僕にはお盆休みに忘れられない聖地があります。今日は少しだけ、その聖地のことを紹介させていただきます。
嵐山の静寂な夜、五山の送り火が空に舞い上がり、灯籠流しの柔らかな光が川面を照らす。今は亡き両親を偲びながら、心の中で彼らの笑顔と温かい声が蘇る。風に乗って流れる灯籠は、まるで彼らの魂が再び私たちのもとに戻ってきたかのように感じられる。
川のせせらぎと共に、送り火の炎が揺らめき、夜空に描かれる光の絵巻。嵐山の山々がその光を受け止め、静かに見守る。両親との思い出がひとつひとつ蘇り、胸が温かくなる。
灯籠がゆっくりと流れていく様子を見つめながら、彼らの愛と教えが今も僕の中で生き続けていることを感じる。送り火の光が消えるまで、心の中で彼らと語り合い、感謝の気持ちを伝える。それは祇園祭りが終わった晩夏の京都を訪れた際に知った、お盆のひとときに出会える、僕のアナザースカイだった。
これから、晩夏の鐘が鳴り響く皆さんの作品にお伺いさせていただきます。