• 現代ファンタジー

更新しました!

アニメ版では語られなかった設定やキャラの心情も大幅強化した完全ノベライズ!

魔法少女純愛バトル活劇、今夜も深夜零時に更新してます。

昴一郎くん、教皇院初お目見え(メイド服姿で)の回です。
魔法少女くおんーシロガネノカゲヅキー - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054896553916

6件のコメント

  • こんばんわー。

    このたびは連作の自主企画におはなしを登場させてもいいよ、とのこと、ありがとうございます!

    早速、第一話の案をつくってみました。
    こちらをお借りして掲載しますので、くおんさまの言葉遣い、身なりの説明の誤りなどについて、チェックいただけましたら幸いです……。

    長くなりますが、失礼します。
    以下、本文です。



     エルレアは薄目を開けた。

     真っ白な、部屋。天井。

     窓はない。だが、うっすら明るい。壁と天井の全体が発光しているようだった。半透明で滑らかなそれは、乳をうすく溶いた飲み物に似ている、と彼女はぼんやりと考えていた。

     やがて意識が鮮明になり、がばっと身を起こす。両手を、胴を、足を確認する。傷はない。痛みもない。身体のなかに蓄積している神式も正常と感じた。

     徐々に記憶も戻ってくる。

     いつものとおり革命軍の城で、雇われ軍師としてのしごとを終えて、ロアの酒場に戻る道中だった。すでに陽は落ちていた。単騎、のんびりと林の中を進んでいると、ふいに目の前に影が立った。油断していたこともあり、反応できなかった。

     そのまま意識を失い、気がつけばこの部屋にいたのだ。

     まわりを見回す。窓ばかりではなく戸口さえなかった。つまり、薄明るい方形の箱のなかに、彼女は閉じ込められていたのだ。

     立ち上がり、恐る恐る、壁に手を伸ばす。氷にふれたような感触だったが、冷たくはなかった。害もない。そのまま一周したが、やはり出口はみあたらなかった。

     と、そのとき。

     「……なにか来る!」

     防御神式を起動し、手のひらのまわりに実体展開する。手印を組む。閉鎖空間であることを考慮し、高指向性の雷撃を準備した。こんな場面でも、蓄積した戦闘経験が彼女を突き動かしている。

     音が、徐々に近づいてくる。おおきな獣が走る音に似ていた。

     やがてそれは、部屋のすぐ外に到達した。

     破裂音をたてて、正面の壁が破れた。きらきらした無数の破片が空気に溶けるように消えていく。

     同時に、エルレアの顔面に向けてくろい何かが迫った。展開した防御神式で弾く。ぬらぬらとした黒い、長い腕が彼女のまえで踊った。

     相手は、異形だった。全身に黒い油をかぶったように鈍く光沢をはなち、四つん這いで彼女を睨む。ひとではない。エルレアの倍ほどの体長、四肢が異常にながい。だが、顔は、奇妙にゆがんだ、老人のような造形だった。

     エルレアは瞬時、意識を失いかけた。が、次々に到達する異形の攻撃がそれを許さない。なかば本能的に防御し、攻撃を繰り出す。

     突き出される相手の腕を甲ですらし、背を走らせながら相手の脇に迫る。瞬時に形成される刺突神式。脇腹にそれが突き立てられると同時に異形は絶叫し、エルレアを蹴り飛ばした。壁に激突し、苦悶の声を出す。

     異形は間をおかず、目の前に迫った。避けようと身を捩るが、腕を掴まれた。壁に打ち付けられる。この世のものと思えない色を浮かべた目がエルレアを覗き込む。彼女は、覚悟した。

     が、異形は、それ以上動こうとしない。

     やがてその首が、ずるっ、と地に落ちた。巨大な胴が鈍い音をたてて崩れる。

     拘束がとけ、エルレアは身を起こした。

     骸となった異形の向こうにいたのは、少女だった。

     しろい、見慣れない装束に袖をとおし、右手には輝く剣を握っている。幼くみえた。いや、それでも……ロアの酒場で待つ、孤児コンとおなじくらいか。整った顔立ち、透き通るような肌のいろが童顔にみせているようだった。

