• 現代ドラマ
  • 恋愛

嘘のようなこと

何も書けないので読むばかりの日々です。
中上健次『熊野集』、古井由吉『辻』、高橋源一郎『君が代は千代に八千代に』が、天上まで、あるいは地獄へと、ふっと連れ去られたように、おもしろかった。
津原泰水『綺譚集』は、まだ途中(といっても短編集)ですが、正直、いまいち。好きな人がいらっしゃれば申し訳ない。ただ好みでないというに過ぎませんので…。
今まで触れたもののなかでひときわ愛おしいものに再会すれば、書けるようになるかと、最も好きな映画である、ルキノ・ヴィスコンティ監督『ベニスに死す』を、つい先ほど見返しました。こんなに良かったっけ、とかえって面食らうほどの感動。
もしかすると、私は自分が考えてきたほどに、嘘を愛さないのだろうか。単なる娯楽ではなく、現実を愉楽で飲みこむようでなければ、満ち足りぬのだろうか。
しかしならば、嘘しかつけぬ私は、本当を見定められぬ私は、書くことがない。
様々な作品に触れて、書けない理由に、行き当たりました…。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する