桜の開花がすぐ傍まで届いています。
日本人は昔から「さくら」の花が好きですね。
桜という名前の由来には諸説ありますが、「さ」は“田んぼの神様”、「くら」は“神の宿る場所”という意味で、そんなところから“稲の神様の宿る木”とされていたという説が有力です。桜はご存知のとおり、けっして派手ではなくはかなげな美しさを誇る花となります。
僕が僕であるために、小説の舞台にも桜は幾度も描いてきた。
派手な花火を打ち上げるよりも、線香花火を描写するのと同様に……。
現実世界の喜びや悲哀は、淡々と日々をやり過ごす中で時折ひょこりと顔を出したり、消えてしまうようなもの。そんな些細な出来事を小説のエピソードで拾い上げてゆきたいと思っています。