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結論のない謎、終わりのある物語

また黄菖蒲の季節になりましたので、さる場所へ何度か通って撮ってきましたんですよー。ショウブじゃなくてアヤメだろ、という話もあるそうですが(字が一緒なんで、よくわからん……)。


知らない人は知らないと思いますので説明しますと、私がアップロードしております短編『羇旅歌』に登場する花です(去年もこの話、してるはず)。最近、また少し誰かに読まれたようです。やはり、季節モノっていいのかもしれないですね。タグのおかげ?

 https://kakuyomu.jp/works/16816452220191458205

 毎年5月に読まれる小説になってくれー。なったらいいな。
 『なにを思ったのか知らないけれど、夏』で挫折した季節モノ小説への熱い思い。




ところで、最近、新しい職場の関係で猛勉強中でして、小説の方はまだ創作の時間が取れません。読む方は気晴らしにやっていこうかな、と企画も立てましたが、「閑古鳥」ですね……。

マイページにもログインしなくなってしまったので、空き時間はもっぱらLINE漫画を楽しんでいます。そこで、私が今読んでおります

 『トモちゃんはすごいブス』森下裕美・作 に、なかなかいいセリフが出てきたのでご紹介しようかと。




  人として 人という
  結論のない謎に
  ずっと関わっていたい




めっちゃカッコいいセリフやね……。これ、登場人物である陽介先生という歯科医が公園のベンチでトモちゃんの手を握りながら言うのですが(多分、35話あたりに出てくる)、このお話、主人公も周囲の人たちも(陽介先生を含め)変態だらけというか、人生のおっかなさに溢れた物語ですので(性的にもアレなんで、お子様は読めない漫画です)皆さんにオススメできるか自信はありません(タイトルがちゃんと「読んでもいいけど、覚悟しといてよ」と言ってる気がして親切!)。

ですが、森下先生のお話は『少年アシベ』以外も私は大好きで、かわいい絵柄なのに人間の深いところや結構な毒を含んでいて、それに惹かれます。

 たとえばですが、アシベでいうと、


 主人公の親友(スガオくん)は言葉を一言もしゃべらないんだけど、なぜ? アシベはどうやって仲良くなったんや……。とか、

 若い女の子が、裸にトランクスの上にジャケット羽織ってるだけ(胸毛が覗いている)&波平ヘアの、これまた言葉を一言もしゃべらないおっさん(ヒトシくん)のどこに惹かれたんや。とか、


 いろいろあるわけですが、それも人間の「謎」であり、理由や結論がある世界ではないのですよね(それなのに、『少年アシベ』となると「ゴマちゃん、かわいいよね〜」で話が終わるのがすごい……)。





私も、興味があるところとして、やはり「人間」ですので、そういうお話が書きたいなぁ、とは普段から思っております。私の場合は、「理屈で片づけられない人間の世界」というものが好きで、そういう意味で「変態美男子・陽介先生」のセリフにぐっときました……。

長編小説の『キッパータックの庭で』もそろそろ続きが書きたい、の、ですが、

 スポーツ作品の場合、「試合に勝つのか、負けるのか」

 恋愛作品の場合、「恋は実るのか、実らないのか」

 ケイパー・ストーリーの場合、「犯人は捕まるのか、逃げおおせるのか」


という物語の収まるところ、向かうべき方向、はあるとは思いますが、それは実は重要じゃなくて、その中にある人間のアレコレ(生の姿)がおもしろいんですよね。

一応、「最後はこうなる」というところまで頭の中に浮かべてみましたが、どういうふうにも道が描けるので、難しいですね。

皆さんの中の「人間論」「物語論」などがありましたら、聞かせていただけたらうれしいです。

今は私生活を乗り切ることに全力を傾けます!
 

7件のコメント

  • こんにちは♪
    森下裕美さん、私も昔から好きです。いま毎日新聞の夕刊に連載してる「うちの場合は」も最高に面白くて。メガネが時々白くなるのが可笑しくて😆森下さん、天才ですよね。
  • 崇期さん、お礼に来たのに忘れてしまいました。もう数えきれないほど応援と星を頂いています。余人には想像がつかないほど嬉しいです。まだ書いてていいのかな、と思えます。ありがとうございます😂
  • 来冬さん

    コメントありがとうございます! 近況ノートにお伺いしますね。
    数え切れないほどの応援を送ったでしょうか!

    まだ足りない気がしますが……。
    もっと贈らせてくださいね。切手のない贈り物です。
  • こんにちは!黄菖蒲良いですねえ。
    私も先日田んぼ?だったと思しきところにわんさか咲いているのを目撃したところです。

    ご紹介下さった3行、そうそうそう!という暑苦しい共感しかありません。
    人間という存在を超えるミステリーなどあるだろうか……

    私も今、読む書く共に殆ど手付かずですが、また落ち着いたらお邪魔しますね。
  • 蒼翠さん

    こんにちは!
    私も他の方の御作をなかなか読めなくて。
    こちらでも訪れてくださり、うれしいことです。

    黄菖蒲は黄色なんで、存在が映えますよね。

    人間というミステリーについても、一番の興味であり、謎。いろんな方の見解を読んでみたいです。

    それをどういう器に入れてやるか、となると、もっとうまくならなきゃなぁとは思います。素人なんで、気を張る必要はないですが。

    また近況ノートにも寄らせていただきますね!
  • >スポーツ作品の場合、「試合に勝つのか、負けるのか」

    果たしてその結果が重要なのか?
    という問いは、かなり私も共感するところです。
    「勝つか負けるかなら、もう既にたくさん書かれている」
    とも思います。

    確か村上龍は、似たような内容を、
    「主人公が穴に落ちて、出られるか否か」
    という風に要約していました。
    「穴に落ちたけど、ピンク色の砂で穴を満たす」とか、
    そういう可能性もあるとも言っていた気がします。

    私の場合、「人間のアレコレ」もそうですが、
    「試合は中止になったけど、別の何かが起こる」という風に
    想を練ったり、逃避したりすることが多いですね……。
  • 目さん

    コメントありがとうございます!

    そうなんですよね。野球漫画もよく読みますが、読者からすると、主人公のチームは絶対勝つやろ、とか、勝負がわかってるのに読んでるんですからね。

    穴の話はおもしろいですね。出られない物語、というのはカフカみたいな感じで怖い。安部公房みたい? 砂の女とか。

    頭の絞りどころがあるわけですね。いろいろな状況をピックアップしていくと発見がありそう。
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