今日はM―1グランプリ、一年で一番楽しい日。
僕は大学生の時、第一回大会(中川家が優勝)をたまたま視聴、漫才に魅了され、吉本興業に入りたいと夢想するようになった。
もちろん、恥ずかしがり屋の僕に舞台へ出る勇気があるはずもなく、漫才作家、すなわち漫才の台本を作る人になりたい、と希望したのだ。そんな職業はすでにないにもかかわらず。
ところが数日後、あるある探検隊で有名な「レギュラー」の漫才、西川君が気絶する顔を見て、僕なんかが近づいていい世界ではないと気づき、泣く泣くあきらめてしまった。
もしあの時彼らを見ていなかったら、と今でも想像してしまう。あの芸人さんたちは僕の仲間だったかも、などと。
そうなれば全然違う人間になっていただろう。