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ヨムヨム上半期ベスト10(1〜5位)

目さん、美鶏あおさんが映画作品のマイベストを近ノー(変な略)でご紹介されてたので、「私もやりたい!」とは言ったのですが、私は映画の最新作をほとんど観ないし、好きな映画がとにかく古すぎる! そして偏りすぎ。

なので、これだけカクヨムで読者とレビュワーとしても(ショボイなりに)頑張っているなら、ヨムヨム・マイベストを発表してもいいんじゃないかと思いました。

もう、純粋なる私の好みです。選ぶの難しかったし、ジャンルもバラバラ! でも、発表してみます。感想も長ければnoteに行こうかなー。でもやってみますね!


【2020年9月〜2021年5月までの、私の大好きなカクヨム作品ベスト5】※全ジャンル

1位 前見て走れ、おれが憑いてる
   煙突さん

https://kakuyomu.jp/works/1177354054925829149

2位 王手
   さすがり亜美さん

https://kakuyomu.jp/works/1177354055133660774

3位 詩集 ある世界主義者の憂鬱
   朽木桜斎さん

https://kakuyomu.jp/works/1177354054934574194


4位 奇妙な男達/自選集(140字小説)
   塩塚不二夫さん

https://kakuyomu.jp/works/1177354054934614100


5位 夢三十三夜
   目さん

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884705999




1位 煙突さん

青春短編小説ですかね。とにかく、この作品がなんでここまで好きなのか自分でもうまく表現できないのですが、読んでいる最中の、あの、物語の進み方の速すぎるのと、曜子と吉木の過ごした月日の「はしょり感」がえ? とはっきり違和のように感じているにもかかわらず、あの最後のシーンで「ドドドドー!」と激しい感動の波が押し寄せてきて、「なに、これ!! すごいんですけど」となって物も言えなくなってしまいました。とは言ってもコメントとレビューしましたけどね。

煙突さんは一番はじめに私の企画、ヒトキワ荘で読んだ時から文章が印象的で、ほかの短編を読んでも、やはり雰囲気に魅力を感じました。

そして最近になって、煙突さんの作品の魅力はやはり「情感」のようなものかなぁと、ぼんやり思っています。それならばうまく言葉に出来ない、という理由がわかるし、私の「カクヨム作家さんが来なすった!」にゲスト出演くださった時、ギャグの空気感が「私と似たトーンかも……」とすごく思いました。私と似ているなど失礼かもしれませんし、作品も煙突さんの方が大人っぽいですが、もしかすると「情」という意味においては私と近しいタイプと言えるかもしれません。私の作の場合は情が「ムラあり雑然」で、はっきり欠点となっていることが多いですが、煙突さんの作品はそれが読後に心から引き離せなくなるような、まさに「後ろ髪引かれる」ような魅力になっています。

理屈を超えた、こういう作品を編みだせるのはほんとにすごいです。分析しきれない。これ以上好きな作品に今後出会えるのだろうか……とさえ思っています。切ない心が引き裂かれそうになりました。そしてそれは「主人公が実は◯◯になっている」という設定のせいではなく、あくまでこの作品の隅々に漂う「人間の情」の離れがたさ。

それから作品と関係ありませんが、私のことをコメントで「姐さま」と呼んで慕ってくださり本当にうれしいです。その瞬間に「煙突さん、年下なんや……」と気づきましたが(笑)。カクヨム以外のサイト活動の方が多いのかな、その辺、寂しい気もしますが、追いかけられる部分で今後も追いかけていこうと思います。

煙突さん、夜中のラーメンは食べ過ぎないでね(心配)。


2位 さすがり亜美さん

もう大分、この物語については色々語ったので、まだ語れるのか! と思いますが、こちらはおそらく、「ただのシュール作品で終わらせなかった」という功績(?)なのではないかと。

さすがりさんが書かれた当時どういう構想だったかもちろん想像でしかわかりませんが、シュール部分だけ取り出しても十分すぎるほど面白いですよね? かなり奇妙で笑えます。これだけでも良かったはずなのに前後に主人公の心象を割合丹念に描いた。しかも短くシンプルな文章に紋(あや)を入れることで描くという詩的な表現方法で!

シュール作品であり純文学、みたいな……本当に不思議に素敵な作品ですね。それからさすがりさんの、情緒的なシリアスな作品も、私は大好きです。人によって好みはあるでしょうが、私はさっぱり系もネットリ系も両方「いける口」です。そして設定がどうとか物語がどうとかではなく、やはり空気や文章で好きか嫌いかですね。これは理屈を超えてるので言葉にするのは難しい。さすがりさんの作品はおそらく非常に文学的なネットリ系ですし、それほど珍しいお話を書いてらっしゃるわけではありません。他ユーザー様がレビューでおっしゃってたとおり、残酷表現や悪い言葉を吐いていてもどこか透き通る純粋さがありますね。人間に強くスポットライトが当たっています。技が細かいとかそっちに意識がいかないような、やはり「情動」の世界ですかね。


