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『◯◯から見た人は、人から見たエルフのようなものだ』後書きに代えて

こんにちは。また、明けましておめでとうございます!

昨日、掲題の短編小説を投稿しました。
https://kakuyomu.jp/works/16818093091674397875

このノートでは本作を執筆した経緯や、作者がどういう意図でこのお話を紡いだかについて記したいと思います。
ネタバレを含みますので、本編を未読の方は回れ右をしてご覧になってからこちらに戻って来ていただけると幸いです!

また、本文を読了しての読後感を大事にしたい方にとっては、作者のネタバラシによってイメージが崩れてしまう恐れもあると思いますので、ご自身の判断で読む・読まないを選んでください。

初めにネタバレにならない程度の情報を開示すると、本作の元の構想は7年半ほど前――2017年7月に現れたネット・ミームを作者が見て、「これは小説として書けるのではないか」と思って筆を執ったのがきっかけで生まれました。
つらつらと勢いのままに文章を紡ぎ、1000字余りは書いたのですが、当時は小説を作品として完成させる経験値が低く、まとめることができませんでした。

最近になってふと本作のことを思い出し、「今なら作品として仕上げられるのではないか」と思ってリトライすることにしました。

……というわけで、実に7年半越しに日の目を見ることになりました。
それだけで、かなりの達成感はありますね。


さて、以下はネタバレパートです。




……誤って読もうとしてはいませんね? では、行きます。




まず、本作の着想元となったネット・ミームはこちらです。

> "『犬にとって人間は「エルフ」。500年以上の寿命を持つ』から始まるフェイスブックで流れる英語コピペ文の和訳が泣かせる - Togetterまとめ" : https://togetter.com/li/1131351

そう。題名の「〇〇」に入るのは「犬」ですね。

……多くの方にとっては予想通りだったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

ミスリードになっただろうなと思うのは、時間の尺度を「15年→100年」に引き伸ばした点ですね。
これはネットミームのコンセプトを活かすために、そんな風にせざるを得なかったところでもあります。

猫など他のペットで置き換えても、当てはまるところはあると思います。
もしも、思い入れのあるペットに重ねて読んでくださった方がいれば、嬉しく思います。


ネット・ミームの方は、負の側面の感じられない、ただのいい話で終わっています。
当初、私としてもそんなに「毒」を入れようとは思っていませんでした。

しかし、今回改めて筆を執って色々と調べてみると、ペット――特に犬に関する負の話題は、避けては通れない問題のように思いました。
「人間ってなんて業の深い生き物なんだろう」と改めて思いました。
上のネット・ミームにただ、「ああ、いい話だなぁ」とのんきに感じ入っていた当時の自分を殴りたいような気持ちにさえなりました。

日本はペット後進国と言われているそうです。そのような言葉も、私にとって耳馴染みのないものでした。
元のネット・ミームは英語圏で生まれたようなので、きっとお国の事情が異なるところもあるのでしょうね。
――とはいえ、たとえ動物先進国を舞台としていても、本作で描いたような「人の業の深さ」は描けたのではないかな、と思いますが、今のところそのバージョンを描くつもりはありません。

逆にもっと極端に、悪質な繁殖業者の元で生まれた犬を主人公とするというような方向性もあり得ました。
しかし、それだとネット・ミームのメッセージ性が大きく損なわれそうな気がして、結局は本作のような形に落ち着きました。
「毒」は〝祖先の血〟の中で匂わせつつも、主人公ハナの主観としてはハッピーエンドで締めくくりました。

私には、ペットの飼育経験はありません。
近しい家族・親族が飼っていた犬猫と触れ合ったことや、その葬儀に参加したりしたことはあります。

もしも、ペットなど動物に対して私より思い入れのある方に、本作を踏み台としてより思いの込もった作品を出してもらえたら、それもまた私にとっては喜ばしいことだと言えそうです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次の作品でお目にかかれれば、幸いに思います。

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