なかなか小説が進まない。
今日は本気で執筆をしようとしたのである。
家の近所にあるネットカフェが、男の隠れ家だった。
突然忍び寄る家族の気配から逃れるために、男は隠れ家に籠る。
隠れ家というものは、とても心地が良いものだ。
ボタンを押せば、永遠に飲み物が飲める。
ボタンを押せば、勝手に食べ物を運んできてくれる。
ソフトクリームだって食べ放題だ。
トイレは・・・さすがに一人で行く。
インターホンも、電話も、すべて忘れた空間で、男は一人、閉ざされ、隔たれた空間で羽を伸ばす。
ところが……。
あとは、おなかが痛くなくなった後で。
今日は物理的にも執筆が進まなかった。