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雑多で緩めの読書ノート(仮) その2

こんにちはかもしれないし、こんばんはかもしれない。あるいはおはようですらないかもしれない。そもそも挨拶というものに区切りはなく、それ故に今回は四冊の読んだ本を記しておく。ネタバレだらけなので注意です。



一冊目は円城塔『バナナ剥きには最適の日々』です。前回を見た人間なら分かると思うんですが、完全に『虐殺器官』や『ハーモニー』から派生しただけです。交友のあった作家ということで、読んでみました。
それで正直な感想なんですが……何も分からん。おそらくSFに対してかなり慣れている人、あるいは科学(化学?)に関して理解している人。そのあたりの人ならよく分かったんじゃないかなと思いました。とはいえ、完全に分からないかと言われたら、そうでもない。面白いんですよね。分からなさが楽しい、というか、分からないのに「この文章めちゃくちゃ好きだ」とか「この発想は好きだな(文章の書き方)」とか、そういうのが詰まっていました。個人的に好きなのは「AUTOMATICA」と「equal」でした。

二冊目は同著者『後藤さんのこと』です。こっちは『バナナ剥き』の十倍は引き離されたのですが、同時に「これは付いて行けるぞ!」となる話も多くて。どれがどれとかは別に言わないんですが、私は表題作「後藤さんのこと」で円城塔氏の手の上で踊らされている気分になりました。個人的に(そうじゃなかったらごめんなさい)

三冊目ですが、今度はブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』です。新潮文庫の企画で一番だったので買ったんですが、いや、めちゃくちゃ面白い。エッセイがかなり好きな人間なので、(ジャンルとしてはノンフィクション分類されてる? っぽいですが)親子の微妙な関係性が、読んでいてこっちまで共感しまくってました。日本だけに住んでいると忘れがちですが、海外での生活ってこういうのがあるんだな、と垣間見れて楽しい。深くは語らないですが、これは一位取るはず内容だわ……と思いました。

そして、最後の四冊目ですが同じく新潮文庫の企画で二位にランクインしていた町田そのこ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』です。三浦しをん氏と辻村深月氏という私得な二人推薦の作品な時点で「当たり」であることは確定だったんですが、本当にクリティカルヒットのオーバーキルされました。99999ダメージ。
話と話に繋がりがあるタイプの作品なんですが、私、そういうのがめちゃくちゃ好きで。ゲームの第二作の序盤に第一作での冒険が過去の伝説になっているタイプでよく興奮してました。それで、内容に切り込んでいくんですが、「カメルーンの青い魚」という最初に来る話がめちゃくちゃ良い。私は(少なくとも創作作品では)百合やBLが好きなのですが、良質な男女の関係性もそれと同じぐらい大好きで。淡白だけど、それでもお互いがお互いを愛していて、それなのにお互いに生きられる環境がある。そんな二人の関係性に心が揺さぶられながらも、されど、悲劇か? と言われたらそういうわけでもない。
「これからどうにかなるか分からない」という関係性、本当に良いです。あと単純に町田そのこ氏のファンになりました。作品の中に漂う優しさに惚れました。多分、次買う小説第一候補です。まぁそれより先に読みたい本があるので、そっちから読んでいく予定ですが……。

一月も終わりに近付いてきてるのが辛いです。あと三週間ぐらい伸びてほしい。(それはもう一カ月では?)それでは、また。


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