山谷灘尾

https://kakuyomu.jp/works/16818023212135389332/episodes/16818023212909386538

いよいよ、アーティスト結城響による女子高生への講義が始まります。ここで訴えるのは

「美文字はアートとイコールなのか」

という疑問。

縦横揃ったフォントのような楷書体の文書。それはまだコピー機やタイプがなかった頃に発明された公式の文書を間違いなく相手に届けるための工夫だったのです。
　
　でも学校教育の中でいつの間にか、縦横揃えて「美文字」を書くことが、「美しい書」だと刷り込まれて来た人々は、そうできないと

「自分の字はヘタ」

だとして卑下し、自己表現を諦める。それは絵にも言えることです。

この小説では、

「正直に切実に自己を表現することの大事さ、そして権威や世間体を疑うことの大切さ」

を説いていきたいと思っています。