「貴方は慢性膵炎です」36歳の時に下された病名。あれから6年が経ちました。アルコールも一生飲めない身体となりました。
以来、僕は4ヶ月くらいに一度入退院して、膵管にステントというチューブを通し、膵液の流れを良くさせる内視鏡手術を受けています。
もう10回くらいは入退院、手術を繰り返していますが、内視鏡が喉元からお腹の中にググっと押し込まれて行くあの感覚は、未だに慣れません。
入院中は禁酒は言わずもがな、今現在はタバコも、絶対禁煙。正直あれにも慣れない。
メンタル面での疾患だけでも辛いというのに、フィジカル面でも疾患を抱えるとは。いくら自分で点けた火種、蒔いた種とはいえ、40も過ぎるとかなりの身の負担です。
初めて入院した時、膵臓内には7センチの膿疱が出来ていました。尚且、膵臓の一部が石灰化しているとの事。あのまま放置していたら、「間違いなく膵臓が破裂していたでしょう」との説明を、両親と弟にはなされている……。だから当人である僕よりも、両親の方が「膵炎!」だの「入院!」だのと口喧しい。それが一番嫌なんですけど。
両親でさえも、同年代の男女でさえも、内視鏡は飲んだ事が、ない。鼻から酸素吸引の器具も装着された事も、ない。
皆さん、ご健康で素晴らしいですね。と皮肉も言いたくもなって来ます。
序に、自分の体内をモニターで見た事もないでしょう、とも。
回顧すれば、僕は周りよりも「経験」が早かった。
身長が一気に伸びる。変声期を迎えるのも周りの男子よりも早かった。
前年の夏休みに逢った従姉が、翌年の夏休みで僕の低音ボイスを聞き、「その声どうしたん!?」と驚愕する程。
身体の成長も早ければ、身体の疾病も早いという事ですかいな?
また近付いて来る入院日……。
今となっては、「もうベテランさんだから」と看護師に言われるが、何も自慢には、ならない!
ていうか、退院の日に「次の入院日が……」と事務的に言われる事も、悪夢でしか、ない!
とはいえ、食事をして確りと食べ物を消化させるには、入院して内視鏡手術を受けるしか、ない! のです……。