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いくひ誌。【251~260】

※日々は眠りによって区切られていく、眠らぬかぎり日はつづく。


251:【たぶんこれは駄文】
えーっとですね。まあ、なんだ。最新作の進捗についてぽつりぽつりと語っていこうかと思ったんだけれども、いやーまいった。進んでない、まったくこれっぽっちも進んでない。つむいでないのだから当然だ。もうね、これだけで語り終えてしまうのですわ。えーい、笑ってくれ。さんざん偉そうなことのたまいてきたいくひしさんなのですがね、しょせんはえぇえぇこんなもんですよ。ろくに作品、完結させることもできないロクデナシなわけですよ。だぁー、まぁ、しかし、これにはふかーいワケがありまして、えぇえぇみなさんご存じのとおり、いくひしはいま人生のどん底でいもしない鬼たちへ向けてソーラン節を踊っているわけですよ。やーれん、そーらん、そーらん、コーラン、ほーらん、よお、ハイハイ! ってなんか途中でどっかの聖典が紛れこんだ気もしないではないが、さすがに四六時中ソーラン節を踊ってたら頭のなかが空っぽになりますよ、物語なんてどっかにいっちゃいますよ、創作意欲ごとどっかにいっちゃいますよ、置いてきぼりですよ、虚無ですよ。だからまあこれは愚痴だと思って聞いてほしいのですがね、いくひしはまあ、いま、ものっそいひと肌恋しいわけですよ。だってなんかそういう空気じゃん? 年の瀬もちかくなってきたわけじゃん? みんなはそう、知らんのかもしれんけれど、人生のどん底ってやつぁ、それはそれはさびしいところでね。ひとっこ一人いやしねぇ。さすがにね。これではね。万年孤独ウェルカムマンのいくひしさんも堪えるわけですよ。めちゃくそさびしいわけですよ。はぁ……少佐にあいたい。会ったこととかないんだけどね。でも、会いたいよ。草薙素子にいくひしは会いたい。会って、「なにぼさってとしている。置いてくわよ」って人生のどん底から連れだしてほしい。むしろいくひし、少佐になりたい。ああいうステキ美人になりたいよ。どうしていくひしはこんなボサったいざんねん擬人に育ってしまったのだろう。ざんねんの擬人化したような人間になってしまったのだろう。広辞苑でざんねんの項目ひらいてみ? 「いくひし、またはいくひしのようなもの」って書かれてるでしょ? 書かれてない? ほらきた、ざんねん。でもさ、よく考えたらざんねんってのは、どっかで期待していてその期待をわるい意味で裏切られたからざんねんだと感じるわけで、それってもしかしたらいくひしが思うよりもそうそうわるい状態ではないのかもしれない。そう考えたらほら、すこしだけ前向きに生きていけそうじゃん? え、そうじゃない? 前向きのフリをしているだけでそれはくるって反転してうしろ歩きをしているだけで、やっぱりけっきょくは後退しているって? うっせぇ! おめぇらが前向けっつったからまえ向いただけだろ! ちょっとくらいいくひしの努力みとめてよ! なーんて怒鳴ってみても無駄に響いてむなしいだけで、あーあ、こんなことならもっといろいろがんばらなきゃよかった。がんばっただけ無駄ならがんばらないほうがよかった。あーあ。ほんと、あーあとしか言えんわ。なーんも残ってないんだもん。からっぽ。中身がない。うすっぺらい。カスが息吸って飯くってクソ垂れ流しているみたいなもん。それがいくひしです。生きててごめんよってなるでしょ。ホント申しわけない。もらってくれるならいくらでもあげるよこんな身体。でもね、生きたいのよ。死にたくない。消えたくない。まっとうに、すこしでも、いまよりマシに生きていたい。だからまずはつくりかけの物語どもをなんとか閉じきって、結びきって、んで小瓶につめてネットの海に放流するよ。それがまっとうか否かは知らんけどさ。それくらいしかないんだもん。いくひしに残せるようなものなんて。この世に残しておきたいと思えるようなものなんて、それくらいしかさ。うぅー。なんかしめっぽくなってしまった。まあ愚痴だしね。これくらいはね。いいよね。たまにはさ。弱音だって吐きたくなるっしょ。え? ぜんぜんたまにじゃないって? 基本形だって? またまたー。んなこと言ってホントは心配してくれてんでしょ? そういうあんたみたいのがいるからさ。甘えてたまに弱気になれんのよ。弱気になったらあとはもう、強気になるしかないわけじゃん? いつもいい機会をくれてホントなんてーのかなぁ、うん、恥ずかしいけど言わせてくれ。ホントありがためいわくだっつーの! しかしまあ、欲を言えばもすこしいくひしを評価してくれてもよいのだぜ? 作品のことはきらいになっても、いくひしのことは嫌いにならないでね。いくひしとのやくそく。忘れんじゃねーぞ。


