剤でした
・何か小さめの瓶が吊ってあるな……はっはーん、これが抗がん剤か→水でした
世の中は知らないことだらけである。

ちなみに今回抗がん剤の点滴は5時間ほどかかった。
次回通院でまた点滴を受けるのだが、これも5時間ほどかかる予定。
三回目は抗がん剤の数が減るので、そこまではかからない模様だが、
どうにも大変だ。特にトイレが大変だ。点滴はすごくトイレが近くなるので。
腕に点滴の針を刺したままで何度もベッドから起き上がってトイレに行くのは、
あまり楽しい作業ではない。もうちょっと膀胱がデカいといいのだがな。

しかし人生二回目の入院、時間を潰すのが大変だった。
本は持って行ったが読みたい気分にはなかなかならなかったしな、
二泊三日で100ページも読んでないのではないか。

そんな中で楽しみだったのは、やはり食事である。
病院と言えば飯のマズさに定評がある。
今回の入院先も決して旨さに大満足とは言えなかったが、
食えないほどマズいとも思えなかった。

確かに味は薄い。薄味にも限度があるだろうとツッコみたくなる程度には薄い。
調味料使ってるのか? と思うレベルで素材の味を堪能できまくってしまう。
だがそれでも食事を楽しみにできるくらい味わえたのは、
レシピに相当なノウハウがあるのではないかと感じた。
単に下手くそなマズさではなく、知識と技術を詰め込んだ結果のマズさである。
これはこれで面白いだろうと思えた次第。

あと医療スタッフのメンタルな。あれは何なのだろうな。
ワガママ勝手な耄碌爺さんの意味不明な会話に付き合いながら
笑顔でドンドン仕事をこなして行く。
あんなの私なら自分の親でも切れるレベルである。
よく平然と仕事をこなし、それ以外にも目を配り気を配れるものだと感心した。
地域の中核医療センターだから
能力の高いスタッフが集まっているのかも知れないが、
いったい何を食ったらあんな風になれるのか。
自分の人間力の低さに引け目を覚えてしまった。

さて、まる二日ちょっと、創作のことは何も考えずにいたのだが、
やはりまだ何も思いつかない。アイデアも方向性も浮かんでこない。
自分は何を書きたかったのだろう。
もしかしてもう全部書いてしまったのだろうか。
さすがにそれは……と思いたいのだけれど。

2件のコメント

  • 入院お疲れ様でした。この経験も今後の創作のネタに使えるといいですね。ガンがしっかりなくなりますように。
  • ありがとうございます。何か思いついたら絶対に使うでしょうね、やっぱり脳は刺激しないとダメだなと感じた二泊三日でした。
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