わたねべ

「目見」 「まみ」と読む。まなざし。

「後ろ髪を引かれる」 心に未練や惜しみが残って、なかなか決心がつかないこと。 または、去る際に心に残る思いを持つこと。

都会の狭間にひそむ玉川上水。仕事に疲れ、孤独な日常を送る男は、ふとした休日の夕暮れ、静かなせせらぎをたどって歩き出す。過去にこの地で命を絶った文豪を偲びつつ、かすかに花の香る川辺…

嘘をついた子の目には黒く映る白い人影「白黒」。 悟は、神社で野良猫に餌をやる同級生の女子を目撃する。

「なんとなく過ぎていく日常、その陰と陽の狭間に潜む、不思議な断片たち」 何気ない日常にふと現れる違和感。 それは偶然か、それとも見落としていた現実か。 「日陰と断章」は、日常…

拾った野良いくら丼が、僕の家族になった

まだ本なんて読んでるのか……。 無意味なんだよ……。 珈琲淹れるから座れよ……。 くだらないんだよ……。 お前さ友達いなかっただろ……。

20年来の友人が、酒の席で妙な昔話を始めた。 それはガキの頃、地元でまことしやかに囁かれていた怪談、『A山のドッペルゲンガー』についての話だった。

両親を事故で失った少年・誠治は、叔母・緋乃江の嫁ぎ先である神田家に引き取られる。 古びた屋敷で始まる新たな生活。叔母は過剰なほど誠治を丁重に扱い、豪華な食事、広い部屋、趣味への理…

名縄(めいじょう)……それはどれだけ使用しても切れも劣化せず半永久的に使用可能で、素材や製造方法も、そしてどこから来てどこにあるのかも謎に包まれている縄のことである。 そんな縄…

史上最速で書いた三題噺です。 よろしければどうぞ。

スーパー　縄　嗅ぐ　の三語を使った三題噺を作りたくて書きました。 無駄じゃない要素をなんとかひねり出して描写したつもりです。ムダですかね？

昔からこの村には、ひとつの戒めがあった。 「死者の俗名を口にしてはならぬ」──と。

わたしは誰でしょう。 当ててみてください。 当ててみてください。 思い出してください。

読者への問いかけ型】 * **もしも、あなたの人生が壮大な勘違いだとしたら？ もしも、あなたが抱えるコンプレックスが、とんでもない真実の証だとしたら？ この物語の主人公は、死…

ある日を境に、僕は「いないもの」として扱われる。呼んでも応えはなく、名前も呼ばれない。教室と夕焼けの校庭で積み上がる違和感の行き着く先は――。

あなたがスマホを見始めてから、一分間、数えますね。

私は自分の寝顔が嫌いだ。

新人不動産営業の椎名灯は、売れ残った古い家の調査で、奇妙な少女と出会う。 桃色の着物に金色の髪、古風な口調で「わらわ」と名乗るその少女は、春日小町。 押し入れや仏間からひょっこり…

実感も湧かない"国"を守るため、これまたよく知らない"外の国"とやらの連中と殺し合う 戦場を目前にしても、心は村から離れない 同郷の仲間と隣り合い、彼らは戦場に立っていた …

誕生日を幾人にも祝われるというのは、奇妙な経験です。恥ずかしながら、私は家族以外に祝われた経験が片手の指の本数より少ない。 ええ、しかし、特段困ったことにはなりません。誕生日を…

あらすじ 花霞地方裁判所・桜都支部（はなかすみちほうさいばんしょ おうとしぶ）。 午前の審理を終えた判事・司 法子（つかさ のりこ）は、黒法服を放り投げるや否や、地下食堂「ひな…

可愛い可愛いお猿さん 嗤うあなたは誰でしょう

―瑠る璃とヴェルシー、ふたりでひとつの世界へ― 目的のない少女・瑠る璃《るるり》と、 目指す形すらわからない少女・ヴェルシー。 ふたりは“家出”をきっかけに、 世界を動かす歯車…