予約投稿設定を忘れており、最後の最後に予定通りの公開ができませんでしたが第三部が終了しました。また随時追録を更新していきます。
近況ノートも結局なかなか書きにくることができませんでしたね…。
ざっと6〜9話を振り返ってみたいと思います。
六話「終の開花」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897229563/episodes/16817330652547943895切菜が寄生されていることが発覚する回でした。
PVが付いてないのをいいことに後からセルフレイティング対策をしましたが、もしノーガードでご覧になった方がいたらすみません…。
シリアスな回なのに冒頭で七花たちが朝ごはんに困ったりしていて書いていてもなんだか和んじゃった思い出があります。
なかなか難産で、勇のパートを別の回として書いていたのを後半削って切って貼って…みたいなことをしていた記憶もあります。そもそも勇と切菜の行動を導き出すのがむずかしく、ユメ中からそれぞれの感情のわかるシーンを読み返して整理していました。
七話「結びに燈る」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897229563/episodes/16817330655013690242切菜消滅回です。これもかなり大変だった記憶。
走馬灯の中で「勇がお掃除するのを見るのが楽しかった」みたいな思い出話を始めようとするから「わかった、その話は追録でやろうね!」と軌道修正していったりとか。笑
わかれのシーンも、何を描いて何を描かないか、の取捨選択に苦労した気がします。でもお陰で私もふたりも納得のいく結末になったと思います。
八話「蝶の跡」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897229563/episodes/16817330655359173614七花と勇の兄弟トーク回です。長夏を通してこの距離感で言葉を交わせるようになったな、というのに気づいて感慨深くなりながら書きました。
第一部の1-1、二部の「残り香」、そして今回の話とで勇が洗い物をしているんですけど、彼らにとってそういう真面目なことを考えたり言葉を交わしたりするタイミングなんでしょうかね。水の流れる音、汚れたものを綺麗にしていくこと、食事を終えた後のものさびしさは確かに感情を整理したくなる時間かもしれません。
追録「ゆりかごの声」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897229563/episodes/16816700426852178606切菜と勇は納得して終われたかもしれませんが夏羅が一番しんどいところにいたのを追録で追っていく回です。まずはむかしの記憶から。
切菜と夏羅って過去の出来事的にはもっと関係が悪くてもいいはずなんですが、互いに親しい愛情を抱いているので家族的な関係だというのが私にとっても愛しいです。
「sinfonia」などでもさりげなく出てくる「優雅」という人がまたさりげなく出て喋ってもいますが、本編にはあんまり関係がないのであえて文中でしっかり解説したことがない気がします。カゴシリーズは籠の中の物語なので、その外にいる人たちは基本無視なんですよね。それを描くのが「外気に触れてもあなたが息をしている世界」ですが、優雅に関しては外気(=現実)にもいないので語り損なっています。また別シリーズでちゃんと出す予定なので気になってくださる方にはそちらでお披露目できたらいいな。
九話「春翳はく円卓」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897229563/episodes/16817330655352648812本人も言ってるんですけど、夏羅は捕食者だったわりに切菜や果楽の死に一番怯えていて、ここまでの話でもそういう片鱗を見せ続けていました。やさしい子に育ったのかなあと思います。それなのにエゴで切菜の死を早めたので苦しんでいるんですが、切菜の死を先延ばしにしたいのも結局エゴで、それでいうと介錯があったぶん夏羅の選択は切菜のためになったはずです。まあ、だからといって苦しいものですよね。自責の念は案外論理的にはほどけない。
タイトルは「春翳(はるぐもり)はく(=吐く/掃く)円卓」で、二部の「秋虚(あきぞら)すくう(=掬う/救う)小径(こみち)」と合わせました。夏羅と果楽の距離もかつてと比べると随分縮まったと思います。昔…これは十年以上前の構想なのでガチ昔ですが、当時思い描いていたように書いてあげることができたなと感じるので嬉しいです。喜んでいるのは私と果楽だけで、夏羅はこんな思いをするくらいなら嫌いなままでいたかったかもしれません。
十話「雨告げる」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897229563/episodes/16817330655836825831果楽との別れも人知れず近づいていました。
切菜との別れをかなり話数割いて描いたので物語的にすごく急に感じるんじゃないかという点が不安なのですが、切菜にくらべて果楽は覚悟も思想も何もかも固まってしまっているので、あの様子でなんか急にいなくなったりするところはありますね。だから八話と九話でかすかに仄めかしが入るだけよかったかもしれません。
とはいえ、読者に「急だな」と感じさせるのは技量がたりない証拠かなと思うので…。今後の課題とします。
果楽が七花に遺していった祈りが呪いっぽいところがあるのが結構気に入っています。カゴシリーズの「愛」は常にいびつなんですけど、だから彼らは互いに共感し、想い合えるような気がしています。それが読んでくれている皆様の居場所にもなってくれたらいいな、とも。
ここまでの更新にお付き合いくださった方(fanboxの方で反応つけてくださった方ふくめ)、本当にありがとうございました。
次章(第四部)で「長夏」は完結予定です。書き終えたら公開しにきます。