『The Brain- is wider than the Sky』
The Brain-is wider than the Sky-
For-put them side by side-
The one the other will contain
With ease- and You- beside-
The Brain is deeper than the sea-
For-hold them-Blue to Blue-
The one the other will absorb-
As Sponges-Buckets-do
The Brain is just the weight of God-
For-Heft them-Pound to Pound-
And they will differ-if they do-
As Syllable from Sound-
-Emily Dickinson No.632 (1862)
前に『A word is dead』(言葉は死んだ)を紹介しましたかね。エミリー・ディキンソンです。彼女の『The Brain- is wider than the Sky』(脳は空より広い)を。
とてもやさしい単語が並んでいるにも関わらず難解です。
頭の中というのは空よりも広く海よりも深いと書いています。こういった想像は卯月も子供の頃にしました。より大きなものを想像することはそれが実際はどうかは別としてできてしまう。空よりも宇宙より広いものも、さらにそれより大きなモノ。そのさらに大きなモノも。さらに……。まあ、きりがないですけど。
最後は神とまで比べてしまいます。神を相手に重さは同じだと言ってしまってます。でも、違いはあってそれは『音節』と『音』の違いだと。
Syllable『音節』とは「音節とは、母音(vowel)を中心として子音が前後に連なった音のまとまりのこと」を表しているとすれば詩人の紡ぎ出す言葉のことでしょうか。詩人の想像する力というのは神にも勝るというのは言い過ぎか?
詩は読み手が自由に解釈して楽しめばよいものだと思いますが、昨日の中也の詩もそうですけど、読み手も努力をはらえばそこに広がる世界もまったく違ったものになりえる(偉い人の解釈論とかいうほど当てにならないので)。
小説を読むさいにもそうありたいと思うのですが、よい読み手になりたいものです。それができたら読書もいまよりもずっと愉しめるだろうな、なんてね。
そして書き手としても、想像の無限の力を信じて小説を書いていきたいですね。ちっちゃなとじた世界を書いててもつまらない(こんな抑圧された狭い世界で生きてるのに)。
そんなことをこの詩でふと思ってみました。
では。