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いくひ誌。【1631~1640】

※日々、砂塵のように生きていく。


1631:【差別とは?】
誰かの何かを標準より上に見ることは差別ではない。反面、標準より下に見たり、その結果、その人物を不当に扱うと差別になる。たとえば、絵が上手なひとを、すごいですねー、と褒めることは差別ではないし、そこでその才能に惹かれて、その人物へプレゼントをしたり、仕事を手伝ったりしても、差別とはならない。反面、絵が描けないという理由で、悪口を言ったり、その人物そのものがダメだ、みたいに評価したり、雑用を押しつけたり、コミュニティから排除したりすれば、それは明確に差別だと呼べる。とはいえ、標準というのは時と場所、人の組み合わせごとに移り変わるものだ。標準とは、極めて曖昧で不安定な基準だと呼べる。美人と標準的な顔立ちの人物が、二人きりで並んでいれば、相対的に標準的な顔立ちの人物は平均以下となる。美人を高く評価することは、いまの世のなかでは差別にあたらないが、もし世界中の人間がつぎつぎと美人になり、そのなかでたった一人が標準的な顔立ちのままであるのなら、美人でないというだけで、不当に評価されるハメになる。標準的な顔立ちだったはずが、そう評価すらされなくなるのだ。これは極端な例であるが、同時に、有り触れた現象の一例でもある。つまり、あるときは差別ではなかったが、またべつのあるときでは差別にあたる、ということが到る場所、あらゆる時間軸上で成立してしまうのだ。誰かを称賛したり、崇めたときに、「では、そうではない人達は立派ではないというのか」という、ねじまがった理屈を唱える個人がときおりSNS上などで観測される。反論としてお粗末なその主張がじつは、暗に妥当な理屈として成立してしまうことが、現実にはあるのだ。差別をするつもりがなくとも、単なる区別であるだけで、結果として差別になることはある。それを自覚したり、指摘されたりしたときに、いかに自分を省みれるかが、多様な価値観を尊重しつつ共生していくうえで有利に働く触媒となっていくだろう。侮蔑のつもりがなくとも差別にはなり得る。だからといってそれを禁止しようとする姿勢もまた、意図せぬ差別に成り得ることは頭の隅に置いておくと、無駄に他人を傷つけずに生きていくことができるのかもしれない。これからの社会ではますます、他人を傷つけないことが、もっとも有効な護身術となっていく。傷つきたくなくば、まずは他者を慮る想像力を育むのが吉とでよう。ちなみに、幾度か言ってきていることだが、「お笑い」とは基本的に、他者を蔑むことで生じる心理現象である。この世から総じての差別をなくそうとすれば、まっさきに、「お笑い」という文化が滅ぶことになる。他者の欠点や失態や粗相を笑うことは必ずしもいけないことだろうか? 言い換えれば、美人ですね、としか褒められることのない人物にとって、美人ですね、は果たして褒め言葉となっているのだろうか? 重要なのは、差別をなくすことではなく、それによって傷つくひとがいなくなることのはずだ(もっと言えば、何を言われてもじぶんが傷つくいわれはないし、あなたがあんな言葉で傷つく必要もないんですよ、との共通認識を構築できる社会がより理想的ではある)。その人物をその人物として尊重することと、差別を根絶しようとする活動は、イコールではない。差別をなくそうという活動は、いち手段にすぎないのだ。本質を見失わないようにしたほうが好ましい。差別を絶対悪と見做すさっこんの風潮は、いささか危ういな、と感じる。むろん、差別を擁護しているわけではない。ただ、排除して解決する問題ではないのだ、という視点は持っておいて損はないだろう(と、いうよりも、排除しようとする姿勢そのものがもっとも根源的な因子なのではないか、と思うのだが、ともあれ、問題点を取り除くのは、円滑にシステムを機能させるうえでは欠かせない工程でもあり、本質的に、人類の営みは、排除思想のうえに成立していると呼べるのかもわからない)。多様性も行き過ぎれば秩序を破壊するように、何事もバランスが肝要なのである。バランスはとれていますか?


1632:【サボる】
やーやー、いくひしでござる。またまた久しぶりって感じがするなー。そうでもないでござるか? いくひしはさいきん、寝る前に石塚千尋さんのマンガ「ふらいんぐうぃっち」を読み直すのがいちにちの癒しになっておるぞ。ああいう物語はいくひしにはつくれないので、すなおに、すばらしいなー、と思うのだ。とてもよいきもちで眠ることができるぞ。とてもよいきもちで眠れる物語はよい物語だと思うのだ。いくひしも見習いたいものだぞ。あとはな、そうだな、きょうはなんか、雨が降ったわけでもないのに、そとが静かでな、秋の虫の音が聴こえなくなってしまったのだ。きのうの夜までは、カネタタキがうるさかったのがウソみたいに、シーンとしているぞ。暖かくなったり、寒くなったり、寒暖の差が激しくて、虫さんもまいってしまっているのかもしれないなぁ、なんて考えながら、しずかでいいなぁ、とひそかに、虫さんたちが死んでしまったことをこころよく思っているいくひしさんもおって、本当に性根が腐っているなぁ、と哀しく思ってしまったのだ。いなくなってせいせいする、といくひしも誰かに思われているのかもしれないでござるな。はやく透明人間になりたいでござる。カレーを食べたら眠くなってしまったでござる。きょうはもう寝るでござる。たくさんサボっているので、がんばらなきゃいけないのでござるが、もうしばらくサボるでござる。でもがんばらなきゃでござる。めんどうくさくなってきたでござる。やっぱりサボりたいでござる。サボるでござる。寝る。おやすみなさいでござる。