252:【いくひし、アホになる】
「なあなあ。出オチで申しわけないんだが、いいかな」「なにさ」「アホになるってかおまえ、アホだろ」「んん……っ!?」「いやいや、なにどういうことですかみたいな顔してんだよ、ちがうじゃん、そうじゃないじゃん、元からおまえアホじゃん、アホになるってかなってんじゃん、夢叶ってんじゃん、やったじゃん」「やったー!……のか? え、待って待って、さっきからおかしい。まるでいくひしがアホみたいに聞こえる」「だってアホじゃん」「え、え、いくひしだよ? 【天才といえばアノ!】のいくひしさんですよ?」「ナスといえばビ! みたいなノリで言われてもな」「なにそのノリっ!!?」「そういや思いだしたわ、さいきんおまえに聞かせたい名言があってさ」「めっちゃウヤムヤ! いくひしすでにアホ説が定説になってない? ヤだよ、いくひしだってアホになれるだけの余白あるよ! 猶予あるよ! 退化させて!」「うん、でな。名言聞かせる前にすこし前置きさせてほしいんだが」「さらっと流しすぎじゃない? 慣れてるからいいけどさ」「ちょっと前にほら、流行ったじゃん、アドガー心理学」「アドラーでしょ、それを言うならアドラーでしょ、アホにツッコまれてますからね、散々見下した相手にあなたツッコまれてますからね」「うん。で、そこそこ売れた本で、ほら、あったじゃん。【嫌われる幽鬼】ってやつ」「そりゃ嫌われるでしょ、幽鬼だもん、嫌われて当然ってか、えっ、好かれる要素ある?」「うそうそ、勇気ね勇気。字面でしか伝わらんジョークよく解ったな」「アホじゃないですからね!」「うん。で、その嫌われる勇気ってのは、まあ一理あるとは思うんだけど、でもさ」「あ、もうそういう扱いなのね、いくひし、そういう感じで流されるアレなのね」「一理あるとは思うんだけど、でもあたしはむしろ、嫌われる勇気よりも【あなたには嫌われたくないって伝える勇気】のほうがよっぽどだいじだと思うんだよな」「おっとー。思いのほかまっとうな発言が飛びだしたぞー」「だってそうじゃん? 嫌われたっていいよべつに好かれようなんて思ってねーし、なんて強がってるやつよりも、ホントはあなたに嫌われたくない、あなたにだけはほんのすこしでいいから好かれていたいってそう言われたほうが気持ちいいし、じっさい、そういうふうに相手に伝えられる人間のほうが勇気ある気しない? 想いがつよければつよいだけ好意を伝えるってのはむつかしいわけで。考えてもみればほら、拒まれたときに負う傷心ときたら、嫌われたっていいよっつって逆に好かれちゃったときの二倍くらいは深いわけだし」「ふつうに二倍じゃすまなくない?」「アホは黙ってて。で、まあ最初に言ったように、おまえに聞かせたい名言ってのが、だから、さっき言ったように【嫌われたくないと伝える勇気】ってことなんだけど、でもなあ、よく考えたら、これ、おまえよく言ってんだよなぁ」「…………」「なあって。言ってるよな? なに黙ってんだよ、よく言ってんじゃんおまえ」「うぅ……そうね、言ってるかな。うんうん、いくひしよく言ってる。嫌われたくないもん。好かれたいもん。愛されたいし、褒めたたえられたいし、あがめたてまつられたいもん。神って言われたい」「な?」「……んが?」「トビキリの名言のはずが、おまえが口にした途端、ありえんくらいの意地汚さだ」「いじきたないって言うな!」「なら、ウス汚いでもいい」「見た目にふれるゅんじゃねー!」「アホが噛んでら」「うがー! いろいろと言い逃れできないからやめろーー!」「そこは素直なのな。まあ、とにかく、だからおまえはアホなんだ」「だからってなにーーー???」「意地汚くて、ウス汚くて、意外なところで素直。略してアホ」「どー!こー!をー!略ー! 言えーーー!!!」「アホはアホだな」「てか、あれ? あのさ、え、あれ? ひとついい?」「なに」「きみ……ダレ……?」ああほほほほほおほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほおほほっほほほほおほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほおほほっほほほほおほほほほおほおほほほほほほほ「え、やだコワい」「なに寸劇してんだよ、あたし何も言ってねーじゃん」「シーっ! そこはちょっと黙っといてよ、ノってきてよ被せてよぅ!」「びっくりしたわぁ。いきなり、【オホホホホ】だもんな」「あほほほほぉ、ですぅー」「こまけぇな、どっちでもいいわ」「これだからアホは、みたいな目で見ないでくれません?」「じゃあどんな目で見りゃいいんだよ」「ハートマーク浮かべてよ」「うわ、キモチわる」「アホよりつらい……むしろアホでいいです、アホって言って!」「あーあ。ついに認めやがった」「いくひし、アホになりました」「冷やし中華はじめましたみたいに言うなや」「あ、アイス食べたい」「微妙に脈絡つくんなや、ツッコミづらいわ」「アホですから」「開き直るな、もういいわ」「出オチ、じゃなくって、出前とってもいいですか?」「中途半端なオチつくるのやめなさい」