3位 朽木桜斎さん

詩集は残念ながら、これすごくいいわー、というのはなかなか見つけられないです。一つ一つの詩で好きなものはあります。けれども、どの作家様の詩集も個性はあるでしょうが、全部同じに見えてしまうところがありますよね。なので違うものを……と考えていたら、自分の詩集があんな変なかわいそうな感じになってしまったのですよ。さすがりさんやkoumotoさんになると、特別世界がある、とも言えますが。あとは私が探しきれていない、読みきれていない……ということも。

朽木さんは「夜の歌」も好きですが、こちらを読んだとき、なんだかシンプルなのに非常に胸を打たれ後を引きました。テーマがはっきりして世界の掴みやすさもよかったのかも。

世の中の不条理に対する「なんだよ!」という反発、悲しさ。でも詠い手の素直さと踏ん張っている意地。

朽木さんの作品はどれもチャーミングで大好きですね。とても知的なのに、控えめで、そこがいい。

「ダークファンタジー」と「ガラスの要塞」が特に好きです。これからも、うまくいかないもどかしさ、悔しさを、朽木さんなりのこだわり、ユーモアで、詩になったりエッセイになったり小説になったりと、楽しませてもらえると思います。応援したいです。


4位 塩塚不二夫さん

こちらもすごいというか、何度読んでも「見事な出来」と思います。私が好きな創作物と塩塚さんがお好きだとおっしゃってたものと、好みが結構近いところはあると思います。
ただ私はシュール作品はしりあがり寿さんくらいしかちゃんとは読んでいないんですよね。あとは吉田戦車作品を少しくらい、「少年アシベ」もめちゃくちゃ好きでしたけど。小説では私はシュール作品はほとんど読んでいないと思います。

サラリーマン作品だと思いますが、塩塚さんご自身の作品ルールというか、毒が過ぎるとか暗過ぎるとかがない、基本は平和で温かな人間世界を守っておられるので、シュールなのにほっこり笑えるところが魅力ですね。

様々な話題のキーワードやユニーク展開を融合させた、脳を裏切る優しき世界。

私のベスト1は相変わらずバス停男ですが、広義のカレーとかエンジョイする背後霊とか、今でも思い返すだけで笑いがこみ上げてきます。

現在も様々な作品展開をされていますが、「塩塚カラー」は健在ですね! それから、私の作品のレビューの塩塚さん割合は8割以上では? うれしすぎです。素敵におしゃれな論客であるからこそ、世の中を独特に切り取ることができるのではないかと思います。


5位 目さん

目さんの作品はどれも、どう表現するのが正しいのか、最初に触れた時から世界といい文章といい、他作家様とのはっきりとした違いを感じ、秒速でファンになりましたね。

知的探究系、と私は言いましたが、まさに脳に刺激をくれ、心も軽々としてくれるというか、独特なのに暗くないし、深みがある。

こんな夢を見た……と言っていますが、これって夢なの? いや、作品でしょ? 小説? なに?
と大混乱。そんな作品。

変わった切り口のミステリーがあり、あっさりしたユーモアがあり。読んでいると手放せなくなる面白さ。しばらくしたらまた開いて読んでるだろうな、と想像できるし、実際そうするでしょう。

これは本当に何なんでしょうね。
小説っぽくないとも言えます。エッセイなのか……。しかし幻想世界。とにかく、目さんは唯一無二。似ている人がいません。たしかに「夢想」と言うのが一番しっくりくるかも。これからも見張っていきたいと思います(笑……ストーカーじゃないですよ)。

それからー、私がこの作品の一番PVの少ないエピソードを探し当て「最高ですね!」と言ったという奇蹟……。私は筋金入りのゲテモニストなのでしょうか? 怖いわ。

お菓子学園をなぜみんな応援しないんだ!!
最高じゃないか!!(憤怒)

よく考えたらお菓子学園って、うすた京介みたいですね。あちらは「牛乳学園」でしたか……。でもマンガと小説はやはり全然違う。


以上、というわけでございます。
私のカクヨム内好きな作家さんベストでもありますよね、ほんとに。まだ他にも何人かいますが。

6位〜10位までが混戦なのですが、発表できたらやります。そして12 月にもし「下半期」もできたらやろうかな。

皆さんもおもしろ作品、教えてくださいね。皆さんのレビューから辿って結構読ませてもらってるんですよ。フォロー様は好みも合ってることが多いですし。

今後もよろしくお願いします。

8件のコメント

  • >私がこの作品の一番PVの少ないエピソードを探し当て「最高ですね!」と言ったという奇蹟……。私は筋金入りのゲテモニストなのでしょうか?


