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『あしひきの 山道(やまぢ)も知らず 白橿(しらかし)の 枝もとををに 雪の降れれば』

すごかったですよ~~!
今日の午前中はお日様も顔を出したりして、風は時々強く吹いてましたが、午後の何時ごろでしょうか、一変しましたね!
風が強くなり、空から小雪が舞ってきたと思ったら、猛吹雪と共に視界が真っ白になり、ものの10分ぐらいで雪がどこもかしこも積もりだし、その後は後から後から雪が降り積もりましたね。

なんてことでしょう。
雪っていうのは、こう言う事があるので、コワいんですよ~。

表記の歌は、万葉集です。
柿本人麻呂です(諸説あり)。
白橿=カシの一種で常緑樹、樹皮は黒いが葉の裏と材自体は白い
とををに=たわみしなる様子
枕詞の一番の使い手という彼は、ここでも、あしひきあるいはあしびき、使ってますね~。

白橿の枝がたわむくらいに雪が積もって、山道が雪で覆われてわからなくなったって意味です。
よく考えてみたら、呑気に歌など詠んでる場合じゃねーよって話だけど、この歌の意味、よーくわかりましたよ、今日の出来事で。
こんな時に山道を歩かないといけない事でもあったのか、いやいや、山中に隠棲していてめっちゃ積もった雪を見て詠んだのだとか、いろいろ言われてますが、やはり歌の通りに情景を思い浮かべて味わったらよいのですよ。

とにかくものすごく雪が降って、それが急に降った為なんでしょう、わかるハズだった山道が見えないくらいなんだから。
雪っていうのは、突然すごく降って、直ぐに景色全てを白で埋めつくしてしまう、そんなことがあるっていうのを再認識しましたね、本日は。

突然の大雪、7世紀の歌聖、人麻呂の頃も、今も、同じように自然の営みは続いています。
いま、私の家の庭には、白橿ではないけど、これも常緑樹の針葉樹が雪をたくさん乗せてタワワにしなっているのが雪明かりでよく見えます。
まるでクリスマスツリーのモミの木の様です。

ニュースで大寒波ということを騒がしく流していますが、大寒波が運んで来てくれた、久しぶりな大雪です。
平安時代、雪見見参という、初雪に宮中へ参内したという雅な世界があったこと、万葉歌などの雪の和歌をそらんじたりして、雪明かりに仄かに浮かぶ雪景色に、そのような太古に想いを馳せてみるのも、一興ではないでしょうか?

カナディアンクラブをグラスに注ぎながら、窓の雪景色に、つい、心を奪われる静かな夜に記す。

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