     「……大丈夫、ですか?」

     少女は骸を気にする様子もなく平然とエルレアにちかより、手を差し伸べた。エルレアは警戒することもわすれ、その手に触れる。

     「……あっ……」

     少女が声をあげた。燐光がエルレアを包む。ながい栗色の髪が徐々に翠色にそまる。体格がかわる。顔つきはエルレアと似ているが、いまそこにいるのは、まぎれもなく男性であった。

     エルレア……男性のときの名をエーレと名乗る彼女、彼は、少女が困惑しつつも、さほどの驚きを示さないことを意外に感じた。

     「……助けてくれたんだね。ありがとう」

     エーレがそういうと、少女はこくんとうなづき、周囲を見まわした。

     「ここは……どこでしょうか」

     少し首をかしげてつぶやく。恐れているふうではなく、ちょっとした手違いに戸惑う、という様子だった。

     「わたしにもわからない。夜道で襲われて、気がついたらここにいた」

     「そう……ですか。わたしはこのものを追ってビルに飛び込んだつもりだったのですが……あなたは?」

     「わたしは、エルレア。革命軍の軍師をしてる……あ、いろいろあってね、わたしは触れた相手と逆の性別になるんだ。この姿のときはエーレと名乗ってる」

     エーレのその胡乱な説明にも、少女は少し不思議そうな表情を浮かべただけで、怪しんでいる様子ではなかった。

     「わたしは……第百三十三代ツクヨミ。剣の魔法使い、斎月くおん」

     エーレにはその名乗りは理解できなかったが、さきほど触れた瞬間、無意識に起動した思考感応が、彼女が敵ではないことを教えてくれていた。

     「ところで……あなたはどうして、ウィッチが見えているんですか? 認識阻害が通用していない。まだ活性も付与していないのに。あと、わたしのこころ、読みましたね」

     くおん、と名乗る少女は、すこし上目遣いでエーレを睨んだ。

     「えっ……あ、どうして、わかったの……?」

     「活性付与しようと触ったら、思念が流れ込みました」

     「……君は、神式の術師?」

     「さきほど申し上げました。魔法使いです。あなたこそ、魔法が使えるんですね」

     「これは、神式だよ……ゼディアの女神の祝福のちから」

     くおんはしばらく、納得がいかないような表情を浮かべていたが、やがて、肩をすくめた。

     「よくわかりませんが……とにかく、状況をつかまないといけませんね」

     「そうだね……ただ、そこの怪物と君のおかげで、壁に穴があいた。そこから出られないのかな」

     二人は壁におおきく開いた穴に近づいた。あれだけ粗暴な方法で破壊されたにも関わらず、滑らかな断面の穴がくちをあけていた。破片も、ひとつも落ちていない。

     穴の先には、部屋とおなじようにしろくほんのりひかる、長い廊下のようなものが続いていた。

     「あっ、あそこに」

     エーレが廊下の先のほうを指差す。壁の一部が割れ、扉のような形となり、開かれた。なかから誰かが出てこようとしていた。



    今回新しく登場したキャラクターは……

    ★ 斎月くおんさま
    魔法少女くおんーシロガネノカゲヅキー
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054896553916

    ★ エルレア/エーレ
    生き残りたければわたしを愛でろ!
    https://kakuyomu.jp/works/16817330650661378765
  • コラボありがとうございます!

    自分以外の筆で描かれるくおんさん、新鮮です!
    強キャラの風格たっぷりに活躍させて頂いて嬉しいです。

    口を挟むところと言えばそうですね……。
    細かい所で申し訳ないのですが、彼女の種族名は
    「魔法使い」ではなく「魔法つかい」になるのと、
    敵がウィッチであれば、どこかしらに元の動物の痕跡と、赤い光が灯っているはず……です。

    容姿や言動の点では、
    きれいな黒髪であること。
    顔立ちは確かに子供なんだけど雰囲気が大人びている。
    みたいに修飾してもらえれば大丈夫だと思います。

    色々書いてしまいましたが、とても喜んでおります。
    エルレアさんのお話をまだまだしっかり読めていないのですが、
    しっかり読ませて頂きますね!

    今後もよろしくお願いします!



  • 早速のご確認、ありがとうございます!

