カクヨムでは、喫茶店やカフェのタグで4000件以上の小説がヒットします。これは描きやすい舞台だからでしょう。しかし、私はその世界を描くのが苦手です。
喫茶店に入ると、スマホの小説に夢中になり、観察を忘れてしまうからかもしれません。今日も1ページ、2000文字を書くのに一日かかりました。下手ですが、一部だけ紹介します。もっと自然で感情豊かに書くコツがあれば教えてください。
彼に先導されて、カフェの扉を開けた。店内は平屋建ての木造で、天井が高く、大きな窓からも森と海が一望できた。
思っていたとおり、すぐにコーヒーの風味豊かな香りと焼きたてのパンケーキの甘い香りが広がって、私の鼻腔をくすぐってきた。
とても、良い香りだ。コーヒーは布のフィルターを使う"ネルドリップ"という方法で、丁寧に淹れているのに気づく。
「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ」
笑顔で私たちを迎えてくれたマスターは若く、とても気さくな人だった。彼はなんでも目を輝かせて楽しそうに話してくれた。
都会の慌ただしさに満足できず、彼はサラリーマンを辞め、奥さまと共に故郷に戻ってきたらしい。彼がサラリーマンを辞める決断をしたのは、ある日突然、都会の喧騒が耐えられなくなったからだった。
彼は自然豊かな四季折々の風景が恋しくなって決意したという。その後、裏山の畑で果物づくりに取り掛かり、カフェを開きたいと思い描いた。彼らの生活は決して豊かとは言えないかもしれないが、心から満足しているそうだ。それこそが彼らが選んだ生活スタイルだった。
今ではカフェをやりながら、裏山の畑でのんびりと四季折々の果物を作っているそうだ。来年は梨作りに取り組みたいと夢を語ってくれた。夏の季節は大粒で鮮やかなブルーベリー、表面の黒々とした無花果《いちじく》、そして真っ赤な能登スイカが旬を迎えるという。
壁に掛けられた絵画に目を留めると、初秋の風がのどかに吹くような梨畑の景色が描かれていた。その絵は仕事の合間を見つけて、彼自ら描いたものだった。
そんなご夫婦の自然に寄り添う穏やかな生活に、私自身も心が解き放たれ、何とも言えない憧れの気持ちが湧き上がってきた。
カウンターの上には色とりどりのジャムやハチミツ、そして手作りのクリームが並び、それぞれが幸せのパンケーキに合うよう工夫されていた。テーブルと椅子も木製で、シンプルだけど、心地よい雰囲気を感じられた。