253:【恋ダンス】
じつのところあのダンスが流行る理由が解らない。誤解しないでほしい。ディスではない。ドラマのEDを通してあのダンスを初めて観たときからおれさまはあれのトリコになっている。しかしあのダンスはいわゆるアイドルの踊りではない。カウントで音をとらないのでフリを覚えるのは容易ではない。素人にダンスを教える際、通常の段取りでは、ワンツースリーフォーと、8カウントでリズムを確認しながらフリを身体に馴染ませ、つぎにそれを曲にあわせていく。しかし恋ダンスの場合は、まずは曲から覚える。おそらくこの通常の段取りとは逆行したところにブームの火つけとして欠かせない要素があるのではないかと個人的にはにらんでいる。ところでパフュームというアーティストをご存じだろうか。三人組の女性がテクノを歌いながらダンスを披露するパフォーマンスで国内外を問わず人気のあるグループだ。彼女たちの踊りがむつかしそうだ、というのは人気の高さの割にYOUTUBE内で彼女たちの曲を「踊ってみた」動画がすくないことを引きあいにだすまでもなく一見して分かってもらえるはずだ。恋ダンスの難易度はパフュームのフリ付けと同程度のものだと言える。ではなぜこれだけ多くの人々をじっさいに躍らせるところまで魅了するのか。一つは、これを広めた人物、すなわち新垣結衣さんの非凡なダンスのうまさにある。ハッキリ言って恋ダンスのEDにかぎり、彼女のダンスはそこらのプロを遥かに凌ぐ表現力(やわらかさ)を発揮している。本物としての踊りがそこにはある(若干の照れくささを隠しきれていないところなどはとくにプロには真似できない)。ゆえに、嘘偽りのない百パーセントのお手本として、世に膾炙させる準備が最初から万端に整っていた。すなわちカリスマが躍っているので踊りたくなる、の理論である。つぎに、フリ付けのシンプルさがあげられる。難易度が高いと評価したが、それは飽くまでフリ付けとしてのリズムと流れが、である。ひとつひとつの動きは幼稚園児でも可能な動きだ。ゆえにスゴい。平易な文章で高等な物語を紡ぎだすのに似た驚きがある。あれを振りつけたひとは、ダンス界の文豪だと評価したい。最後に、フリ付けの要である、音取りについてである。ダンスにおいてもっとも個性のでるところは、じつは、どんな動きをするのか、ではなく、どの音を聴くのか、にある。リズム感と似ているが、すこしちがく、グルーブの有無に繋がってくるものの、それともまた異なる。ダンスを長く嗜んでいる者でもここのところを意識して踊っている者はそう多くはない。恋ダンスでは基本、メロディーたる歌詞にそってフリ付けが編まれているが、ところどころで効果音(ドラム音)がまじる。その効果音の抜き取り具合が絶妙であり、まさにここがフリを覚えるためのとっかかりになっており、さらには踊りそのもののポイントとなっている。もし初めから最後まで歌詞にそっていれば、ここまで世に広く膾炙しなかっただろう。しかし通常、世に広く浸透するフリ付けは、歌詞を表現しきったものが主流であり、ダンスの醍醐味である「音を拾いあげる」部分は極力排される傾向にある。そういう意味では、音楽そのもののちからも見逃せない(音を拾いあげることが快感として知覚され、世に広く風靡したフリ付けとして代表的なのは、ピンクレディーの「UFO」であろう。ともあれあれは動きの奇抜さのほうが魅力になっているので、ここで比較するのはやや的を外しているかもしれない)。とっちらかってきたのでここいらでまとめよう。恋ダンスが世に広く浸透した理由である。しょうじき解らない、というのが本音だ。しかし新垣結衣さんの動画を観ていて、基本的には踊りたい、楽しそうだ、と純粋に思えるところがいちばんの大きな要因ではないかと思う。分析しきれなかったので最後はふんわりとした感想で終わろう。踊れたらかっこいいだとか、かわいいだとか、そういうことでなく、ただ楽しそうだ。これに尽きる。ダンスは楽しい。見る者に一発でそう思わせる新垣結衣さんの表現力(やわらかさ)には脱帽というか、脱皮するよりないのである。


