• 現代ファンタジー

カグツチちゃん

Q で、何なのよこれ?

A ちさとを摸し続けて人間の姿になった結果、人間的な「自我」と「感情」まで得てしまった、つるぺた眼帯っ子・カグツチちゃん(♀)という概念について。
以下、まとめ。


 カグツチちゃん・10年後まで生存ルートまとめ。

 まず「頭部を切断しない」ことが最重要となる。
 学習と自己強化と変異を繰り返し、不定形から脊椎動物、恐竜、鳥、少女と「ヒト型」に近づくにつれ、その体をコントロールするために「人間に近い脳」を持たざるを得ず、「人間に近い脳」には「人間に近い思考形態」が発生する。
 また「彼女」がマサトやちさとに対する「敬意」のようなものを抱き始めたのはそこに準拠する。
 首が飛んだとたんに雑に自爆して薙ぎ払おうとし始めたのはそのせい。

 そこをクリアし、生き残った状態で再封印されたものの、その後の展開(市街地に潜伏したウィッチを探し出すのにカグツチの協力が必須、とか)で、爆弾つきの首輪を装着した状態で共闘する形に持ち込む。
 当然そんなもの拒否するものの、既に同じものをマサトが身に着けており、しかも、それはカグツチのものと連動しているという。
 マサトはカグツチが既にウィッチの範疇から外れつつあり、己の手で自分を殺すことに執着していることに気付いていた。
「余計な事をすればぼくを殺せなくなるぞ?」
 と告げるマサト。怒り狂いながらもそれを承諾するカグツチ。

(人間型になった段階で、恐らく人間を捕食する性質は失われていると思われる)
(そこまで行けば、少なくともちさとはともかくマサトは彼女を殺処分できない) 

 というパラレル案件乃至、企画段階のお蔵入り設定です。
 生暖かい目でご覧ください。


対マサト

 LV 1
「祇代マサト、貴様はわたしが殺す!」

 LV 2
「……呼び方? わたしにとってはどうでもいい。
 カグツチでも、ウィッチでも、勝手に呼ぶがいい」

 LV 3
「……勝手に死んだりするなよ、貴様を殺すのはわたしだからな!」

 LV 4
「わたしの顔は、ちさとと同じだろう?
 姿と力が同じなら、それは同じではないのか?
 ……違う? そうなのか……?」

 LV 5
「わたしはしばらくここで貴様らを見ていることにする。
 それが、もっともうまく戦闘能力を向上させる道らしいからな。
 ……謹んで、学ばせてもらおう」

 LV 6
「危ない! わたしの後ろに下がれ、祇代マサト!」
「……アリガトウ? 何だそれは?
 ……違う、他のウィッチに貴様を殺させたくなかっただけだ……」

 LV 7
「貴様はすぐに怪我をする! わたしかちさとから絶対に離れるなよ!」

 LV 8
「祗代マサト、貴様はわたしが殺す。
 けれど、貴様を、まだ死なせやしない」

 LV 9
「……わたしの名を、呼んでくれないか?
 ……カグツチという名で良い。貴様がよく呼んでくれた名前だからな。
 ちさとにそうするように、呼んでくれないか?」

 LV 10
「……ああ、こうするのだったな?
 我は火の神! 我が名はカグツチ!
 ――祇代マサトのウィッチなり!」

 対ちさと
「……ちっ、妙な気分だな、同じ顔が並んでいると言うのは」

「……わたしが敗れたのは、あくまで祇代マサトと貴様のふたりだ。
 あの時は2対1だった。単独の貴様に敗れたのではない。
 それを忘れるなよ?」

「おい、ちさと! それはわたしが焼いた肉だぞ! 意地汚い奴だな!
 何を笑っている祇代マサト! 貴様だって見てただろう!」

「鎧王で殴ってごめん? 首を斬ろうとしてごめん?
 あの時わたしは貴様の敵だっただろう? わたしは気にしては……
 それでも、ごめんなさい……?」

「トモダチ……? わたしが……か?
 そう……言ってくれるのか? ちさと……?」

 対南風原
「南風原……。あいつは笑っているが、本当は全く笑っていないな。
 楽しくないなら止めればいいのに……」

 対戦部
「……戦部、わたしに武器を作って欲しい。あいつを守るために必要だ」

 対犬飼
「犬飼、きさまはどうしてそんなに乳が大きいのだ?
 揺れるし弾むし、邪魔ではないのか?
 ここには夢とロマンが詰まっている? まるで意味が分からんぞ?」

・日常会話

「……ふん、ちさとも犬飼も無駄に弾ませたり揺らしたりしおって、
 わたしくらいがちょうどよかろう。
 ……貴様もそう思うよな? 見ろ、弾力や柔軟性ではわたしの方が勝って……」

