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《生魑 ‐いきすだま‐ 》後書き

生魑の草稿を書き始めたのはいつのことだったでしょうか。
おそらくは高校三年生頃の時だったのではないかと。それから幾年も経ち、この場で真の完結を迎えたこと、なんだか感慨深いものがございます。まさか当時書きためては放置し、また書いて、を繰りかえしていた私は、たくさんの読者様に恵まれるなどとは想像だにしていなかったでしょう。ほんとうに有難いかぎりでございます。

改めまして、最後までお読みくださいました皆様、いま読み進めてくださっている皆様、ちょいと興味を持ってくださった皆様……この《生魑》と御縁をもってくださった御方全員に厚く御礼を申しあげます。ほんとうにありがとうございました。

書きたいことがたくさんあるのですが、敢えて語らずに。
最期は、考えて……考え続けて、津雲が報われる最期はいったいどのようなものなのだろうと。「救われる」「救わない」「救われない」「救われたい」そうした渇望を書き続けてきて、だからこそ「救い」ではなく「報い」を書きたいと望みました。因果応報。悪い報いもあれば、善き報い、報われるというものもあります。あの終わりかたで、津雲は、朧は、確かに報われたと思うのです。

報われる。と言えば、作者である私もそう。
彼等の語りだす噺を、そこにある風景を、ひとつひとつ拾いあげ、愛してくださる読者さまに巡り逢えました。それは私の、そうして小説そのものにとっての、善き報いです。ほんとうに何度御礼を申しあげてもたりません。
ありがとうございます。


架空江戸時代における津雲と朧の噺はひとまず、終わり。
それでは暫しの眠りを。

おやすみなさい。

8件のコメント

  • えへ。あの長々としたコメントはこちらに書けば良かったですね。
    ええ。ゆっくりと皆々様(夢見里さんも、津雲も朧先生も)お休みください。
    あ、でも、外伝は変わらず楽しみにしています( *´艸`)
    私もネタが下りて来たら『弾き語り』書きますので~

    うぅぅぅ~っ! 出来ることなら、心から《生魑》について語り合いたいです(>_<)
    それこそ根掘り葉掘りですね。出来ないのが残念ですが(;^ω^)

    ※コメントをまとめたかったので、一度書いたものを二つ削除して改めてコメントさせていただきました!

  • 後書きを投稿するのが遅れてしまいました💦
    橘 月さん 改めて、お読みいただき、素敵な感想を賜り、ありがとうございました。橘 月さんの感想を読んで、また涙腺が熱くなりました。

    ゆっくりと。休みますね。
    と言いつつ、私は電撃大賞の原稿の準備があるのですが…間にあうかどうかぎりぎりです。原稿落としたらすみません。

    たくさん語りあいたいですね(*^^*) 本編で語りきっていない余談とかも実はいっぱいあるので…ふふふ……
    いつか外伝にしたいですね…!

    取り敢えずは終わり、ということですが、
    人がいるかぎりは生魑は蔓延り、生魑があるかぎりは津雲もどこかにふらりとあらわれるはずです。お次はお後の楽しみに(*^▽^*)
  • いえいえこちらこそ、私の言葉を励みにして下さったと言っていただけたことの方嬉しいです(*´ω`*)
    そうさせるだけの力が夢見里さんと《生魑》にあったと言うことですよ!
    もう私は夢見里さんの作品の虜ですから♪(それがプレッシャーにならないことを祈ります)

    本編で語り切っていない余談……聞きたい! 知りたい!
    その想いが強過ぎて、最終回の後日談を勝手に想像してニヤニヤしてました。

    以下。私の勝手な妄想です。

    毎年命日になると紫の木の下に酒瓶片手に墓参りをする朧。
    ある年、いつも通り墓参りに行くと桜の木の下に不自然に降り積もった花びらの存在が……
    何かと思って近づいてみると、分厚い花びらの布団を被った赤子が一人。

    はっ?!(;゚Д゚)

    となった先生。慌てて花びらから赤子を救出。すっかり冷え切っているものの脈があると言うことで慌てて手当て。
    頬に赤みが戻って安堵する先生。その脳裏にふと過ぎるものが。

    もしやこの子は……

    しかし自ら可能性を消します。いくらなんでもそんなことが起きるはずがないと思いつつ、近くの村に預けることもためらわれ家に連れて帰ることに。
    帰り道、赤子を世話しつつ名前を決めなければならないとずっと思う。
    頭に浮かんだ名前はあるが、それを付けると名前で縛り付ける『呪』になるかもしれないと危惧した先生は、浮かんだ名前を打ち消します。

    しかし、庵に帰って来ても名前がずっと引っ掛かる。
    仕方がないので、頭に浮かんだ『津雲』と言う名前の他に何個か名前を書いた紙を赤子に見せて、良い反応を示した名前にしようと試みる。

    すると赤子は何の因果か『津雲』と言う名前に何度試しても反応する。

    結果先生、赤子に対して思うこと。
    もしやこの子は、自分が生み出した《生魑》じゃないだろうかと。

    いやいやいや、そんな都合の良い事…と思いつつ、否定し切れず何とも複雑な心境に陥りながら、新生『津雲』を育てると言う悪戦苦闘の日々を過ごすことになる!