254:【それはだめ】
長編のつもりが中編、または短編になる分にはよい。称揚すべきまとまりのよさが作品に宿っている証だ。しかし短編のつもりが中編、長編になるのは、単にまとまりきれていない場合が多い。ダラダラと本来辿る物語から外れ、迷子になっている。迷子になりながらもときおり、彷徨ったからこそ出会えるうつくしい景色に行き当たることがある。偶然の神秘だが、それを期待してはいけない。放浪と旅はちがう。物語はよき旅であるべきだ。目的地を見失ってはいけない。なあいくひし。あんたいつまで迷子やってるつもり?


255:【前以っていまここで】
すきです。だいすきです。いまはまだ名も知らない、見たこともない、いるのかすらしらないあなたのことが、私、だいすきです。きっと未来のある時期では、私はあなたのことをしり、その存在を意識し、そして到底まじわることのできない想いに肉体を切り開かれるような痛みに悶えていることでしょう。きっとその口で、すきだとためしに言うこともできないほどに、あなたのことがすきですきでたまらないのだと思います。未来の私に代わって、だからいまここで言っておきますね。すきです。だいすきです。この肉体の細胞単位、粘液単位であなたに差しだす準備は整っています。いつでも構いません。すきなように扱ってください。この肉体ごと、私という存在を、使い捨ててあげてください。たいせつにしないでください。私にそのような価値はありません。あなたに触れられるだけで、意識されるだけで、細胞を、粘液を、その存在の表層にほんのすこし付着させることができただけで、私という存在は、その意味をまっとうできるのです。殺してほしいほどにすきですが、あなたにそこまでの期待は寄せていません。あなたの手を汚させる覚悟までは持てそうにないのです。どうか私のために、使い捨ててあげてください。ぞんざいに、完膚なきまでに、とまどいのいっさいを抱かずに済むように、サクランボの種くらいの気軽さで、舌のうえでころがして、甘い味だけすすったら、あとは気まぐれに唾液といっしょに吐き捨ててください。すきです。だいすきです。その想いが痛みに思えるほどに、あなたの存在が苦痛で苦痛で仕方がなく思えるほどに、私はあなたのことがだいすきです。いまから嗚呼、楽しみですね。私、待ってます。あなたに出会えるそのときを。グジュグジュに腐り、傷つくそのときまで。


