• 異世界ファンタジー
  • 歴史・時代・伝奇

27「昭和17年、輸送船」&28「エナンジョン」補足


1.輸送船
 前回の補足で紹介した次の書籍を参考にしました。

 大内健二『輸送船入門』


2.南方への航路について

 じつは昭和17年10月の南方行き輸送船の航路についてはわかっていません。
 参考にしたのは、次の書籍を参考に、昭和18年の航路です。

『ビルマ最前線』(小田敦巳)
『宇都宮輜重史』(独立自動車中隊226部隊の項目)

 昭和17年まで、連合国の魚雷の精度が低く、輸送船沈没の被害はそれほど多くありません。
 しかし、昭和18年に入るや、一気に沈められる数が増えていきます。
 その関係上、航路も昭和17年と18年とでは異なっている可能性があります。


3.大発の上陸艇

 文章がくどくなるので形とか説明してませんが、戦争映画とかで出てくる船で、砂浜にがっと乗り上げて、船首がパカッと開いて中から兵士が出てくるタイプの船です。

 なお大航海時代云云はシリーズとしていずれ書くつもり。


4.高射機関砲
 前に紹介した『輸送船入門』のイラストによれば、甲板から柱で支えられたヘリポートみたいな所に設えられたようです。

 春風亭柳昇氏『与太郎戦記』で、柳昇さんは船の機関銃士となりますが、こういう砲台で敵機と戦ったんではないかと想像しています。
 弾がなくなって、花火を打ち上げたら、驚いた敵機が撤退したというエピソードは面白かったです。(面白くて良いのかわからないけど)

 台座の下で雨宿りしてますが、まあ1階が車庫になっている家みたいなのをイメージしてもらえればいいかなって思います。



5.慰問袋

 家族から誰それにという指名の慰問品とは別に、ランダムに宛てられた慰問袋があります。
 中身は、キャラメルなどのお菓子や薬、小説などなど。

 例
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%85%B0%E5%95%8F%E8%A2%8B+%E4%B8%AD%E8%BA%AB&rlz=1C1FLDB_jaJP727JP728&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjiwP6j1YTcAhUOE6YKHX8yB2wQsAQITQ&biw=1278&bih=573#imgrc=C-c038zzL8vdAM:

 当時の新聞雑誌の広告を見ると、「慰問品に」みたいな言葉がついています。


6.荷下ろし作業

 前掲の小田さんの本を参考に。


※『君と歩く永遠の旅』シリーズを読んでくださっている読者さんへ。
 作中では冗長になりすぎたために公開するのを辞めましたが、高雄で碧霞の子孫を見つけている設定です。



7.ビルマの地名について、お願い

 そのエピソードごとに最低限場所がわかる程度の説明に抑えるつもりです。

 ただ作者としては地図が頭に入っている関係で、どのレベルで書けば読者さんにわかるのか自信がありません。

 もし地理、地図関係でわからないという方は、コメント欄にご指摘いただければ幸いです。

 地図を表示、または地図へのリンクを考えたのですが、地図を見てもその地名がどこか探さなきゃいけないので、結果とりやめています。
 が、ご指摘があれば、再検討しようと思います。


8.ビルマの気候
 エナンジョンはちょっと微妙ですが、インパール作戦で行く地域は、熱帯モンスーン気候です。

 wiki「熱帯モンスーン気候」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%B8%AF%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%B0%97%E5%80%99

「雨季の雨量は熱帯雨林気候と変わらないが、モンスーンの影響による乾季があり」「ミャンマー南部では涼季(11月 - 2月)・暑季(3月 - 4月)・雨季(4月 - 11月)の3つの季節があり涼季は低温少雨、暑季は高温多湿少雨、雨季は温暖多雨となる」(wiki)

 ビルマの場合、5月から10月が雨期のようです。


9.海のシルクロード

 2人は今まで、セイロン島―インドネシアと航海していて、間にあるビルマには行っていません。


10.英印軍無名戦士の墓
 ビルマから英印軍を一掃した際、エナンジョン付近で弓33師団と激しい戦闘になりました。
 その戦闘後、地元の村人と師団が建てた石碑です。
 この石碑を知ったイギリス軍では、これを誰が建てたのかを調べました。
 その結果、建立時に弓33師団長であった桜井中将が後に28軍の司令官となった関係で、28軍は捕虜としての待遇が他の軍団師団と異なり、丁重であったそうです。『宇都宮輜重史』調べ


11.エナンジョンの油田
ネット上の画像ですが。

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%A8%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3&rlz=1C1FLDB_jaJP727JP728&tbm=isch&source=iu&ictx=1&fir=3tHz6zuOhPeTQM%253A%252Cl0aKn8uzhBxTdM%252C_&usg=__sdbT_zsvGGsceLYXth1fKGYUbFY%3D&sa=X&ved=0ahUKEwipzp6D24TcAhUKfrwKHYi4AW4Q9QEIMjAE#imgrc=3tHz6zuOhPeTQM:

 化石が転がっていたとの記述は次にあります。
井坂源嗣『弓兵団インパール戦記 撤退の捨て石、1対15の戦い』(光人社NF文庫)p27

12.陳田百三郎氏
 この頃の輜重兵33連隊の連隊長ですが、この次の松木連隊長も含め、そのご性格やエピソードについて調べられておりません。
 なので、ここは想像となります。

 ちなみに小隊長以下は偽名で、やはり想像となります。
 この点、ご諒承願います。



お知らせ
 現在、35話を書いていますが、これから戦争描写が増えていきます。
 読者さんによっては、肌に馴染まなかったり、嫌われる方もいらっしゃるかもしれません。つまらなく感じる人もいるかも。

 そこで、今後のタイトルに
 「夏樹」とあれば夏樹視点の戦争もの
 「春香」とあれば春香視点の村の話
となりますので、嫌なところは飛ばされていただきますようお願い申し上げます。

 書いていて戦争のシーンが長引いて、心配になりましたので、お知らせしました。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する