    きっとてんやわんやだろうなと思いつつ、でも先生面倒見良さそうだしなぁ~と思いつつ、成長した『津雲』に最期を看取られる……と言う感じのを思いつかせてくれるだけ、私の中で特別な作品であり登場人物たちになっておりました。

    まずは燃え尽き症候群にならないことを祈りつつ、電撃の執筆が上手く行きますようにと、お祈り申し上げます(*´ω`*)
    次回作も楽しみにしております(^ω^)
  • 橘 月さん…! なんて、なんて素敵なものを……わああっ、感動でございます…!
    こんな後日談が……! 私は想像だにしていなかった後日談で……胸がきゅううんとなりました…! 朧さんはなんとなく婚期を逃がしそうなかんじなので、津雲の生まれかわり…か《生魑》か……どちらともいえるものを育てて、散々振りまわされながらも幸せいっぱいにこれからの人生を暮らしていってほしいです。それもまた、彼の業の清算になるのかなと想ったり。

    通知が混雑していて、危うく見落としてしまうところでした…!
    遅くなってしまい、すみません…!

    本編で語りきっていない噺といえば、ふたりの出逢いとかもあったりします。故郷の手掛かりをもとめて旅をしていた津雲は、大陸から渡ってきたばかりの朧と出逢う。後に津雲が係わることになった生魑の事件に、朧も巻きこまれており、喧嘩したり互いに助けあったりを繰りかえすうちに縁が結ばれていく……という。

    後はやっぱり、その後の噺でしょうか。

    時は現代。生まれかわったふたりが再びに縁を重ねる。朧は昔と変わらず医者になっていて、なにげなく立ち寄った骨董品屋で派手な羽織を纏った時代錯誤の男と出逢う。男は津雲と名乗り、「お久し振りです」と笑った。けれど当時のことを覚えていない朧は「変な奴だ」と首を傾げるばかり。
    後々に《生魑》を巡る事件に巻きこまれ、段々と記憶を取りもどしていく朧……津雲のことがやたら気になってしまったり、彼が眠っているのをみて死んでいるのではないかと胸がざわついたり。
    そうして遂に、時は満ち、古今のふたりが重なる――――

    ふたりのことはいくら想像しても飽きません。
    朧が現代に転生していたら、ぜったいに車の運転はできると思うんですよ。津雲さんは無免許で、移動の時は一々朧に頼んでいたりとか。それで朧は毎度ため息をつき、「僕は君専属のタクシーじゃないんだよ」なんて嫌味をいいながら車を走らせてくれる……なんて妄想しています。


    ほんとうにほんとうに、彼等を愛してくださってありがとうございます。何度御礼を申しあげてもたりません…!

    電撃……風邪のあいだに仕事が山積みでして、執筆にとりかかれるとしても3月頃……間に合うのか!?となりつつ、取り敢えず全身全霊で挑みます(*^^*) いつもありがとうございます。
  • 最終順位部門別10位おめでとうございます(≧▽≦)
    正にラストスパートでしたね!!
    沢山評価されて私もすごくうれしいです。
    私は残念ながら中間には残れそうもありませんが、夢見里さんは残れるんじゃないかと勝手に思い込んでおります!
    と言うか、是非残っていただきたい! 
    そして編集さんの目に止まっていただきたい!!
    今からそれが楽しみで仕方がありません!

    そして、語られなかった部分や、あわよくば私の妄想の子育てや(笑)、現代に転生された物語を書いてもらいたいです(≧▽≦)
  • 橘 月さん いつも暖かい応援を頂戴致しまして、真にありがとうございます。

    最終順位10位…! 奇跡のようです…!
    ひとえに橘月さんを筆頭とする皆様がたの暖かき応援の賜物でございます。ほんとうにありがとうございます。最終順位がどれくらい読者選考の結果に影響をもたらすかはわかりませんが、残れればいいなと願いながら静かに三月の発表を待つことに致します。
    わああん、書籍化したいよお…(本音)

    中間では橘 月さんの《鏡現戍狩》が《生魑》よりも度々上位にあがっていたので、まだまだ結果はわかりませんよ…! 出来れば、一緒に読者選考を通過したいものですね…!

  • 書籍化して欲しいよぉぉぉぉぉ!(切実)
    そしたらファンレター出して、個人的な連絡先を勝手に送り付けるんだ(ノД`)・゜・。←迷惑だからやめなさいとの声が聞こえる。

    それはそうと、別な小説のサイトで絶対にデビューできると思うんだけど……と思った作者さんが九割方デビューなさっているので、夢見里さんも出来ると思うんだけどなぁ……

    中間、確かに何度か上位に上がることはありましたが、コメント数やフォロー数レビュー数も加味されると言う点から考えると、私はもう全然ですので(;^ω^)

    でも、一緒に残れたら楽しいだろうな~

    では、春まで電撃大賞用の作品執筆頑張ってくださいね!
  • 橘月さん!!
    わああ、とっても励みになる御言葉を頂き、ありがとうございます!
    私が信頼している橘月さんの御言葉ですもの!その言葉を信じて、 いつかはかならず実現させます!!
    カクヨムコンはじめてなのでいまひとつ読者選考の基準がわからないのですが、さまざまな要素が絡んでくるのですね…。一緒に通れれば嬉しいなあ…。

    わお、迷惑どころか、大歓迎です! 橘月さんがつぶつぶをなさっていたら、送りあえますのに…

    電撃のほう、頑張りますね!
    いつも応援して頂き、力になっています! ありがとうございます
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