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AIが小説を書く日、あなたはそれでも小説を書きますか?

AIが小説を書く日が近い。

そう感じる人も少なくないと思います。

ChatGPTはそれ以前のAIと呼ばれていたものよりも桁違いに精度が高く、

優れているため、いずれ小説だって書けるようになるでしょう。

(精度、というのは正確性ではなく、チューリングテスト的な意味で



とはいえ、AIが小説を書く、とりわけ、長編小説を書くには、

まだかなりの時間が必要だと思っています。

現状のAIの情報の扱い方では、

過去の文章と現在の文章を同時に参照して文脈に対して計算をするような、

そんな計算能力もアルゴリズムもないと思うからです。



言語は単なる表象であるがゆえに、

自由度が極端に高い。

一つの語が持つ可能性が膨大で、多様で、

一意に解釈することなどできません。

現実と言語は一対一の対応関係ではない。

純粋に世界の表彰として言語があるわけではない。


当たり前ではありますが、

この抽象度の高さが大切なのだと思います。

言語は不可避的に解釈を挟むが故に、

ベクトルと行列で人工的にノードを作るだけのAIでは、

語と語の関係性を完全に補完できないのです。

というより、言語単独で言語は成り立ちようがないため、

言語のみから完全な言語を生むことは難しいでしょう。



それでも、やはりいずれはAIが小説を書くようになると思います。

というか、すでに掌編程度ならば書くことが可能です。

一つのシーン程度ならば作れるわけです。



その時、あなたはそれでも小説を書きますか?

あなたが書きうる文のすべてを先んじてAIが書いてしまうかもしれなくても、

それでもあなたは小説をかきますか?


産業革命によって職が脅かされた人々の比ではない。

仕事が奪われるだけではなく、

人の、そもそもの存在意義を問われるのだろうと思います。


それでも、小説を書きますか?

まあ、そんなこと聞かずとも、答えは一つでしょうけれど。





↓ DALL-Eに描いてもらった絵です。特に意味はありません。

9件のコメント

  • そうですねぇ、ちょうど4日前に近況ノートでAIについて書いたモノがありましたので、それが私のひとつの答えです(再載します)

    『よく、近況ノートでAiの優秀性について心配しているようなことが書かれていますが。

    私が読んだ未来予想書籍の中のAiの項目では、確かに日進月歩で進歩するAiはそれなりのクリエイティブな仕事はできるそうですが。
    それは、あくまで平均的な当たり障りがない、ドラえもんの出木杉くん的なモノだそうです。

    失敗は無いけれど、平均的な成功だけで新たな発想はない。
    Aiが作成するストーリーや絵柄には、データ的に平均なので。
    それ以上のブッ飛んだ感覚は、人間しか作り出せないそうで。

    Aiには、人間みたいな【直感】とか【閃き】はできないそうです。
    例えば、古典落語の中にポツンと別の事柄を閃きで放り込んで、また元のストーリーにもどすようなコトは……融通が効かないAiは、できるでしょうかね。

    とりあえずは、今のところ人間がAiより優れている部分は(ある技術者はAiは単なるツールで必要以上に不安がる必要はないと)人間ができるのは【直感】とか【閃き】の臨機応変ですから。

    Aiが人間を超える「シンギュラリティー」は2045年ごろと予想されていますから。
    Aiが悩んで自殺したり、Aiがデータ上で他のAiデータを破壊して殺したら…それは、Aiが人間に近づいた証拠です。
    それが起こるまでは、人間は大丈夫だぁ!』
  • AIはこれまでに蓄積されたデータを編集したものをアウトプットすることしか現時点ではできないと思っています。類推して発展させて新機軸を打ち出すことは仕組み的にまだまだできないと思ってます。

    創作はすでにあるものを真似るのは楽ですが、新しいもの、無から有を創り出すことが本義だと思います。

    これまでになかったものを書くというとき、AIには生み出せないものこそ人は生み出すことができるだろうと思ってます。
  • ヤヒモチ様

    もしかしたら、個人のためだけに小説が作られる時代がくるかもしれませんね。となれば、小説家という仕事は必要なくなる。
    だとしても、私たちはどうせ書いてしまうのだろうなと思っています。
  • 楠本恵士様

    これまで散々にChatGPTを使い倒してみて感じたのは、開発者がまず目指しているものが、創造性ではなく正確性だという点です。そして、なにを正解とするかは、結局のところ元のデータ次第。加えて、外れ値が出やすいように値を調整することもできると思います。
    つまり、創造性に重きを置いたモデルも作ることができるということです。
    ただ、楠本様のご指摘の通り、文脈からの逸脱、さらには回帰、というのはAIにはかなり難しい。(そもそも文脈への「理解」や「解釈」というものがAIには存在しない

    AIが人間のように振る舞う未来はまだまだ遠いと私も思います。
    が、さまざまな仕事が「AI+人間のプロンプト」に置き換わっていく。
    その終着点が小説なのかなとか。


