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ボタン

心のエネルギーなるものが少なめ(小さじ少々ほど)の卯月です。

そんな卯月も、なぜか心の感度が高くなりすぎるときがあり、何を読むのも何を書くのも難しくなることがあります。そんなときは詩なんかを読んでこころを落ち着けようとつとめます。




『月夜の浜辺』 中原中也

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを、捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
   月に向かつてそれは抛れず
   波に向かつてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?




詩はそのときの気分や体調、気温・湿度、天候、季節、年齢、いろんな要因で感じ方がちがったりして面白いです。

ひろった「ボタン」に何をイメージするかもそのときどきでちがったり。

カクヨムでなにげに読んだ作品のなんてことないフレーズや一文、誰かさんの近況ノートのさりげないつぶやき。そんなものが卯月のひろう「ボタン」だったり。

まあ、悪くはない気分ですのでよいのですけど。

そんなわけで、今日はおとなしく詩を読みながら出勤にそなえるのでした。

ふう。


では。

2件のコメント

  • 拾ったもの、捨てにくい‼️母に猫の死骸でも大事にしてる、って笑われました。無論、そんなの拾わないです。ごみやしきじゃないけど、私の家の、存在するモノ点数は多い。笑笑
  • 本当に捨てられないですね。

    「断捨離」とかできるようになれたらいいのですけど。

    モノへの執着を捨て不要なモノを減らすことにより、生活の質の向上・心の平穏・運気向上などを得ようとする考え方のこと。

    らしいのですけど。

    卯月には無理ですね。
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