「オリオン座流星群 今夜見頃 太平洋側で広く観測チャンスあり!」そんなニュースを先ほど知りました。
いつものように、拙い詩的な分章を描きながら、夢を追いかけてしまう。こんな夜はワインでもあれば、最高なんだけどね……。皆さんも手を休めて、今宵は星空でも眺めてみませんか。
悠久の都にこっそりと
たたずむ祇園の花街。
うちはそこで生まれ育った
「舞妓」という日陰の花。
舞台は華やかでありつつ
届ける下駄の音もかるやか。
そこには人々を惹きつける
おもてなしの花が咲く。
けれど、一歩でも
花の心を覗き込めば
風花の舞う雪景色のように
どこまでも透き通っており
冷たく、静かだ。
花を舞う蝶に成り代わる
うら若き女性は
恋をせずにはいられないが、
恋をすれば美しき花は散る。
それがこの世界の厳しいさだめ。
けど、うちはただひとりの人を
心から愛し、彼を想う。
それが禁断の恋と知りつつも。
花柳界で生きるうちは、
その運命を受け入れながら
人知れず愛する人へと
切ない想いを馳せている。
はかなくも美しい名花として、
祇園の花街で生きてゆく。
それがうちの運命と定めて。