※日々同じことの繰り返しに嫌気が差すのではなく、刻一刻と巻きついてくる足枷の鎖が、どこか誇らしく感じてくるあの安堵感が嫌なのだ。
361:【風が吹くと意識が生じる】
ある問題が起きたとき、何か対策を講じようと話し合いを開くと決まって、結果論ですよね、と要因の矛先を曖昧に捨て置くことを是とする発言をする者が現れる。一人きりではない。だいたいにおいてその場の空気がそうした結果論、すなわち、起きたあとでならなんとでも言えるよ、といった論調に染まる。話し合いの焦点は要因の追求とその対策であるにも拘わらず、彼らの多くは責任の矛さきを気にしているのだ。そもそもが、彼らの多くは、ある問題が生じたのはひとつきりの因子によってだと信じて疑わない。複数の因子が密接に絡みあっている状態を想像できないのだ。しかもそれら因子は同時に関連するわけではない。段階的であり、雪だるま式である。問題とは複数のちいさな問題によって徐々に大きさと深刻さを増していく。どの時点で気づけるのかが肝要だ。多く、因子と因子を繋ぐ「フシ」の役割を果たす変曲点がある。対策を講じる場合にたいせつになってくるのは、それら変曲点のうち、大きなものを洗いだし、その芽を摘むことにある。責任の矛先を気にする者の多くは、本質である因子ではなく、問題が問題として浮上したきっかけに要因のハンコを捺す方向にちからをそそぐ。それは大概が、問題を引き起こしてしまった人物の過失というカタチで処理される。本質は、なぜその人物がそうした行動をとり、なぜそのような問題として顕在化したのかだろう。因子は必ず複数ある。優先順位こそあれど、すべての因子に何らかの対策を講じるべきだ。真摯に問題の再発防止を考えるならば当然のことだろう。基本的な事項であるこれらのことを、なぜ上の人間たちが理解していないのか。認めがたいが、これが現実だ。組織の底が知れる。子たぬきはそう言って拾った松ぼっくりを両手に持ち、一枚一枚ていねいにカサを折り曲げていくのだった。
362:【怪物事変】
藍本松さんのマンガ「怪物事変」がタイプです。無口少年と掴みどころないおっさんの怪異×探偵×冒険譚です。シリアスな場面で、真剣に「おじさんのお尻を見せてあげよう」とか言っちゃうような飄々としたおっさん好きにはたまらない作品ですね。ショタコンにもおすすめしたいですな。べつにいくひしはおっさん好きじゃないしショタコンでもないけど、おすすめはします。田辺イエロウさんの漫画「結界師」が好きな方にもおすすめです。今月イチオシの作品です。
363:【いくひしは死んでいるのか?】
森博嗣さんの小説「私たちは生きているのか?」を読みました。たーのしー! 好きなものほど感想がむつかしい。だってたぶん、好きって感情はすごく個人的なもので、何をどのように好きになるかがすなわち個性というものだと思うのだね。その点、いくひしがたーのしー!ってなる箇所は、たぶん、おそらく、多くのひとにとっては、へぇ、なんで? ってなることが大いに予想される箇所であって、感想をつたえたところで、それがこれを読んでいるあなたにとっての参考材料になるとは思えないからなのだね。しかし敢えて言わせてもらえれば、人間じゃない人間っぽいものの魅力、或いは何かが欠けている人間の魅力は、計り知れないものだね、という統括的なものならお答えしておこうかな。たーのしー!!!
364:【 感情が渦巻く牙城感】
kiiara - Feels
365:【やる気】
できる、と思った瞬間にやる気が失せる。では、できない、と思えればいいのかというとそうというほどでもない。できる、できない、という枠組みはすでにあるものを試みる行為を示す。すでにある、と認識した時点でやる気がどこかを向いて風を吹く。
366:【SF】
これからのSFは、新たに現れるものではなく、失われていくものを描くことが物語の輪郭として機能していく。存在することすら意識されずに存在する「いま」にとって不可欠なもの、あって当然のものが消えた世界、それがこれからのSFの主要テーマとなっていく。
367:【おまけ目当てのお菓子のように】
いくひしは無料で小説を公開している。しかし無償でしているわけではない。対価はいただいている。欲を張ればおまけがほしい。あなたの内で展開された物語について、あなたがどういう思いを抱いたのかをこの世界に刻んでほしい。ひらたく言えば、作品の感想をあなたのそとに吐きだしてほしい。作品名はなくてよい。何についての感想か、なんて蛇足も必要ない。吐きだす場所はこの世界であればどこでもいい。SNSでも、あなただけの日記でも、テスト用紙の裏でも、友人を待つあいだに座ったベンチの足元でも、結露して曇った窓ガラスにでも、ケチャップでオムライスにふりかけてみたっていい。なんでも構わない。あなたの内に生じた揺らぎを、あなたのそとに、この世界に、刻みこんでほしい。いくひしの小説があなたの内で作品となった証として、世界へとその影響を残してほしい。むろん、強制ではない。いくひしにとってもっともたいせつなことは、飽くまでいくひしのつむいだ物語があなたの内で作品として昇華されることである。対価はそれにて十全にいただけている。だからして、いくひしにおまけを与えてやってもいい、という心の広い方だけにおねがいしたい。世界に揺らぎを与えてほしい。いったいそれが何になるのか、と疑問であたまをもたげる方もおられるだろう。いったい何になるのか。それは百年後、千年後のおたのしみである。
368:【THE説】
「挫折のない人生? 要は挑戦してこなかったんだろ何一つ」
369:【金のタマゴ】
カツヲさんという漫画家さんをご存じでしょうか。「ひとりぼっちの○○生活」や「三ツ星カラーズ」を手掛ける気鋭の作家さんである。絵柄がたいへんかわいらしく、ただそれだけで手元にほしくなる、たいへんに優れた絵描きさんの一面がある。しかしじつを言うと物語として見たときに、何か一つ物足りないと首をひねることが多かった。絵描きさんとしては好きなのに、漫画家として見るとイマヒトツ推しきれない。しゅきしゅきセンサーはびんびんなのになぜだろう。惜しいなぁ、これに尽きる漫画家さんの一人だった。ところが最新作「金のタマゴ1~2巻」を読んで一転、正真正銘、手放しどころか逆立ちして絶賛したいくらいのきもちに駆られている。駆られたどころか絶賛しちゃう。カツオさんのマンガ「金のタマゴ」がめっちゃおもろいねーーーんんん!!!!! 読みましょう。何かの夢を追う人も、社会に疲れた新人も、そんな新人に振り回されて白髪が増えちゃったあのひとも、読んだら癒されること期待値大です。金のタマゴ、金のタマゴですよ。お忘れなく。
370:【バイオレンスアクションvol.1】
WEBマンガサイト「やわらかスピリッツ」で連載中のマンガ「バイオレンスアクション」がねー、これはねー、ちょっとねー、つぎへの時代の扉をつくっちゃうんじゃないのかなーって思っちゃうよねー。ケイちゃんがさー。ちょっとっていうか、これがまたかわいくってさー、でも舞台が舞台でしょー? マンガ「闇金ウシジマくん」に「苺ましまろ」の美羽ちゃん(十年後ver)が颯爽と降りたっちゃった感じするよねー。混ぜちゃ危険を忠実に再現しちゃったチョコバナナ抹茶パフェですよ。美味しくないわけがない。ぜったいハズしたくないときに召しあがってほしい一作だねー。ケイちゃんに銃。(スイカに塩てきなね)