    拙い描写で、神韻を帯びて輝くくおんさまを動かさせていただくのは身に余る光栄であるとともに、かなり、ビビります……。

    正直、わたしのエルレア愛に勝てるのは関守乾さまのくおんさま愛くらいだろうなあと思っていたので……。

    それでも、喜んでいるとのおことば、ありがとうございます!
    まずはご指摘いただいたところを修正いたしました。
    ウィッチは、牛のものとしてみました。

    ご確認のほど、よろしくお願いいたします。



     エルレアは薄目を開けた。

     真っ白な、部屋。天井。

     窓はない。だが、うっすら明るい。壁と天井の全体が発光しているようだった。半透明で滑らかなそれは、乳をうすく溶いた飲み物に似ている、と彼女はぼんやりと考えていた。

     やがて意識が鮮明になり、がばっと身を起こす。両手を、胴を、足を確認する。傷はない。痛みもない。身体のなかに蓄積している神式も正常と感じた。

     徐々に記憶も戻ってくる。

     いつものとおり革命軍の城で、雇われ軍師としてのしごとを終えて、ロアの酒場に戻る道中だった。すでに陽は落ちていた。単騎、のんびりと林の中を進んでいると、ふいに目の前に影が立った。油断していたこともあり、反応できなかった。

     そのまま意識を失い、気がつけばこの部屋にいたのだ。

     まわりを見回す。窓ばかりではなく戸口さえなかった。つまり、薄明るい方形の箱のなかに、彼女は閉じ込められていたのだ。

     立ち上がり、恐る恐る、壁に手を伸ばす。氷にふれたような感触だったが、冷たくはなかった。害もない。そのまま一周したが、やはり出口はみあたらなかった。

     と、そのとき。

     「……なにか来る!」

     防御神式を起動し、手のひらのまわりに実体展開する。手印を組む。閉鎖空間であることを考慮し、高指向性の雷撃を準備した。こんな場面でも、蓄積した戦闘経験が彼女を突き動かしている。

     音が、徐々に近づいてくる。おおきな獣が走る音に似ていた。

     やがてそれは、部屋のすぐ外に到達した。

     破裂音をたてて、正面の壁が破れた。きらきらした無数の破片が空気に溶けるように消えていく。

     同時に、エルレアの顔面に向けてくろい何かが迫った。展開した防御神式で弾く。ぬらぬらとした黒い、長い腕が彼女のまえで踊った。

     相手は、異形だった。全身に黒い油をかぶったように鈍く光沢をはなち、四つん這いで彼女を睨む。ひとではない。エルレアの倍ほどの体長、四肢が異常にながい。だが、顔は、奇妙にゆがんだ、老人のような造形。しかしふたつの角がその額から伸びている。革命軍の城にも牛がおり、それと似ていると感じた。

     ながい角は、しかし、鞭のようにしなり、伸縮し、また硬化した。腕による攻撃と思われたが、一部はこの角による刺突であった。

     その付け根の中央、額がわれ、なにかが赫く昏くひかる。エルレアにとってもっとも不吉な象徴であるウィズスの瞳を想起させるそれは、彼女の意識を瞬時、うばった。が、次々に到達する異形の攻撃が倒れることを許さない。なかば本能的に防御し、攻撃を繰り出す。

     突き出される攻撃を手甲で叩き上げ、みずからの背を走らせながら相手の脇に滑り込む。瞬時に形成される刺突神式。脇腹にそれが突き立てられると同時に異形は絶叫し、エルレアを蹴り飛ばした。壁に激突し、苦悶の声を出す。

     異形は間をおかず、目の前に迫った。避けようと身を捩るが、腕を掴まれた。壁に打ち付けられる。この世のものと思えない色を浮かべた目がエルレアを覗き込む。彼女は、覚悟した。

     が、異形は、それ以上動こうとしない。

     やがてその首が、ずるっ、と地に落ちた。頭部を失った巨大な胴が鈍い音をたてて崩れる。

     拘束がとけ、エルレアは身を起こした。

     骸となった異形の向こうにいたのは、少女だった。

     しろい、見慣れない装束に袖をとおし、右手には輝く長刀。腰のあたりまで届くながい黒い髪が艶やかにきらめく。幼くみえた。いや、それでも……ロアの酒場で待つ、孤児コンとおなじくらいか。整った顔立ち、透き通るような肌のいろが童顔にみせている。

     「……大丈夫、ですか?」

     少女は骸を気にする様子もなく平然とエルレアにちかより、手を差し伸べた。その声は落ち着きながらも凛と張り、容姿よりもずっと大人びて感じられた。エルレアは警戒することもわすれ、その手に触れる。