    もしChatGPTに触れたことがなければ、
    ぜひとも試してみるといいと思います。
    とても楽しいですよ。
  • そうげん様

    AIの行っている語の意味の解釈は、ベクトルと行列による数的処理です。
    おそらくですが、それに加えて仮想ニューラルネットワークによる確率的な処理があるのかな、と。(もしかしたら後者のみかもしれません。AIと呼ばれるものはこれが多いです。
    なので、処理のプロセスはむしろかなり人間に近いです。
    大きな違いは肉体の有無です。人間の言語感覚は肉体とものすごく近くにある。たとえば「あまい匂い」と言った時に人間はそれぞれ好き勝手にその匂いを浮かべることができますが、AIはその語と語の結びつきが可能だ、ということしかわかりません。AIの経験は言語のみに完全に閉じていて、人間と言語を媒介にして世界を理解しているとも言えるかもしれません。

    私は、無から有が生み出されるのは「宇宙のはじまり」だけだろうと思っています。
    それ以外はすべて関係性によって生み出される事象だと。

    「これまでになかったものを書く」というのができる作家がどれほどいるかといえば、世界中探したって数えるほどか、あるいはいないかもしれないと思ってしまいます……。そういう意味で、AIは人間性を駆逐してしまう可能性が十分にあるかな、とか。
    それでも、やはりいつか一つでいいから、掌編だとしたっていいから、そんな作品が書けたらいいな、と日々邁進しております。
  • 長月一様

    それに尽きますね。そして今日も、明日も書いていく。AIがどれほど発展しようと、我々の意味の余白をすべて埋めてしまおうと、書く。それが私の作品。
  • ヤヒモチ様

    ChatGPTはかなり具体的に内容を書いた方が良い出力が戻ってくることが多い気がします。
    私は詩を書くときに面白い表現が欲しくて、わざとめちゃくちゃな文章を作って(マルコフ連鎖というのを用います)、「それを参考にして詩を書いて」と指示しています。
    そうすると、なんとか意味の通るような文章を返そうとChatGPTが頑張ってくれるので、面白くて、風変わりな表現になってくれたりします。

    プロットなんかは難しいかなと思います。
    「誰かがどこかに残したプロット」の域を出ないかな、と。

    あとは表現に迷った時に、言い換えなんかを聞いてみてもいいかもしれません。
    以下、質問例です。(実際に試してみたものです。

    ------------私------------

    以下の文をより詩的な表現に変えて。10通りのパターンで出力して。

    湖面のように見えるのは、海が近いことの証左だろうか。流れはあまりに穏やかで、波紋がない、鏡のように綺麗な平面に、青い空を映し出している。

    ------------ChatGPT------------

    1. 海に近いことを示す、湖面の如き光景。流れは穏やかで、波紋もなく、鏡のように美しく、青空を映し出す。
    2. 青空を映し出す、静謐な湖面。海への至近性が表れるかのように、その流れは穏やかで、波紋は立たない。
    3. 海に近いことの青写真、湖面に見える水面。流れは緩やかで、波紋を映さず、鏡のように美しい静けさに、青空が映し出されている。
    4. 海の近くにあることが証明する、湖面のような水の景色。流れは穏やかで、波紋がなく、青空が映し出される美しい平面を作り出している。
    5. 海への近さを示す、湖面のような美しい水面。穏やかな流れがそのまま、鏡のような平静な水面に映し出され、青空とともに風情ある光景を作り出している。
    6. 海に接近する水面として表れる、湖面の青き鏡。流れは穏やかで、波紋も見られず、美しい水平線に青空が映し出されている。
    7. 湖面の如く美しい海の姿。緩やかな流れが波紋を立てず、鏡のような平面に青空が映し出され、神秘的な雰囲気を醸し出している。
    8. 海の近さを思わせる、湖面に映る美しい水の輝き。流れは穏やかで波紋もなく、綺麗な平面に青空が映し出され、風情ある光景を醸し出している。
    9. 海に近づくほどに現れる、湖面のような静寂の水面。波紋が立たずに綺麗な平面を作り出し、青空とともに美しい景色を映し出している。
    10. 湖面のような、美しく穏やかな海。波紋を見せず、鏡のような水面に青空が映し出され、風情豊かな光景が広がっている。

    ---------------------------

    詩的という部分をたとえば、「夏目漱石のような」や「芥川龍之介のような」などと変えてみてもいいかもしれません。
    ひたすらいろんなパターンを試してみる。そうすると、自分では考えられなかった表現と出会えたりして、楽しいですよ。お試しあれ。
  • ヤヒモチ様

    おっしゃる通りです。私が考えているところもまた結局は「人間ってなに?」です。それを間接的に「それでも、小説を書きますか?」という形で問いました。
    「生きる意味への問い」が一部の哲学者や思想家の担当だったのに、それがすべての人に対する問いになる時代なのだろうなと、漠然と思っております。
    そして、これから人間はどう生きるのか。私個人の答えはすでに決まっていますが、他の人がどう生きるのか、どのような時代になるのか、それがとても楽しみです(そして少し怖いです。
  • コメントをくださった皆様へ

    自然言語処理AI(ChatGPTなど)の可能性や懸念、限界などを専門家がプレゼン・ディスカッションしている動画を見つけました。
    ご覧いただくことで、より深い理解を得る一助となればと思い、下記にURLを掲載いたします。

    https://www.youtube.com/watch?v=TVaB5R4-uOE
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