「……はあ? 前みたいに恐竜にはなれないのか?
 馬鹿か貴様? あの姿のわたしはちさとと貴様に勝てなかった。
 だからちさとを摸してこの姿になった。
 わさわざ能力の劣る姿になる意味などない、だろう?」

「祇代マサトはどこだ! あのバカはどこだ!
 食事もほとんど手を付けていないではないか!
 ……まだそう遠くへは行っていない!
 草の根分けても探しだし、充分な睡眠と食事をとらせろ!」

・好きなもの
「……さまざまな知識や技術を学び、身に付けることは楽しい。
 それがわたしの……欲望かもしれない」

・嫌いなもの
「……生きるための行動をしない怠惰、上辺の言葉で飾った諦念、
 そういったものは嫌いだ。生まれてきたものは、生きようとするべきだ」

 そのほか
・お正月
「……あけまして、おめでとう、ことしもよろしくね!
 ……これで良いのか?
 これは何だ? おとし=だま? ……わーい!
 ……おっと、わたしを見くびるなよ? 誰かに何かもらったら「アリガトウ」だ! 既に学ばせてもらったぞ!」

・節分
「マメ・マキ……。一応学習はしたが、わたしには理解できん行動だ。
 疫病を防ぐと言うなら、衛生環境の向上、例えば飲み水の殺菌や腐敗物の焼却が適しているだろう。
 お、おいよせ、そんなに豆をぶつけたら、鬼役の南風原が……わ、わたしは知らんぞ!」

・バレンタイン
「……ええい忌々しい、このちょこれーとというのは、わたしが持つと溶けてしまう!
 ああ……また溶けてしまった…せっかくもらったのに……」

・お花見
「……これ。このハナ、すぐに散ってしまうのか?
 ……ずっと咲いていればいいではないか、
 イサギヨクチル、など、悲しいだけだ」

・こどもの日
「まあ、わたしはいつか貴様を殺すんだけど……
 貴様が居なくなってしまったら、少し寂しくなるな。
 今のうちに子供でも残しておいてくれ。
 この体になってから、ヒトを食う必要もなくなったし、
 ……貴様の子供だったら、可愛いと思える気がするからな」

・ジューンブライド
「……おい、この服、なんか動きにくいんだが。
 なんだこれ? ひらひらぞろぞろと。
 ……え? 男女が関係を他人に知らせる時の衣服?
 こ、この! 貴様わたしをそんな目で見ていたのか!
 それに、なぜそんなことを他人に知らせる必要があるのだ?
 これから子供作りますと言ってるようなものだろうが!
 ……ちさとも着てる? そんなー!」

・夏休み①
「おお、この、ミズギ……というのは動きやすくていいな。
 おい、何か言う事はないのか? 犬飼は感想を聞いておけと言っていたぞ?
 え……肋骨が綺麗でいいと思う? ……ええ……ええ……?」

・夏休み②
「カキゴオリ……うまい! ソフトクリーム……うまーい!
 え? そんなにへそを出した格好で冷たい物ばかり食ってると腹を壊す? 大丈夫大丈夫!
 ……ッ!?
 ……あ、あの、カミシロマサト=サン? お腹をさすっては頂けませんか?」

・天体観測
「あれが、フタゴ・座……か。
 あっちがぽるくすで、あっちがかすとる。
 同じ姿だが、自分ではない……ふん、どこかで聞いた話だ」

・運動会
「よし、この次のカリモノ・キョウソウで勝負だ、ちさと。
 ルール上一対一だからな、マサトのいない貴様など恐れるに足りん!……なんだその生暖かい目は!」

・ハロウィン
「なあなあ、ヒトどもがバケモノの格好をして何の意味があるのだ?
 わたしは元々バケモノだから、このままで良いよな?」

・クリスマス
「メリー・クリスマス。とかいうのだったな。
 ……プレゼント?
 これは、イイコしかもらえないものだろう? わたしがこれをもらってしまっても、いいのか?」

 イツワリノメサイア終盤


「……貴様! 貴様!
 よくも戦部を死なせたな!
 よくも南風原の命を奪ったな!
 よくもちさとを泣かせたな!
 よくも、マサトを――ッ!
 ……許さない、許さない、許さないッ! 消し炭にしてやるッ!」


「かなめっ! ちさとを連れて逃げろぉぉー!」


「くそ……! くそ……ッ! 一体何なのだ、あのバケモノは……!
 まるで歯が立たなかった……! 何故わたしは、こんなに弱い……!」


「あきらめない……! 絶対に、あきらめないぞ……!
 待って……いてくれ……もう少しだけ、我慢してくれ……!
 わたしが……いまに……必ず……必ず……!
 待って、くれる……よな……?
 貴様は、強いものな……?
 そう、だろう……マサト……?」

