若い頃に読んだ本を思い出す-アルベール・カミュ/異邦人

こんにちは。
5月後半ぐらいからめまいがして不調でしたが、ようやく体調が戻ってきた今日この頃です。

で、月森 乙さんと如月 芳美さんのエッセイを読んで思い出したのが、若い頃に読んだカミュ「異邦人」と村上 龍。
村上 龍は「半島を出よ」が出た頃はもう読むのを止めてたんですが、それまでは色々読んでましたね。

それで今日は「異邦人」です。
う~ん、私、何でこの本を買ったんでしょうかね?自分でも謎です。
多分、15歳ぐらいの時に読んだと思うんですけど、衝撃を受けたのは覚えています。
ただ、どんな内容だったかあやふやになってるので(もうウン十年前のことなので許して下さい)再度読んでみました。

あー……
おそらく昔の私も共感はしてなかったと思います。「なんて本を書くんだ!」という意味で衝撃を受けたのかなと今、思ってます。
とにかく主人公ムルソーは自分のことなのに“ひとごと”なんですよ。
でも彼は狂ってるわけでもサイコパスでもないんです。ちょっと軽薄かな、とは思いますけど“普通の人”だと思います。
きっとママンが死んだときも“普通”に悲しかったと思うんです。
ところが物語後半、本人不在みたいな中であれよあれよという間に運命は転がっていって、その様を見事に描き切っているところに圧倒された、そういう感じです。
読了感はまあよろしくないですが、じゃあ憂鬱になるとか絶望感とか嫌な気分になるとかは全然なく、圧倒されて呆然としたというところでしょうか。

なんか巨匠の名作を好き勝手言いましたが、私は研究者でも何でもないのでそこは大目に見て頂ければと思います。
カミュがノーベル賞を取ったのはこの作品によるところが大きいらしいので、興味がある方はお読み下さいませ。

17件のコメント

  • 難しい本……。いつか、読めるようになるでしょうか……。

    でもカクヨムで色んな小説を読んで、だいぶ読めるようになってきました。最初は難しいと思っていた小説も、頭に入ってくるようになりました。

    体調が悪いときは、しっかりと休んでくださいね。一度崩すと、なかなか元に戻せないので(>_<)
  • 碧絃さん
    「異邦人」自体はそんな難解な小説ではないと思います。
    でも好き嫌いもあるし感想も人それぞれですし。
    私も謎の小説、沢山あります。
    ただ色んな作品に触れる機会があるのはホントに良いことですよね。
    碧絃さんもカクヨムで読書の幅が広がったんですよね。

    体調はもう戻っているので大丈夫です。
    有難うございます!
  • 箱籠さん
    碧絃さんのところでも言った通り、難解な小説ではないし、これ131ページと結構短いんです。
    後は好き嫌いの問題かなあと思います。
    で、月森さんのお嬢さんが仰った通り、最後に人、死にます。

    でも日本の漫画って別格じゃないですか?
    子供だけが読むものじゃ、もうないですよね。
    「笑ゥせぇるすまん」とか大好きです!

    体調お気遣い頂き有難うございます。
    もうちょっと運動しないとな、と思ってます。
  •  最近はまさに、異邦人、多いんじゃないですかね。
     もうエイリアン、に近いような。

     お体、お大事になさってくださいね。
  • 雀さん、体調悪かったんですね。お元気になられたようでよかった!

     ああ、うれしい! 雀さんのコメント読んで、「読みたい!」って思ったんですよ! こうやって教えてもらえると、やっぱ読もうかな、と思います。確かこの人、「ペスト」書いた人ですよね。あれはショッキングだったんで読んだんですが(あまり覚えていないんですが、コロナの時には「伝染病って、同じように広がるんだ」と、愕然とした気がします)確かに、ハッピーエンドじゃなかったですけど、読後はやっぱりそれほど落ち込まなかったんです。

     村上龍! 懐かしい。「限りなく透明に近いブルー」。あれと、山田詠美作品を読んだ時は、まさか自分がその物語に近いところで生活することになるとは思いませんでしたが(笑)。

     実は村上龍、この一作しか読んでないんですよ。米軍とか西側諸国、全く興味なかったんで。「カンブリア宮殿」は毎週見てて、最後のコメントは楽しみにしてるんですが。

     なので、次のブックログも楽しみにしてます。
  • 雀さん

    異邦人は高校生のときに触れましたが、深く読めていなかったと思います。
    機会があれば再チャレンジします!
    人生で避けてきたフランス文学に向き合うときでしょうか 笑
  • 本城さん
    ムルソーは常識のななめ上の人ですが、最近、異邦人とエイリアン(もはや地球人でもない)多いですか?
    そうかも知れません。
    でも昔から潜在的にこういう人はいたんじゃないかなと私は思っています。
    最近は色々と言いやすくなったから我々の目に留まるようになっただけで。

    体調へのお気遣い有難うございます。
  • 月森さん
    コロナが流行ってカミュの「ペスト」が読み直されたと聞いています。
    私は「ペスト」は読んだことがないので取り寄せてみようかな。

    村上龍の「限りなく透明に近いブルー」も読みましたが、村上龍の本は殆ど手元に残ってないんですよね。
    私は「愛と幻想のファシズム」が好きですが、これは政治経済小説です。
    これも手元にないので取り寄せてから感想書いてみたいと思います。

    「カンブリア宮殿」かあ、最近見てないなあ。
    小池栄子さんと出てる番組ですよね。
    最近すぐ眠くなって起きてられないんです(笑)
    ネットで見れるのかな?

