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『娼婦の諸相~』について



とりあえず表題に挙げた三人の作家については、書き終えました。
初めて評論的なものを書いてみた感想としましては、やっぱろ難しい。正直に言えば、中上健次は比較的スムーズに書けたのですが、坂口安吾はなかなか手ごわく、川端康成についてはもうお手上げでした。この難易度の順番が、書く前の想定とは全く反対なのです。というのも、難しかった順に、愛好する作家なのですが、論じてみるとなると、愛情が大きいほど、かえって語りたいことがまとまらないようです。
さて、当然ですが各作家、語り落としている部分だらけなので、これからそれぞれについて補遺というかたちで、断片的な記事をいくつか投稿していくつもりです。これまで書いたものを骨として、いくつかの断片が肉となり、最終的に一つの作家像がもう少しクリアにあらわれてくれば、と思っています。
少し手の内を明かしますと、中上健次は熊野集・化粧・重力の都の収録作を、坂口安吾は青鬼の褌を洗う女・魔の退屈・白痴を、川端康成は散りぬるを・それを見た人達・禽獣・寝顔・万歳(掌の小説)などを、論じる対象としようかと考えています。是非ともご一読ください。

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