母の最期が浮かべば琴音の最期も、琴音の最期が浮かべば、際には見ていない喬の最期も想像出来るし、同じ様に、父も、人々も、都も、そして、碧の国の最期でさえも、容易に思い浮かべることができるのだ。
――そして卑怯で卑屈な自分の姿も……。
全てに対しての悲しみと恐怖と怒りが混ざり合って、そのごちゃまぜの感情を何と呼ぶべきなのかさえ、分からなくなる。
だから、乃依には会えない。
(本文より)
竜の子孫が住む、天竜の村で。
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