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無双の細道こぼれ話第二十六回:麻雀と私

「経験やデータに頼っているうちは二流、賭け事の本質とはそれらとはかけ離れたところにある」
 なんて台詞が『アカギ』にあったような気がします。
「博打とは自分の身を投げ出すこと」
 このような台詞も『銀と金』にあったような気がします。
 なので私はそんな福本伸行先生の教えに従い、心を無にして己の直観のまま危険牌を捨てます。
 
 結果、親の跳満に振り込んで吹っ飛びます。こんちくしょう!
 
 こんなことを延々と繰り返してきた私ですが、最近、これまたとある漫画で自分が勘違いしていたことに気が付きました。
 小林有吾先生の『アオアシ』です。
 賭け事とはまったく関係のないサッカー漫画ですが、その中にこんな台詞があるのです。
 
「考えて、考えて、考えて――するとな、いろんなことがいずれ考えなくても出来るようになる。そうしたらようやくそれが自分のものになる」

 この台詞は『アオアシ』において結構序盤に出てくる台詞です。
 が、30巻においてまさにこれを実践して長くプロの世界を生き抜いてきたレジェンドのプレイに触れて、主人公はまさにこの意味を実感するのです。
 
 そしてそれは私も同じでした。
 これまで私はただ直観の赴くままに麻雀をしていたのですが、福本先生の仰ることはそうではなかったのです。
 様々な経験、データに基づいて一局一局を考えて考えて考えまくって、その結果、考えることなく直感で牌を打てるようにならないとダメだと仰っていたわけです。
 
 そうだったのか! 福本先生、そうならそうとちゃんと仰ってください。
 というか、『アカギ』や『咲』を読んで麻雀が上手くなったような気分になるのはもうやめようね、私

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