1633:【評価経済の狙い】
他者からの評価がお金の代わりとしてやりとりされる、というのは、一種の仮想通貨みたいなものだ。手続き不要な分、仮想通貨よりも信用度の低い通貨と呼べる。なぜ評価経済がもてはやされているのか、というと、お金を稼ぎたい者にとってはそちらのほうが都合がよいからだ。つまり、他者からの評価が商品となる。仮想通貨の付加価値を高め、半ば詐欺じみた手法で荒稼ぎした者たちがいたように、評価経済における他者からの評価もまた、高値で取引可能な商品となる。また、貨幣の代わりに対価としても使える。言い換えれば、お金を払わずに、他者をこきつかうことが可能なのだ。これはどの企業でも取り入れられている手法でもある。組織内での地位を高めることで、やりがい、という名の報酬を与える。給料に大きな差がないにも拘わらず役職名が高いだけで、ひとむかし前の労働者たちは躍起になって働いたのだ。その代表的な役職が、中間管理職と呼ばれる者たちだ。残業代がでず、似たような役職がたくさんありながら、そのしたの平社員を従わせることのできる地位を与えられることで、溜飲をさげ、安い給料で多忙な仕事を請け負う。社内表彰も、カタチだけ表彰するだけで数千円のお菓子を与えるだけ、或いは報酬はなし、みたいな会社もすくなくなかったのではないか(実情は知らないし、さいきんの会社では金一封やボーナスに上乗せされるところもでてきているという話も聞き及ぶ)。いずれにせよ、評価経済のいきつくさきは、やりがい搾取に染まりきった社会だと呼べる。与えられた評価によって一時いい思いをするだけで、本質的には、資本を持った一部の者たちにいいように操られる。評価に信用を与えるには、より大きな信用が必要であり、すなわちそれが貨幣となる。あのひとの与えた評価だから確からしい、という推論はおおよそ、すでに成功している者か、資本を獲得し、多くの労働者を従えている者に優位に働く傾向にある。たとえイチから這いあがって評価を集めた者でも、けっきょくは資本を蓄えることで、その評価を継続して得つづけることになる。評価経済と言いながら、本質は、より資本のちからが有効に働くための場づくりでしかないのだ。むろん、そうではない、という意見もあるだろう。それはそれで好ましい。評価経済によい点があるというのなら、わるい点もある。上記に挙げたのがその一例だ。わるい点が表出しないようにしつつ、よい点を伸ばしていけばよい。ただし現状、あまり好ましい結果に傾いてはいないようだ、と見受けられる。かつての社会では、資本を得るために暴力や反社会的行為が氾濫した。いまは他者からの評価を得るために、暴力(ヘイトおよび言論弾圧)や反社会的行為が増加して映る。同じ過ちを繰り返さないためにも、すでに学んだ対策を現状の評価至上主義にもあてはめ、問題が社会問題化する前に、先回りして改善していくのが好ましい。お金を得ることよりも、それにより何を成したいか、のほうが先んじるように、他者からの評価を得たさきで、どうなりたいのか、をまずは各々が掘り下げて考える必要に迫られている時期なのではないか、と思うしだいだ。有名になりたい、売れたい、と欲する彼ら彼女らはいったい、そのさきでどんな人生を送るつもりでいるのだろう。夢に破れたあとのことを考え、保険をかけておくのと同じくらい、夢を叶えたあとのことも考えていたほうが、そのさきで途方に暮れずに済むのではないだろうか。


1634:【まぁた言ってら】
中身のないこと言わせたらまんちゃん、あなたピカイチね。


1635:【飢餓感】
時間も能力も何もかもが足りない。満たないのではない。欠乏しているのだ。生き方を変えるか、或いは、存在の輪郭そのものを縮小するよりない。身の程を知ろう。いくひし、おまえはおまえが自分で思っているよりもはるかにずっと――いや、言わなくとも解かるな? だろ?


1636:【あぁ?】
うっせ、ばーか。 みゃーは天才なんにゃ! そうにゃろ!!!


1637:【爆笑】
いやいやまんちゃん、あに言ってんの。天才? あんたが? ウケんね。


1638:【挫折!】
短いお話のやつ! まいにち更新するって言ったな! やっぱムリ! かもしんない!


1639:【――すぞ】
無理じゃねぇんだよクズ。――すぞ。


1640:【あせ、あせ!】
さーて本気だすかな(おふとんにもぐりこみながら)。


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参照:いくひ誌。【481~490】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883170077

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