    この件は本当に驚きました。自分なりの判定としては良い方(上位30%くらい)に入れたい作品だったので、スコッパーとしてA級ライセンスを差し上げたいほどです!
  • 目さん、コメントありがとうございます。

    私の「庶民アンテナ」がアポロチョコのいちご部分だけ食べるとか、とんがりコーンの「悪魔の爪じゃ」に反応してしまったのでしょう。野球も大好きですし。

    A級ライセンスのスコッパーなんて、カッコいいです……。なんだかキレものスナイパーみたい。ゴルゴ13 みたいに今後も狙っていきましょう。狙われた人は「ゲテモノ確定」になるので悲鳴をあげて逃げるかもですが……。
  • 崇期さんに選んでいただき光栄です。
    ありがとうございます。

    「毒が過ぎるとか暗過ぎるとかがない、基本は平和で温かな人間世界」とは、正にその通りです。
    私の世代は『終わりなき日常を生きろ(by.宮台真司)』という大命題があった気がします。
    あの本の内容は全く覚えていませんが…、言い換えると、所謂『平坦な戦場』というやつでしょうか。
    だから、毒や暗さもほどほどなのだと思ってます。
    「それでも生きていく」という、薄暗い前向きさがあるのだと自己分析してます。

    これからも、よろしくお願いします。
  • こちらこそ、いつも温かなコメントを痛み入ります。
    塩塚さんの大人の視点でご意見を伺えて、いつも励みになっております。

    また、ちょっと不思議なおもしろ世界をよろしくお願いしますね。
    微力ながら応援しております。
  • ドドドドー!(早馬の到着音

    えっ
    ていうか
    えっ……

    あの、あねさま、歳は関係ないんです。だってホラ年かさの若頭も組長さんの若い奥方にもあねさまってゆいますよね? ゆいますよね!(でもたぶん同じくらいだと思います、なんとなく。ええなんとなく(*´ω`*)

    それにしても、い、1位。光栄すぎて少し漏らしました。嘘。ビッショビショです。いやあ……これは祝ラーメン杯を上げざるを得ませんな。ありがとうございます。
    (余談ですが、『前見て~』と『神様の~』、『浮かぶ~』という、自己満足度調査で高い評価を得た作品群、あねさまにも気に入っていただけているのはちょっとした自慢です。えへ)
  • 煙突さん、お疲れ様でっす!

    早馬でのご到着、お待ちしておりました。
    あ、同い年くらいなのですね〜、いや、私が組長の奥方なんて、たしかに企画はやっておりましたけど、そのお心遣いありがたいです。

    本当に、『前を見て〜』は衝撃的作品でした。
    好きに理由をつけるのは困難というか、とにかく、読めて幸せでしたし、
    そういう素敵なお話を私も書けるようになれたらいいな、と思います。
    コメントありがとうございます。
  • 香車に乗ってやってまいりましたあ! はいやー! 「王手!」

    ……なんちゃって……。

    ……もう、なんとお礼申したらいいか分からぬ……。
    かたじけないです、本当に。
    ここまでよくしていただき。誠にありがとうございます。

    自分では文章をネトネトさせているような感覚はなかったんですが、やっぱり性格といいますか、性根といいますか、何といいますか、崇納さんがおっしゃられるように「情動」なのかなと思います。
    悪い言葉も、なんだか生来のもののような気がしますし……、……だから純粋風味がするのかもしれません……(呵々大笑)

    崇納さんの文章は、ネトネト時もアッサリ時もどこか飄々としているような気がします。なんでしょう……綺麗な緑の葉っぱみたいといいますか。
    「こっちに来い! その綺麗な葉脈をしっかり見せてみろ!」と思って手を伸ばしても、風にのってスルスルと逃げていくといいますか。
    正体不明の可笑しさや美しさがあります。こればかりは、「魔性」という言葉におんぶにだっこにならざるを得ないですわ(女性言葉か関西弁かは、選択の自由)
    これからも楽しい作品を楽しみにさせてください。

    構成といいますか……思い付いたきっかけといいますか……たぶんあれかもしれません。
    私は自分が、少しばかり、本当に僅かに少しばかりですが、運転のプロではないような気がしていまして、それで、コインパーキングに駐車するのに四苦八苦して、「……うわ……これは詰んだか……数秒前の私のあんちくしょうめが……」と諦めかけることがけっこう頻繁にありまして、……その無常感と申しますか絶望感が巡り巡って、あんな感じになったのかなと……。
  • さすがり様、
    わー、香車に乗ってのご到着ありがとうございます!!

    またまた好き放題語ってしまいまして、すみませんです。
    愛情が行き過ぎてのことだと思います、ひらにお許しを。

    やはり、私はそんな感じなのでしょうねぇ。でも言っていただけると安心します。多分、元来の気の弱さとオープンマインドは恥ずかしいという気持ちから、スルリと逃げる技ばかり得意になったんでしょうね。
    色も「緑」とか「茶色」を意識していますので、伝わってるっぽい、と嬉しい気持ちです。街なかに住んではいますが頭の中は「山の中」です。最近は「寺」も建っていますね、困ったことで。

    「王手」の創作秘話ですか? 運転からのヒントというのはしみじみ感じられていいですね。自分が規則を守っていても横暴運転の方が突如やってくるのが交通社会でありますから、その辺の不条理があの作品には感じられて、味わい深い気もしました。駐車場も運転味に若干のムラが、その日の気分的なものがある方は神経使いますよね。

    こちらこそ、今後も詩や詩情溢れる小説を楽しみにしています。
    よろしくお願いしますねー。

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