     「……あっ……」

     少女が声をあげた。燐光がエルレアを包む。ながい栗色の髪が徐々に翠色にそまる。体格がかわる。顔つきはエルレアと似ているが、いまそこにいるのは、まぎれもなく男性であった。

     エルレア……男性のときの名をエーレと名乗る彼女、彼は、少女が困惑しつつも、さほどの驚きを示さないことを意外に感じた。

     「……助けてくれたんだね。ありがとう」

     エーレがそういうと、少女はこくんとうなづき、周囲を見まわした。

     「ここは……どこでしょうか」

     少し首をかしげてつぶやく。恐れているふうではなく、ちょっとした手違いに戸惑う、という様子だった。

     「わたしにもわからない。夜道で襲われて、気がついたらここにいた」

     「そう……ですか。わたしはこのものを追ってビルに飛び込んだつもりだったのですが……あなたは?」

     「わたしは、エルレア。革命軍の軍師をしてる……あ、いろいろあってね、わたしは触れた相手と逆の性別になるんだ。この姿のときはエーレと名乗ってる」

     エーレのその胡乱な説明にも、少女は少し不思議そうな表情を浮かべただけで、怪しんでいる様子ではなかった。

     「わたしは……第百三十三代ツクヨミ。剣の魔法つかい、斎月くおん」

     エーレにはその名乗りは理解できなかったが、さきほど触れた瞬間に無意識に起動した思考感応が、彼女が敵ではないことを教えてくれていた。

     「ところで……あなたはどうして、ウィッチが見えているんですか? 認識阻害が通用していない。まだ活性も付与していないのに。あと、わたしのこころ、読みましたね」

     くおん、と名乗る少女は、すこし上目遣いでエーレを睨んだ。

     「えっ……あ、どうして、わかったの……?」

     「活性付与しようと触ったときに、思念が流れ込みました」

     「……君は、神式の術師? あの怪物は、君の敵なの?」

     「さきほど申し上げました。魔法つかいです。わたしたちはあの怪物、ウィッチを倒すために存在します。そういうあなたこそ、魔法が使えるんですね」

     「これは、神式だよ……女神ゼディアの祝福のちから。まあ、魔式でもあるか」

     くおんはしばらく、納得がいかないような表情を浮かべていたが、やがて、肩をすくめた。

     「よくわかりませんが……とにかく、状況をつかまないといけませんね」

     「そうだね……ただ、そこの怪物と君のおかげで、壁に穴があいた。そこから出られないのかな」

     二人は壁におおきく開いた穴に近づいた。あれだけ粗暴な方法で破壊されたにも関わらず、滑らかな断面の穴がくちをあけていた。破片も、ひとつも落ちていない。

     穴の先には、部屋とおなじようにしろくほんのりひかる、長い廊下のようなものが続いていた。

     「あっ、あそこ……!」

     エーレが廊下の先のほうを指差す。壁の一部が割れ、扉のような形となり、開かれた。なかから誰かが出てこようとしていた。



    今回新しく登場したキャラクターは……

    ★ 斎月くおんさま
    魔法少女くおんーシロガネノカゲヅキー
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054896553916

    ★ エルレア/エーレ
    生き残りたければわたしを愛でろ!
    https://kakuyomu.jp/works/16817330650661378765


  • こんにちはー。

    いただいたコメントでも、おおきな変更はなく、調整でいけそうかなと感じますので、まずは上の第二案で企画出させていただきますね☺️ 実際にごらんいただき、まだ気になる点があれば、いつでもお申し付けください!

    このたびは企画へのご協力、ほんとうにありがとうございました。
  •  こんなところに失礼します。

     壱単位様の自主企画でかなり遊び倒しました。失礼いたしました。修正校正はいたしますのでよろしくお願いいたします。
  • 壱単位様
    返信遅くなり失礼いたしました。
    丁寧なお返事と訂正ありがとうございます!
    改めて通して読むと、
    ウィッチに襲われているならまず助け、手を差し伸べるヒーローらしさと、
    何かしら特別な力を持っていると判って庇護が必要な相手じゃないなと判断したら即座にある程度の警戒をするクレバーさはくおんさんらしいなと思いました!

    改めて、今後もよろしくお願いします!

    エイル様
    初めまして!
    コラボ企画参加、こちらこそよろしくお願いします。
    確認などございましたら、お気軽にお問合せくださいませ!




コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する