公募に送ってみたい、作品を作り「完結」という形で終わらせ一度だけでも挑戦したい、という気持ちから四カ月通して「一応の形」にした処女作の長編を、昨年の十二月に休眠させました。
(経緯)
二〇二三年、八月から黙々と執筆。
同年九月〜十一月、カクヨムへストック分を投稿。
毎日の投稿や改稿が楽しくなり文字数が増加。(ダメ)
その結果、公募の規定文字数を二万文字超過。
(最終章付近で気付く手遅れっぷり)
『処女作の二十万文字をネームかプロット的な内容として扱って、同じ話をゼロから書こう!』と意気込み十二月から年末付近まで楽しく十万文字ほど書いていました。
そういった「原初の物語や作業」が特に躓いたり壁にあたったわけでもない年末年始ですが、年の瀬に一つ新しい話を思いついて試しに最初の二万文字ほど書いてみました。
『なんか楽しいし続き書きたい、処女作ごめんいつかしっかり書き直すね』
結果、二〇二三年から二〇二四年に移り変わる時期に生まれた物語を公募に送ることになります。
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【遠野対策機関と迷宮配信武蔵】
どちらも共通して、公募の規定「十八万文字以下」に捻じ込むための涙ぐましい努力というか力技を使っているのが、アホ過ぎて一周回って気に入ってます。
・遠野スカスカ作戦
地の文や表現を伝わるか伝わらないか危うくなるまで削ぎ落とし、なおかつセリフも本文もよっぽどの事がない限りは二十文字前後、行は詰めても三行か四行まで、という形をとって無理やりストーリー進めたりテンポ早くしようと試みました。
もう一つの応募作品である『武蔵』を推敲した後に『遠野』を読むとスカスカっぷりから即、読み終えることができたので「わーライトでカジュアル(震え声)」と思いました。
また、当たり前のように前半と後半で時間経過を発生させて中盤のイベントをばっさりカットしたり、後半も後半で盛れる戦闘やイベントを片っ端からカットして勢いだけで生き急ぐようなスタイル、書いてて楽しかったです。
最初の遠野対策機関は、そんなわけでスカスカの成果もあって(本来、あってはいけない)17,999文字ギリになりました。
前半と後半の間に「主人公いつ免許とったの?」など削ったエピソードを書いて投げ込む用の外伝的な場をカクヨム内に設けたので、いつかのんびりと書くのが楽しみです。
・武蔵ギチギチ作戦
迷宮(ダンジョン)、段位(レベル)、性能(ステータス)、首魁級魔獣(ボスクラス・モンスター)、特殊技能(ユニーク・スキル)、見切回避(アヴォイデンス)
などなど、強引なルビ(振り仮名)を濫用して濫用して濫用の限りを尽くし17,999文字になりました。
ひとつでも「液魔獣」を「スライム」と表記したら1文字オーバーしてアウトなレベル。
演算衝突(コンフリクト)とかもありました。
ルビのせいで密度というか情報量ギッチギチ過ぎて「アホだな」と思いつつ、楽しかったです。
ただ、読み辛かったりストレスになってしまいそうにも思えて申し訳なく感じます。
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よく絵を描かれる方々で「作品を書く息抜きに別な絵を」という形で「落書き」と称して何かしらの絵を発表する創作者様がいますが、実は感覚自体は十代の頃から理解していました。
昔、模型が大好きで。
模型には「待ち」が多く、表面処理が多くて塗装には入れなかったり、塗装に突入したと思ったらまずは下塗りからだったり、あらかたの塗装が済んだと思ったら更に表面をあれこれと、といった具合にとにかく形になるのが遅いです。
形にしたい、立たせたい、完成させたい、という気持ちから「模型を作る息抜きとして、また別な模型を製作」を頻繁に行ってました。
(息抜きの模型は無塗装でパッと完成させる)
絵師さんの感覚もこれに近いのでは? と昔から勝手に思ってます。(いや合ってるのか分からんし人それぞれかもしれませんけど)
前置きが死ぬほど長くなりましたが、迷宮配信武蔵って「息抜き」として書き始めた作品でした。
遠野対策機関で色々考える部分があって、頭使わずノリで書けるバカな作品を息抜きで書くか-! の気持ち。
それが、書き始めると楽しくなってきてしまってガンガン書いて、挙げ句の果てに武蔵も公募に送ってみよう、の気持ちになりました。
自分の中で、他の長編と同じくらい大好きな作品に進化してしまった。
何だかこの気持ちや流れって「告白されたし断る理由ないから付き合ってみたら、付き合うにつれて相手のことを凄く好きになっていた」みたいな時を思い出します。近いかもしれません、そうでもないかもしれません。
その人とは破局しましたが、こと『作品』に関しては「相手から別れを切り出される」が無いのが良いなと思います。
あと、思ってたんと違うガッカリしたという非難も『作品』は言ってこないから良いと思います。
煙草やめろとか、ちゃんとご飯たべろとかも言ってこないのも良い。いやでも心配してくれていたわけだから煙草やめるべきだったかもしれないし、ちゃんと食べるべきだったのかもしれぬ分からぬ話が逸れました。
思うに、自分が匙投げたり否定しない限り『自分の作品』は一生傍らに寄り添ってくれるのが創作の良さなのかも。
諸々が完了してテンション上がったりアルコール入ってるので、そろそろ何を言ってるのかよく分からなくなってきましたし終わります。
公募に向けて活動していた皆々様、お疲れさまでした。
活動中に励まして下さったり「自分も送りたくなった」と言って下さった方、ありがとうございました。いやガチでテンション上がったわ「トモフジテツ楽しそうだから送りたくなった」て言われた時も、それほんとに書き終わって送ったよの連絡きた時も。楽しすぎる。
僕は無事、応募しま…した、はず、です不備はないはずです初めてなので怖い。
応募しました。
応募しました!
精一杯たのしみながら書きたいように書けたので、たぶん燃え尽きてます。一生に一作だけでも、と思って一生懸命に魂燃やしたつもりだけど、謎に三作いっぺんに応募するとは思わなかった、何か得した!(?)
完!