救急車の後ろにストレッチャーで横たえられたときは
「ふんがぁっ」と叫んでしまった。
私はいつもかかりつけの大きな病院を救急隊員に指名する。
この日はこの病院の予約が入っていた日でもあり、
我ながらナイス判断、とちょっと調子に乗っていた感もあったかも知れない。
しかしこの日は満床であったため、
入院になる際は別の病院に転院になるという。
ここでちょっとイヤな予感がしたものの、
今更他の病院を指定できるほどの病院通ではなかった。
それでOKし、救急車は走り出したのだ。
病院に到着すると、割と早い段階で診察を受けられた。
一次診断の結果は腰の骨の圧迫骨折。これはヤバい。
しかし診断確定のためCTとMRIを受けてみると
圧迫骨折の影も形もない。原因不明。
医師たちも困惑している。
けれどマトモに立てない老人を一人暮らしの家に戻す訳にも行かない。
そのため割と近所のかなり立派な病院に転院となった。
転院先の印象は、最初は最高だった。
施設は新しくて綺麗だしスタッフは若くて明るいし、
その日の早出勤務の大半が出迎えに来たのではないか。
院長までも出迎えてくれた。
そして私は病室で入院時お馴染みの検査を受けて行くことになる。