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最低限文化的生活6

https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093078660845287


 それからの経過は目まぐるしく植物はどんどんと育った。植えた香草と根菜はみるみると育ち収穫手前の状態となる。花をつければ味も香りも落ちてしまうためその辺りの見極めは重要。つぶさに観察を続けなければいけない緊張感。農作業も楽ではない。また、口さがない者たちからの批判もあった。





「わざわざ育てなくたって、採りにいけばいいだろう」





 カオ様の威光を借りてもそう口にする者は絶えなかった。効率と管理の面を考えればどれだけの利点があるか分かるのだがそういう輩には何を言っても無駄である。これは知能レベルの高低ではなく、新しいものを許容できるかどうかの問題だ。今も昔も、価値観をアップデートできない人間は存在するし、勿論その逆もいる。例えばエーラなどは全肯定だったし、子供を統率するニーラッドも「仕事がやりやすくなる」とたどたどしく賛同してくれた。また、意外なのはムシュリタも理解を示した事だった。

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