小説を書く時、重要なのが「複線貼り」です。
「伏線」とは、本当にただの言葉であったり、物であったりします。
それが、なん章か書き進めた段階で「役立つアイテム」に変貌します。
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例えば「うさぎ娘~」5章 天帝の兎 Vol2 で、拓郎が「これはね、『味噌マヨ』なのだ」と言いながら小さなタッパーを出してきて、生の人参をつけて食べるシーンがあります。
アホみたいな話です。
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ところが、第7章 異常食欲者 Vol.7 で、かぐや姫ちゃんの欠片を発見するのですが、異常食欲者さんが渡してくれません。
そこで拓郎は「味噌マヨ」を出してきて、「こいつは旨いんだぜ~。おっさんが持っている石となら交換してやる!」と、「味噌マヨ」と「かぐや姫ちゃん」のトレードが成功します。
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重要な状況で、アホみたいな伏線が活きてきます。
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このお話には、こういった伏線が数多く敷かれています。伏線がない小説は、薄っぺらいものです。「伏線」がばんばん貼ってあると、「ここでこうきたか!」と読者を楽しませることができます。
だから、小説を書く時には、常に自分が最初の方で使った「言葉」や「アイテム」を忘れず、なん章か書き進めた時にそれを使えるようになると、「複線貼り」がきちんとできている小説になります。
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特に長編を書いておられる方々は、「伏線」は重要です。伏線がない長編は、とても薄っぺらいお話になります。
コンピュータで言うと、上層のみのデータです。これは誰でもできます。
フォルダを作って、その下にまたフォルダを作り、さらにその下へと、最下層まで構築された文章を書くと、枝分かれがたくさんある「ツリー」が出来上がり、分厚いストーリー構成になります。