    体調へのお気遣い有難うございます。
  • 浅里さん
    ムルソーは常識のななめ上の人で、変わってると言えばそうでしょうけど、普通の人だと私は思ってるんです。
    「こういう人、いるんじゃない?」みたいな。
    でも小説ですからその人の好きなように読めば良いかなと。
    私も謎のフランス文学あります(笑)
    浅里さんも読まれて「おっ!」と思うものがあれば教えてくださいませ~
  • 雀さん

    さっそくkindleで窪田さん訳のものを買いました(^^)
    読みやすいですね。

    また感想などなにかでご報告します!
  • 浅里さん
    早速買われたんですね。
    感想等、お聞かせください。
  • 雀様

    いつもありがとうございます。

    カミュ
    本や音楽ばかりの毎日の時を思い出します。

    母親が死んでも泣かなかった
    多分、主人公は母親が死んだという実感が湧かなかったのかな?
    それ以上のものも感じることはできますが・・・。

    人を殺すというショッキングな出来事
    無感動の中に見え隠れする主人公の気持ち

    宗教を信じない頑なな心に
    一体、宗教が人を助けれるとでも思っているのか?
    という反感を感じたものです。

    幸せにならなければならない
    自分自身の人生なのだから
    脅威の中で表現するのもカミュらしいと言えば
    カミュらしいのかな・・・?

    ペスト
    一言で言うなら
    隔離という世界での人物への
    彼なりの人間愛を感じました。

    いつもありがとうございます。

    雀様のハートマークを見ると嬉しくなります。

    ありがとうございます。
  • 織風さま
    おいでくださり有難うございます。

    多分、主人公は母親が死んだという実感が湧かなかったのかな?

    なるほど……
    上記を読んでムルソーは、本当に母が死んだというのを実感するのに時間(数年とか)が必要だったのかも、と思いました。

    司祭とムルソーのやり取りは、織風さまのように反感は感じませんでしたが違和感は覚えました。
    当時のアルジェリアの社会状況、宗教がどういうものなのかは私にはわかりませんが、少なくともムルソーの助けにはなってないと思います。

    「ペスト」
    人間愛。読んでみたいと思います。

    感想有難うございます!

    「ペンギン仕掛けの目覚まし時計8」には引き続きお伺いしますね!
  • @suekonekoさん

    おいでくださり有難うございます!
    暑くてモチベーションが下がっててボチボチしか読めないと思いますが宜しくお願いします。
  • こんにちはーヾ(*´∀`*)ノ

    今日、ママンが死んだ。もしかすると昨日かもしれないが、私にはわからない。

    ですよね、たしか。
    一行目だけ読んで怖くなってやめたんですよ。

    お母さんが亡くなった。それも今日。
    今日なのに昨日かも知れない……?
    ってことは私は一緒に住んでないの?
    一緒に住んでるなら、「もしかすると」は有り得ないし、それを有効とするならば「死んだ」ではなく「死んでいた」となる。
    どこか遠方か、病院(ママンが入院していたとして)から連絡が入った?
    いつかはっきりしないのだから、電話じゃない。手紙か電報か。
    ママンですよ。自分を生んだ母ですよ。
    それなのに「わからない」で済ます。

    第三者として、客観的に、何の感情も無くその事実を淡々と述べるほどの虚無感。
    そうならざるを得ないほどの気持ちの動き、そうなるまでの主人公の境遇、乾ききった主人公の心の中、そういうものが濁流のように押し寄せてきて、恐怖を感じちゃったんです。

    いつか読みたいとは思うんですが、とにかく最初の行を見ると怖くて怖くて。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
  • 如月さん

    こんにちは!

    そうです、この有名な一文から始まります。
    ママンは養老院に入っていて、養老院から電報が届いてこの表現になっているんですよね。

    如月さんはこれで恐怖を感じたんですね。
    私は一度もそう思わなかったので、そう感じる方もいるのか、と新鮮な気持ちになりました!
    如月さんが仰る
    「第三者として、客観的に、何の感情も無くその事実を淡々と述べるほどの虚無感。
    そうならざるを得ないほどの気持ちの動き、そうなるまでの主人公の境遇、乾ききった主人公の心の中」
    というのは鋭い洞察だと思います。
    なんせ主人公ムルソーは本当に”客観的”な人なんです。

    怖いということですので難しいでしょうが、もし読了されることがありましたら、ぜひ感想をお聞かせ頂きたいです。

    そして新作「ヒョイラレ!」ですが、まさか如月さんが異世界を書くとは思いませんでした。
    これからも伺わせて頂きますので宜しくお願いします~
  • 養老院! そうか、これ、ママンは養老院に入ってたのか!
    主人公、ムルソーさん(?)やはり客観的な人だったんですね……。
    冒頭一行でそこまで匂わせるって凄いですよね。

    あああ~ヒョイラレ!はその、出来心でして(;´Д`A ```
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