https://kakuyomu.jp/works/16817330652449226763/episodes/16817330658536108909いよいよ、主人公花田はこの魔女の乱における恐ろしい背景を七百猫と聖徳太子から告げられるのです。
日本史最大の「闇」、それは聖徳太子の後継、
山背大兄皇子一家、一族、二十五人惨殺事件と関連しています。
その一部を予告しておきましょう。
1 この殺害犯人とされる蘇我入鹿は、実際には殺害現場にいなかった。しかも、自分が天皇に即位させようとしていた古人皇子にこう言われてやめている。
「ネズミは穴に隠れて生き、穴を失いて死ぬ」
権力の頂点にいた男は「ネズミ」としてとるに足らない
奴だという扱いをうけている。
2 山背大兄皇子を殺害に行った直接行動者、蘇我徳太(そがのとこた)は罰せられず、その後孝徳帝の元で左大臣にまで昇進している。
3 蘇我入鹿暗殺の手引きをした蘇我一族、蘇我倉山田
石川麻呂は、右大臣に昇進したもののその後謀反の角で
殺害される。
4 蘇我入鹿を殺害した中臣鎌足は、歴史上突如として
姿を現して、氏素性が全く不明な人物である。
5 入鹿殺害の後、古人大兄皇子は、次のように自宅で
叫んでいる。
「韓人(からひと)--朝鮮半島の人、鞍作臣(くらつくりのおみ----入鹿のこと)を殺しつ。我が心痛し」
これは正史である「日本書紀」の一節なのです。
入鹿を殺した、「韓人(からひと)」とは一体誰のことなのか?
少し挙げてもこれだけの謎が出てくるのです。
この闇を抉るためにこの小説を書いていると言っても過言ではありません。
以降、クライマックスをお楽しみに。