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日記のあの子1

無気力ゆえに小説も絵も手につかないのでこれを書いている。
去年の末から続いていることなので夏バテではないし、原因は分からない。
とにかく、コラボ小説やいくつかの作業を抱えている今、この現状はあまりよくない。
せめて気分転換にでもなればと、適当に頭の中を整理するつもりでPCを開いた。

今回は特に、全体的に明るい部分はないし、読んでて暗い気持ちになるかもしれない。
大した宣伝もしないこの近況ノートが、いったい誰の目に留まるかなんて知らないけど。

前回書いた通り、私には毎日のように更新を楽しみにしている日記がある。
半年ほど前、何かに悩んでいた(内容は忘れた)友達に提案したものだ。
「日記を書いてみたら?」「君の日記読んでみたいな」
そんな軽い気持ちで。


初めてその友達の声を聞いたとき、かわいいけど、演じてるな。プロ意識が高いんだろう。そう思った。声も話し方も性格も、全部作られたものに見えて、その子が何を考えてるか最初は分からなかった。
ちなみにあとから分かった話だが、声は作ってはいなかった。

「みんなこれを求めてるんでしょ」って言わんばかりにその子はなかなか素を見せなかった。
でも私は隠れている別の側面を見たくて、その子と積極的に関わるようにした。仲良くなるまでには、そう時間はかからなかった。

ひと月ほど経って、日記を通してようやく垣間見れたあの子の本音はとにかく暗いものだった。いったいどこにこれだけの闇を隠していたのだと言いたくなるくらいに。
でも、その暗さが私には居心地がよかった。安心感すら覚えるほど。それでいて、読んでいてどこか胃が痛むような気もしたが。
それはシャーデンフロイデとかではなく、あの子がいつも演じているものが、日記の中でだけは剥がれているのを見て「私はこっちの方が好きだな」と思っているだけで。
計り知れないストレスを抱えながらも何故か人前で笑っているいつもの彼女を見るのは好きじゃなかった。

日記は私にいろんなことを教えてくれた。

彼女は好奇心の塊であること。
彼女は辛くても困っていても、人に助けを求められないこと。
自分の感情や痛みなんかがわからないこと。
いろんなものを失ってきたこと。

日記を読む中で、その子はとある人を探していることが判明する。『あの子』と呼ばれる人を。
それは彼女が失ったもののひとつだった。

この続きはまたいつか。

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