 シロガネノカゲヅキ登場時

対昴一郎
「昴一郎。……おまえの兄は、すばらしい男だったよ」

「んっ……もう少しだけ、こうしていさせてくれ」

「……ちょっとこのカツラ被って、この服着てくれないか?
 ちょっとで、いい」

「食事は毎日きちんと採っているか? あいつはわたしやちさとがうるさく言わないと、よく食事を忘れていた。
 ……よく自分で料理もする? ……ああ、そうか、それは良かった。
 うん、食事は大切だ」

「学習すること……勉強は疎かにしてはいけない。
 何もしなくても強いと言う者もいるが、最後には多くを学び、身に付けた者が勝つ。わたしはそう信じている」

「……なぜあのような者と行動している?
 教皇院は、おまえの兄の……!」

「……あいつは最後までおまえを案じていた。
 あいつが守ろうとしていたおまえは、わたしが必ず守る。
 その為にわたしは今、こうして生き恥を晒しているのだから……!」

「わたしは教皇院の味方でもない、火神帝國の味方でもない、
 ……おまえの味方だ!」

「おまえの兄は、祇代マサトは負けてない!
 誰のことも切り捨てなかった!
 敵だった、ただのモノだったわたしのことさえも見捨てなかった!
 昴一郎! 自分を、おまえ自身を見捨ててしまうな!」

「――〝戦え、必ず勝て、生き残るぞ〟ォ!」

対くおんさん
「ツクヨミ……? 信用できんな」

「……そういえば……ちさとも小さい時からだいぶ大きかったな。
 ……もしや、戦闘継続能力に関係が……?」

「ヒザをつくな! 挫けるな! 諦めるな!
 わたしの知っているツクヨミは、もっと骨があったぞ!」

「ハッ! なかなかやるな、白くて小さいの!
 ならばわたしも!
 ――そーどおぶじわん!」

対スヴェート
「大した火勢だ、黒くて小さいの。 貴様にはなにやら親近感を覚えるぞ!
 わたしも炎を使うのさ、貴様のように黒くはないがな!」

対さよこ
「黒くて小綺麗なの、今から教皇院を止めに行く、貴様も付き合え。
 ……貴様は確かあの婆様の弟子だったな? 貴様は師匠から何を学んだ?」

対火神帝國・第三騎士
「……戦部は大層貴様に惚れ込んでいたが、わたしにとっては下らぬ鉄屑に過ぎんわ!
 その大砲千切りとって、奴の手向けとしてくれる!」

対●●●●・●●●●
「決着を、つけよう。
 ……わたしは今度こそ、わたしの手で貴様を殺す」

※ちなみに、十年後は

 ①少女つるぺたのまま。
 ②成長して大人の女性の姿。
 ③数度の変異を繰り返し、かつての面影を残しつつ半獣半人の姿に。
 ④もはや人間の姿を保てず、善玉ぽくはあるものの異形の姿になってしまっている。
 のどれか。

 普通に考えたら①か②なんだろうけど、
 こいつが昴一郎の
 「カグツチィーッ!」という呼びかけに答えて、
 バードモードで飛んで来たりダイノモードで壁をぶち破って現れたらかっこいいのでは。

※――というパラレルの、さらにパラレル。

 独居男子高校生・昴一郎くんの前に突然現れる、メイド姿の眼帯美女。
「あなたが御剣昴一郎ですね、
 わたしはあなたのお兄さんにとてもお世話になったんです」
 ものすごい美人!とざわつく周囲、困惑する昴一郎。
「わたしに、あなたのお世話をさせてもらえませんか?」
 学校の前に無断駐車されるばかでかいサイドカー。
「何か、お手伝いすることはありませんか?」
「……とりあえずあれ移動してください」

 昴一郎に危害を加える者を過剰にぶちのめして却って慄かれ、
「暮しには困ってないし、迷惑だからどっか行ってください!」
 と言われてしまって傍目にも気の毒なほど落ち込む。
 流石に言い過ぎたかなと思いつつ、いや、ほだされちゃ駄目だと、
「ではせめてこれを、何かわたしを必要としたときは、これで私を呼んでください」と手渡された物だけ懐にしまって別れる昴一郎。
 
 その後色々あって、訳の分からない化け物に襲われる昴一郎。
 追い詰められ、ついに
「来てくれ」と言ってしまう昴一郎。

「何も貴様らを手当たり次第に皆殺しにしようとまでは思っていないが……その人に危害を加えた者はその限りではない。
 焼き殺してくれるわァ!」
 ――瞬く間に化け物を焼き尽くす「彼女」

「まだ、あなたの名前を聞いてません」
「――カグツチ、と呼んでください、あなたのお兄さんが呼んでくれた名です」
 
 という「火神メイドのカグツチさん」これだ。

後書き
 ちなみに、肌色を褐色にするかどうかでだいぶ迷った。

 もし何か視聴者様から反応があったら、
 「魔法少女くおん転生篇 シカイノホトリノカミシロマサト」とかを作る時、
 この子というかこの子の転生体をヒロインに起用するかもしれません。

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