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2025年の夏。


 推せる、リングラム!(挨拶)

 リングラムというお店がございまして。訪れた後に公式サイトを見て知ったのですが北は北海道から東北・関東・中部と、そこから西日本は関西・中国・九州それと海外はニューヨーク店と多くの店舗を展開しているようです。

 発端として彼女と交際一年(は過ぎてしまったものの)の記念で指輪を買いに行こう、という流れになりまして。事前に下調べをしたり問い合わせたところ、来店や注文から受け渡しまで一定の期間を要するお店が多かった……しかしながらフリーサイズ・お土産屋さん級の代物もちょっと、違うな? などと考えながら二人であれこれ見ていた際に発見したのが「リングラム」でした。

 予約画面に予算の案内や表示がなく、どうにか水族館に行った帰りに寄れるといいね……とハンドメイドコースの枠を確保。筆者、この時点で「まあ、ちょっと高い手作りオルゴールや手作りシルバーアクセくらい(これは経験あり)の値段じゃろて多分」と考えていたのですが、大きな思い違いでした。

 き、金額六桁だったあああああ、うわあああぁぁぁぁ…

 血の気がサァァァっと引く感触を覚えつつ、お財布の中にはギリ……ある! 多めに入れてよかったこれで「グエー、ちょっと近くのATMでおろしてくるンゴ〜」などという情けない事態は免れた、と覚悟をキメてコース表にサインをして作業開始。途中で意匠が云千円のコースと云千円のコースございますが、だとか箱を増やすと云千円を追加でいただきますが、と後出しジャンケンされたものの、腹を決めて六桁円の買い物をした後の精神状態だと「まあ誤差っしょ」と金額をあまり気にしない自分がいました。きっと家を建てたり車を購入する際にオプションあれこれ付ける人もこういう心理なんだと思う。



 作業が! 楽しい!

 いや以前のエッセイで触れた「(高額だし)自分を納得させる、己に言い聞かせる」的な話ではなく、掛け値なしに素晴らしい時間でした。

(エッセイのリンク)
https://kakuyomu.jp/works/16818093076579148624/episodes/16818792438334493195
 高い買い物をした時に「これは購入してよかった、自分は間違ってなかった!」とか必死に言い聞かせちゃうやつ。
(以下、本編)

 まず、溶接したばかりのぐにゃぐにゃでボコボコな金属の輪を木槌で叩いて叩いて、とにかく叩いて指輪にします。ある程度まで挑戦したらスタッフさんに最後の仕上げや手直しつまり介護してもらうのが慣例らしいですが、意地を張って最後まで自力でやろうとしました。でも無理でした。
 初期の初期、って状態も撮っておけばよかった。整形してからの「うお、ちゃんと指輪だ!?」感はテンションがブチ上がります。

 次に、研磨。模型をそこそこ凝った作り方した経験ある人なら伝わりやすいのですが「デカい傷を、目の粗いヤスリで削る。そうすると全体は傷だらけになるけれど一つ一つの傷は最初の『デカい傷』よりは小さい」
 ↓
「傷だらけの対象を、最初よりも目の粗さを抑えたヤスリで削って磨く。すると全体は依然として傷だらけではあるものの一つ一つの傷は『前工程で生じた傷』よりは小さい」
 ↓
「傷だらけの対象を、前工程よりも目の粗さを抑えたヤスリで削って磨く。すると全体は依然として傷だらけではあるものの一つ一つの傷は『前工程で生じた傷』よりは小さい」

 こういう作業って模型作りの頃から好きだったので、思わず熱中しました。磨いて均して次第に美しくなる様が好き。

 最後は仕上げ、スタッフさんが独自の意匠や文字数字などの刻印を入れてくれます。この作業は少し時間がかかるので、その間に店内を散策。「汚れや金属の粉が付いてしまっていますので2階を使って下さい」スタッフさんに促されるまま彼女と手を洗おうとしたら、洗面所がやたらと小綺麗かつオシャレでビビり散らかりました。



 いざ、お会計。

 財布を取り出そうとしたら、すっと差し出される彼女のスマホ。

< ペイペイ!

 聞き覚えのある高めの鳴き声、これは……電子決済!

「いつも色々、たくさん払ってくれてたから」

 伏し目がちにはにかむ彼女。マジか……うそだろおい、マジか……

 気持ちも記念の指輪も全部嬉しかったです、ありがとうございました。ありがとうございましたというか直接その場で伝えた。というかPayPayもっと鳴き声に変化つけたらいいのに。三桁の買い物と六桁の買い物で同じ鳴き声って正直どうなんだ。

 そんな、斯くも幸せな夏の日からもうすぐ一ヶ月が経ちます。直近の出来事としては彼女・友人と三人で食事に行ったり、彼女と二人で「まだ夏! ギリ夏だから!」と水着を新調したりナイトプール(もとい、クソデカのプール付いてるホテル)を堪能したり泊まるなどしていました。映画を見たり食事に行った際の呟きは熟々と短文投稿サイトに投下しておりました。

 ということで、仕事がんばりモード全開で短文投稿サイトは低浮上となりましたが元気に生きてます……!

 直近のエッセイで触れたモバイルバッテリー(兼・急速充電機器)についての解説と、彼女がこっそり撮影してくれたリングラムでの作業風景を添付します。

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