256:【ランキング】
このマンガがすごい!というランキングがあるのをご存じでしょうか。ご存じでしょう。そりゃそうでしょう、いまさら、ことさら、こうして前置きするまでもないくらいに名の通った宝島社主催のランキングでござるね。うは。まいどのことでアレですがね、まあいくひしはへそまがりのこんこんチキチキなわけでして、ランキングなんていったいどこのランナーズハイだよ、どこの俊足王だよ、ハイキングかよ、なーん、ちんごんにゃーん、ってそりゃライオンキングだろ、みたいなね。端的に、信用してないわけですよ。あ、これはあれだね、最初に落としてからあげるツンデレ話法ですね、ってもはや馴染みのみなさまには見抜かれてござろうが、まあそうね。世のランキングなんてけっきょくそれをごり押ししたいだけの勢力がふるうピーアールでしょ。なんかやらしいR指定みたいな語感からしていかがわしい匂いがふんぷんしてるでしょ、疑ってかかったほうが身のためでしょ? なーんてまあ、言いながら2017年度の「このマンガがすごい!」の作品を、読んでやってもいーけどー? なんて無意味に高みの見物きぶんで購てきたわけですよ、さいきんご用達の抹茶ラテの買いだめがてらに。女性部門二位の「春の呪い」が2016年12月24日すなわち本日、ちょうど第二巻の発売日でもありまして、さっそくとばかりにほかのマンガのついでに、しょうがねぇなあ、そんなに言うならおまえもウチ、くる? みたいなね、あご振ってちょいとばかしナイスガイのふんいき醸しながら、いぶし銀をまき散らしながら、リュックサックぱんぱんにして帰ってきたわけですよ。クリスマスイブに少女漫画、BL、GL、その他有象無象のマンガを万札対価にこれでもかと買いあさっている人物がいたら間違いなく万年孤独ウェルカムマンですよ、いくひしまんですよ。うら寂しいどころか、万札消えて懐までさびしくなっちゃってるひとですよ。アホだなぁもう我ながら! そのお金であなたもっとほかに有意義な体験できるよ? すくなくとも美味しいお肉たべられるよ? でもいくひしはこころのなかで小馬鹿にしているランキングトップのマンガがほしかったんだもん! したらなんか! このマンガがすごい!ってなった! そのマンガがそんなにすごいんですか~? へぇ~? みたいないくひしさんも、ここぞとばかりにこのマンガがすごいです!ってなっちゃった! でもしかたなくない? めっちゃらって、おもろいんだもん! 抹茶ラテに合うんだもん! うわー、つづきまだかなぁとかおもむろにいま! ホントこれパチパチ打ちながら気づいたんだけど二巻で完結なんですか!? え? だって、え? まだ続く余地ありますよ? こっからが本番なんじゃないんですか? え? え? うそでしょ? ぽかーんとしているいくひしさんがここにおりますが、あれぇちょっと時間ちょうだいね、せっかく用意してたオチがこれじゃ捻りだせないじゃん、どうしたこった。困ったので、奥義「いましばらくそのままでおまちください」を発動し、いくひしはこのマンガがすごい!女性部門ランキング1位の「金の国水の国」を読むことにする。しばし待たれよ。しばし待ったかい? 読んださ。読み終わってしまったさ。感想かい? 言うまでもないとは思うのだが、いいだろう。興奮するたぐいのおもしろさではないね。うそでも、おもしろーいい!!ってなる内容ではない。でもね。森に湧く小川のせせらぎのような、真夏の木漏れ日のような、静かなる安らぎに満ちている。静寂ではない。どこからか小鳥たちのさえずりが聞こえ、ちょろちょろと流れる川の水の音がする。穏やかでありながらにして、反面、その物語の濃さときたらない!!! いやびっくりしたわ。なにこの濃さ? いったい何本の物語を費やしてるの? 圧縮しすぎじゃない? 物語のおせんべいでもつくりたいのかな? 春の呪いがキャラクターの濃さに重きを置いているのに対し、こちらは飽くまでストーリーに重きをおいている。ただし展開のためのキャラクターではなく、きちんとキャラクターがあってこその展開になっている。王の頭痛とそれをネタにした右大臣と左大臣との駆け引きは、本編でこそ明確にされていなかったが、まつりごとの裏腹な淀みを王道に、しかし暗に表現していて、ただ穏やかなだけではない物語に仕上がっている。ハッピーエンドは、数々の暗黒面によってその輝きを増すのである。しかし! 敢えて言おう! やはりいくひしは春の呪いのほうが、それに登場する主人公、夏美さんがーーー!!! なんだ!この!よくわからん!ムラムラは!!! はい。金の国水の国とはちがって、春の呪いのほうは、読後たくさん興奮するマンガです。わがままを言えばなんだろうなー。五年後の話で、夏美さんの弟が夏美さんを忘れられずに探しに出て、そして紆余曲折、思春期のリビドーを暴走させちゃう話が読みたいなー。ハハハ。マンガ読んでる場合じゃねーだろって? 新作がんばります……。


257:【声にだして笑っちゃう】
プリマックス七巻が神がかっている。三徹の眠気が吹き飛んだ。きょういろいろ読んだマンガの感動から感想からなにからなにまで一読して持ってかれちゃったよ、なにしてくれてんだよ、おまえさんあれかい、トイレの水かなにかですか? 狂気が紙一重で諧謔になっている。笑っちゃいけないのに笑ってしまう。この神秘はいまのところ暴かれる予定はない。このおもしろさは謎である。


258:【瞑想トリップ120%】
Olexesh - Treppenhaus Authentic (INSTRUMENTAL)


259:【立方音】
M-lyve - OFTEN Litefeet Remixes


260:【実感】
生きているという実感とは、すなわち過去を振り返ったときに時間の経過を感じられるかということで(十年が一瞬に感じるのも、一瞬が永遠に感じられるのも、いずれも時間の経過の明瞭な質感を伴う)、いかに濃い時間を過ごしたか否かにあると言える。濃い時間と薄い時間のメリハリが、人生という映画をコマ割りする。とすると、情報量の多寡が重要になってくる。その点でいえばいくひしの時間は止まったままいっさいがナメクジ。いっそのこと頭から塩に突っこみたい。

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